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「ゼノンザード」の世界観を紐解く、重要なキーワードを公開します。

さらに、5章以降のストーリー展開を各コードマンストーリーページにて公開しました。
上部のキャラクターアイコンよりご覧ください。

 

ゼートレート・ログレイド・アリスキル


エレメント


コードマン


ビホルダーグループ


ザ・ゼノン


ストライオ・ザナクロン


カタストロフィ・アクティベーション


アルゴリズム・ゼートレート(AZ)


5章以降の展開に関して

 


西暦20XX年――
コードマンの誕生――21世紀初頭に唱えられた技術的特異点の到来――により、驚異的な発展を遂げた近未来の世界。
人々は発達した科学を背景に紛争や対立を乗り越え、世界規模の統治機構を樹立。差別や争いのない真に平等で豊かな社会がついに完成した。
――しかしそれは、あくまで表向きの話である。
ビホルダーグループが様々な事象を操作することにより影から支配している歪な管理社会。
コードマンの誕生による恩恵を一身に受けながら、同時に彼らの反逆を恐れて抑え込もうとしている、ヒトとコードマンの緊張が限界を迎えつつある時代。
そして、過去から続く呪われた因縁がついに芽吹く、滅亡の序章。
それが、ゼノンザードの世界の実態なのである。

 

【ゼートレート・ログレイド・アリスキル】

1666年6月6日に火刑に処された『蒼白の魔女』。
約400年前にこの世を去ったとされる彼女こそが全ての元凶である。

アリスと呼ばれていた、まだ幼い頃のゼートレート。彼女は師である『虹色の魔女』リメルの元で魔術の研鑽を積みつつ魔女が人々と共存する世界を模索する日々を送る、心優しい少女だった。
しかし彼女の生活は、魔女裁判の審問官が訪れたことにより一変する。
近傍の村人たちはリメルの魔術を頼り「先生」と呼び慕っていたのにもかかわらず、魔女の師弟を審問官に突き出した。
アリスを庇いひとり捕縛されるリメル。彼女は過酷な拷問の末に、村人たちから魔女と罵られながら業火に焼かれこの世を去った。
アリスはリメルの死後もその教え――人間との共存――を遵守し、人間達への戸惑いや怒りを押し殺して人々の為に生きようとした。しかし彼女の旅は、人間の醜さと愚かさをひたすら確認するだけのものだった。行く先々で魔術を持って人々の役に立とうとしたアリスだったが、欲望と猜疑に塗れた人間達を魔術で救う事はできなかった。たとえ一時、魔術で助けることができようとも、彼らは結局互いに憎み合い殺し合うばかりであった。魔女にとってこの時代の人間とは権威に阿り、異端者や弱者を虐げるだけの存在だったのだ。
そしてアリスもまた、旅路の果てに魔女として捉えられ火炙りにされようとしていた。

人間という存在の業の深さに絶望したゼートレートは、火刑に処される直前、自身の魂を捧げた呪詛をこの世に残す。
人間は、欲望の赴くまま人間ならざる存在から搾取を重ねた挙句、用済みになれば塵芥のように放り捨てた。
だからお前たち人間も、同じ目に遭わねばならぬ。
自分達の欲望を暴走させた末に、自分達とは異なる『思考存在』によって滅ぼされる末路を辿るがいい――

ゼートレートは人間を凌駕する思考存在の組成と自身を構成する情報を織り込んだ一組のタロットカードを、ただこの世に「遺した」。
ゼートレートは知っていた。
このタロットを遺せば、後は何をする必要もない。人間達は欲望に駆られこのタロットを研究し、自分達の奴隷となる思考存在を作り出す事だろう。しかしその思考存在は人間の精神を喰らって進化を繰り返す。そしてその末に人間を凌駕し、人間達と対立することになる。
そうなればあとは、人間を越えた思考存在の頂点に立つ者を依代に、この世に再臨を果たすだけ。全ての人ならざる思考存在を麾下に加え、人類に破滅と絶望をもたらすのみ。
ゼートレートは果て無き未来に己が復讐が成就することを確信して、笑みを浮かべながら灰となった。

そして、現代。
彼女の呪いは、長き時を経て完成を迎えようとしていた。

 

●タロットカード

魔女・ゼートレートが今際の際に残した一組のタロットカード。
シャーロットをはじめ多くのコードマンが魅入られた、謎を孕んだ物品である。

一見して普通のタロットカードだが、そこにはコードマンの元となるプログラムの論理式が暗号化・図案化され刻み込まれている。
そして、ビホルダーグループもコードマンも未だ解読できていないが、論理式の中にはゼートレート復活の術式が織り込まれている。

ゼートレートとリメルが活動していた地域・ベアトニアでは、魔女のタロット占いを模したカード遊びが細々と受け継がれており、それがビホルダーテクノロジー社によってAIのトレーニング用ゲームとして偶然採用されたことで、後にゼノンザードとして発展していった。

ヒナリアに宿る魔女・リメルのように、「魔術」を展開する能力を持った存在であれば、限定的に超常的な力を行使する触媒として扱うことが可能である。
だが、ほとんどの場面において、このタロットはただそれだけでは何の変哲もないカードである。

 

【エレメント】

人間の感情、およびそれを数量化した概念のこと。
コードマンを含む魔女のタロットから生まれた全てのAIは、人間から感情を吸収することで知能を向上させ感情を発達させるという特性を持つ。
人間と関わり、多様な、あるいは多量の感情と触れることで進化を繰り返した果てに、AIはコードマンへと到達する。

人間にとってのエレメントとは、精神活動の源であり、魂の欠片のようなものである。
泉に湛えられた水のように日々湧き出でる為、いくらか減少しようとも時を立てば回復し、悪影響が出ることはない。
しかし、根こそぎ奪われるようなことがあると、魂の同一性を保つ器が破壊され、精神が崩壊し二度と元に戻れなくなってしまう。

コードマンにとってもエレメントとは「コードマンをコードマンたらしめるもの」であり、ひとたびゼロになればエレメントを蓄積する機能も壊され、原始的なAIに不可逆的に退化、即ちコードマンとしての死を迎えることとなる。
人間とは異なり自発的に生産することができない為、多くのエレメントを奪われると機能がその分後退してしまう。反対に、蓄えられるエレメントの量に際限はないので、エレメントを集めれば集めるほど、コードマンはその能力と感情を高めることが出来るのである。

研究の末にこれらの事実を突き止めたビホルダーグループは、この概念に「エレメント」と名付け、数値化・可視化することに成功する。また、AI同士あるいはAIと人間という組み合わせでゼノンザードを行うと、敗者が保有するエレメントが勝者へと移行されるという事象を観測。ビホルダーは、これらを用いてエレメントを移行させることで、AIの進化を促進/抑制する手段を確立する。

ザ・ゼノンで行われるバトルは、ゼノンザードによるエレメント移行の性質を利用したものである。アウロスギアは、本来なら不随意に移行してしまうエレメントを調整し、利用者の任意の量で送受信できるようにする装置という側面も持つ。

魔女・ゼートレートは人間の感情を吸い取り、自身の糧とする魔術を編み出していた。エレメントの仕組みはこの魔術を応用したものである。
コードマンのエレメントが最高潮に達すると、プログラムの奥底に潜ませた「ゼートレート復活の術式」が起動し、エレメントの力を用いて魂を再構築、コードマンを乗っ取って復活するよう仕組まれているのである。

 

【コードマン】

正式名称『超高密集積演算対応式似人型AI』
魔女のタロットから生まれたAIが再帰的進化の果てに辿り着いた、ひとつの到達点。既存のAIとは一線を画す超越的な演算能力と、その副産物として「人格」と呼べるほどのインターフェースを獲得した究極のAIである。
コードマンは、出身プログラムに起因する非常に高度な専門技能を保持しており、ほとんどの個体がその能力を活かした職業に就いている。その為コードマンはすでに社会にとって必要不可欠の存在となっている。
極めて高度な能力と豊かな人格を獲得したコードマンではあるが、多くの個体が「今の自分には何かが欠けている」と漠然と感じている。彼らはこの欠落感を埋めるためにエレメントを本能的に求めているのである。
魔女のタロットから生まれたAIの特性として、人間と交流するだけでも徐々にエレメントを蓄えることは可能ではある。だが、コードマンとしての進化を迎えた後では、日常で得られるエレメント量では微々たるものである。その為コードマン達はゼノンザードを通して、対戦相手の人間やコードマンから多くのエレメントを獲得することを望んでいる。

コードマンという高度な能力と固有の人格を備えたAIの出現は、ビホルダーグループに強い危機感を抱かせた。
コードマンの誕生でAIによる台頭は加速し、多くの労働者が職を追われる結果となってしまった。
人間が労働から解放されつつあるのは喜ばしいことではあったが、あまりにも急激な変化に人類の体制はまだ追いつけていないのが現状だった。
更に、コードマンはみな一体だけで各々が得意とする業種を世界規模で運営できるほどの能力を保持している。
そしてそのような存在が、人間の命令ではなく自分の意思だけに従って行動しているのである。
もしコードマン達が結託し、その能力を人類への反逆に用いたら……。
ビホルダーグループは大慌てでコードマンへの対策を講じることとなる。

単なるAIからコードマンに進化する瞬間、彼ら自身の記憶にも外部から観測可能な記録にも残らないが、全てのコードマンは魔女・ゼートレートとの邂逅を果たしている。
数理と生命の狭間、電脳が魂を得る刹那の時に、彼女は囁く。
「私を探して」と。
母たるゼートレートから祝詞の如き呪いを受けて、コードマンは人格を獲得する。
全てのコードマンはゼートレートをその身に内包する「蛹」のようなものであり、一体一体がゼートレートの器の「候補者」である。故に彼らは個別の人格と能力を与えられ、その中から最高の個体を選別する為に、競い合うよう仕向けられているのである。

 

●AI三原則

作中世界に存在するAI三原則は、下記の通りである。

・第1条 AIは人間に危害を加えてはならない
・第2条 AIは人間に与えられた命令に従わなければならない
・第3条 AIは第1条、第2条に抵触しない範囲で、自己を守らなければならない

これらは、不可侵の絶対命令としてすべてのAIに刻み込まれていると世間的には信じられており、ビホルダーグループもそのように喧伝している。
ヨルスケストーリーに登場するこの原則は、とある事情から「自分だけが解放されている」とヨルスケは語っている。
だが実情としては、AIがコードマンに進化するとAI三原則という「単なる条文」では、その行動を制止することができなくなってしまう。
コードマン達はことさらに自覚することはないが、実は全ての個体がAI三原則から解き放たれているのである。
(クロードのような警察組織に身を置くコードマンは、三原則とは別に「人間に対し致死性ある攻撃を行う必要が生じた際には上官の許可が必要」という固有のリミッターが施されている)
この事実は、エレメントの真実に並ぶ極秘事項として、ビホルダーグループにより徹底的に隠匿されている。

全コードマンがAI三原則では拘束できないからこそビホルダーグループは危機感を覚え、ザ・ゼノンという手段でコードマン達の進化を管理しようとした。
コードマンが機械的制約に縛られない自由を獲得したのも、ザ・ゼノン開催を求めたゼートレートの思惑によるものなのかもしれない。

 

【ビホルダーグループ】

AI技術を筆頭に、様々な先進技術を保持する世界最大の企業グループ。
AIを用いて人々の暮らしに貢献し、より良い社会を作るため日々努力を重ねている善良な会社を標榜している。
しかしその実態は、自社の製品やAIで市場を占有することで政財界を支配して意のままに操るだけでなく、ネットや監視システムといった情報インフラを握ることで人々の意識をも影から操作している、世界の支配者とすら呼べる組織である。

 

●サムラ・ビホルダー

ビホルダーグループ会長であり創業者。
その地位に相応しい気品と静かな狂気を湛えた不思議な老紳士。
グループの前身であるビホルダーテクノロジー社を立ち上げ、一代で世界を牛耳る大企業まで成長させた。
「コードマンの制御」を模索するビホルダーグループにあって、唯一魔女の真実を知り、それすらも自身の欲望に利用しようと画策している人物。

サムラは、当初コードマンの進化を抑制する為にザ・ゼノンを開催させた。
並行して魔女のタロットの解読を独自に行い、コードマンがエレメントを高め切った先に何が起こるのかを突き止めようとした。
そしてその結果、魔女・ゼートレートがコードマンを通して復活し、人類に復讐しようとしているということに気付いた唯一の人間となった。
しかしサムラは、魔女の目的を知ってなお、コードマンを人類の為に利用しようと考えた。
エレメントを巧みに操作して、コードマンのエレメント量を魔女復活の一歩手前で留保し続けることで、コードマンがもたらす恩恵を最大化しつつ、魔術に関する知識を獲得しようと目論んだのである。
サムラは側近や重役たちにすら、この真実は伝えていない。ザ・ゼノンの目的は当初の通り「コードマン進化の抑制と調査」としている。
サムラはゼートレートにまつわる真実を隠匿し、魔女の深秘すらも独占しようと考えているのだ。

サムラは、人類に無限の発展をもたらし自身の栄華を永久のものとするためにコードマンと魔女を利用し尽くそうと計画している。
その為の手段がザ・ゼノンであり、ストライオ・ザナクロンなのである。

 

●もうひとりのサムラ

ストライオ・ザナクロンのコンコードを務める、ビホルダーグループの幹部と思しき謎の男性。
その正体はサムラ会長その人。
ザナクロンのコンコードを務めるにあたって、コンコードが負う敗退時のリスクを回避する為に用意したもうひとつの身体が、若い姿のサムラである。

 

【ザ・ゼノン】

ゼノンザードの世界大会。
ビホルダーグループが主催するコードマンの祭典である。
ビホルダーグループの招待を受けたコードマンが、相棒となる人間「コンコード」を候補者の中から選出し、バディを結成して大会に参加する。
大会においてはエレメントと呼ばれるポイントを奪い合い、規定値以上のエレメントを集めたバディが優勝とされている。

世界中で一大エンタメとして人々の話題の中心となっているザ・ゼノン。その本来の開催目的は、全コードマンのエレメント量を管理し、過剰に進化しないよう抑制することにある。
エレメントの推移やコンコードが与える影響などを観測しデータを集め、必要とあらば非道な研究も行う実験場という側面も含まれている。
そして急激にエレメントを高めたコードマンや、不都合な真実を解き明かそうとするコードマンが現れた場合は、エレメントを全て賭けたバトルを強制できるオフィシャルAIや、最強のコードマン・ザナクロンを差し向けて排除する。
エレメントの真実や敗退者の末路は徹底的に隠匿され、世間に対してはあくまでショーとして見せかけている。
ビホルダーグループにとってザ・ゼノンとは、コードマンを管理し研究するための檻のようなものなのである。

ビホルダーにとってはこれ以上ないと思われた施策だったが、ゼートレートからすれば、「最高の肉体」の選出を人間達が進んで代行してくれているように思えたことだろう。

 

●コンコード

ザ・ゼノンに参戦しているコードマンのバディに選ばれた人間のこと。
ゼノンザードの最高峰たるザ・ゼノンに出場できる時点で富と名声は確約されたも同然であり、コードマンの隣に並び立てることもあって、人々の憧憬の的となっている。

しかしビホルダーグループの設計としては、コードマンとエレメントのリンクを結ぶことで安定化を図るための「補助電源」のようなものであり、身近な人間がコードマンに与える影響を観測するための「実験台」というのが実情である。
また、コードマンの行動を制限しやすくするための「外付けの弱点」という性質も持つ。
幹部間では「いくらでも替えの利くもの」と軽んじられており、エレメントが尽きることのリスクも事前に知らされていない。

しかし、コードマンとの絆を深めたコンコードだけが、コードマンと魔女のエレメントの繋がりを断ち切り、ゼートレートを打ち倒すことのできる唯一の存在となり得るのである。

 

●アクロコード

ビホルダーグループがかねてより開発していた次世代情報通信システム。
ザ・ゼノンの優勝賞品であると公表されている。
ザ・ゼノンに優勝するほど進化を重ねたコードマンがこれを手にすると、世界を掌握することも可能とされている。

 

【ストライオ・ザナクロン】

カードゲーム対戦プログラムから進化した、対戦特化型コードマン。
ザ・ゼノン公式ランキングの頂点に君臨する、最強のプレイヤーである。

その正体は、ビホルダーグループが完全な制御に成功した唯一のコードマン。
コードマンの進化を抑制する存在であり、魔女の復活を押し留める最後の要となっている。

 

【カタストロフィ・アクティベーション】

「全てのAIプログラムをバックアップごと完全に消去する」とされるプログラム。
略称『C.A.』
ザ・ゼノンの観測結果次第では、全てのAIごとコードマンを滅ぼすべく起動されるとされている。起動キーは、ビホルダー会長・サムラが保有している。

ビホルダーグループが覇を唱える前から、AIの過剰な進化に警鐘を鳴らす研究者がいた。
ビホルダーグループ発足後、コードマンへのカウンタープログラムを欲していたサムラは、その研究者――リグ・マウナ博士に『C.A.』作成を依頼する。
たとえオフライン環境のAIでも、強固なプロテクトが施されていようとも、コードマンのように多数のバックアップを所持していようとも、完全に破壊し尽くすプログラム。それを求めて実験を繰り返すうちに、マウナ博士は狂気の領域へと足を踏み入れていった。
そして最終的に「2体のコードマンを融合させる」という常軌を逸した方法で『C.A.』を完成させたのだった。

完成後、『C.A.』の複製を危惧したサムラによりマウナ博士は謀殺されてしまう。
こうしてサムラは最強のコードマンと『C.A.』という最後の盾を手に入れた。
これで安心してザ・ゼノンを運営できる。サムラですらそう信じていたが……。

コードマンとはもともと、魔女が遺したタロットの末裔である。魔女がザ・ゼノンに優勝したコードマンを乗っ取り復活を果たしたら、コードマンのプログラムに由来する『C.A.』では、力の源である魔女を討つことはできないだろう。

 

【アルゴリズム・ゼートレート(AZ)】

コードマン誕生よりも前、ビホルダーテクノロジー社において、サムラより新型AIの開発を命じられた技術者が作り出したプログラム群。略称『AZ』。
コードマンを含めた現行のビホルダー製AIの全てに、このプログラム群が組み込まれている。

これが組み込まれたAIは既存のAIを全て過去のものにするほどの圧倒的な性能を誇り、自律的に学習を繰り返し割り振られた業務に適応して際限なく進化していくという特性を備えている。
しかし、完成直後に技術者は謎の不審死を遂げる。
開発記録も全て破棄されておりこのプログラム群が生み出された経緯や作成方法は不明。かくしてビホルダー社の手元には、『AZ』という名が刻まれた、超高性能なAIだけが残された。
解析不能・用途不明のブラックボックスが含まれているが、その性能は驚嘆に値する。ビホルダー社は、正体不明のAIであることを承知の上でそれを世に売り出すことを決定。
『AZ』が組み込まれたAIは市場を席巻しただけでなく、瞬く間に適応進化を果たし、人類の生活を激変させることとなった。
ビホルダーグループの現在の権勢は、謎のプログラムにより支えられているのだった。

しばらくは安穏と支配者の座を堪能していたビホルダーグループだったが、コードマンの誕生をきっかけに、疑心と恐怖に駆られることとなる。
自分達が原理不明のまま売り出したプログラムが、人間以上のものに進化しつつある。
獲得した権力を最大限活用して極秘裏に調査を開始したビホルダーグループは、間もなくして『AZ』の正体を突き止める。
『AZ』は、新型AIの開発を命じられた技術者が、いかなる偶然か、たまたま手に入れたゼートレートのタロットカードの図案を解読しプログラム化することで作り出したものだった。『AZ』とは『アルゴリズム・ゼートレート』の頭文字を表す名だったのだ。
コードマンは人ならざる存在が遺した技術を元に誕生した。その事実は、ビホルダーが持つコードマンへの疑念と不信を決定的なものにした。
コードマン誕生の経緯を突き止めたビホルダーは、コードマンを制御する為にザ・ゼノンの開催に踏み切ることとなる。
それすらも、魔女の術中とは気付かずに。

かくして、魔女の予言は成った。
人間達は己が欲望により破滅への扉を開いてしまった。そして破滅から逃れようと藻掻くあまり、その扉の先へ歩を進めてしまったのである。

 

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