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PACKCODE:01 AWAKEN
EXCODE:01 魔術都市の9戦士
PACKCODE:01Re BEYOND
PACKCODE:02 CONTRACT
PACKCODE:02Re DIVINE
PACKCODE:03 EVOLVE
EXCODE:02 幻影の剣士
PACKCODE:04 FORBIDDEN
EXCODE:04 HEROIC MASQUERADE
PACKCODE:05 GLORY
PACKCODE:06 HELIX

 

 

カード名 種族 レア フレイバーテキスト
BASIC
アグマの鉱夫 アグマ ドワーフ B 成層圏まで達する超巨大休火山「ザ・ピーク」を領土とする国「アグマ」。
主な構成民であるドワーフたちは、火山の内部に坑道を張り巡らせている。
エオラプトル アグマ ダイナソー B 恐竜たちは、「アグマ」に対して反抗するわけではないが、支配を受けいれたわけでもない。彼らは自由で、不干渉の存在なのだ。
ゴレイム「タイプ:ドリル」 アグマ ゴレイム B ゴレイムは、ドワーフたちによって作り出されたものたちである。ロイドは同じロイドによって生み出されている。両者の立場に違いが生じるのは、まさにこの1点に尽きるだろう。
ゴレイム「タイプ:ソーサー」 アグマ ゴレイム B 「ワイルドランド」は未踏の地である。大群である「災厄竜討伐隊」が進軍するには、道を作らねばならず、野営地も作らなければならない。工兵としてもゴレイムはなくてはならない存在だった。
騎兵隊長「百手読み」サムズ アグマ ドワーフ B サムズの右手が振り下ろされた。右翼やや後方に陣取っていたメガロサウルス騎兵隊が突撃を開始。災厄竜たちの左側面に横撃を加えたのだ。–『大公史』 公暦795年 第37節
エクスプテラ アグマ ダイナソー B 4枚の翼をもつ狩人は、その巨体と速度からは考えられないほどの旋回性能を持つ。
見た目に反して従順で、「アグマ」の巨人たちの乗り物としても知られている。
カナタナの神官 カナタナ アヴィアン B 高空に浮かぶ3つの大陸「トライエアーズ」と無数の空飛ぶ島によって構成される、天空の国「カナタナ」。主な住人は翼をもつアヴィアンたちだ。
ミーアプリースト カナタナ ガーディアン B 浮遊大陸「トライエアーズ」は砂漠、森林、湿地と、それぞれ異なった様相を持つ3つの大陸である。その中でも砂漠の大陸には、翼をもたない住人が多く存在するそうだ。
ミーアマジシャン カナタナ ガーディアン B アヴィアンたちが独自の文化を誇るのに対し、「カナタナ」の翼なき住人たちは、他国の技術や文化の伝承者としての一面がある。易者ではなく、下界のような魔術師が存在するのだ。
フェニックスの雛 カナタナ フェニックス B 災厄竜の放った強烈な一撃に不死鳥の体が四散する。あまりのことに連合軍に動揺が広がる……しかし、爆散したはずの不死鳥の一部が火球となり、その中から幼きフェニックスが飛び出して来たのだ。幼鳥はその勢いのまま突撃する。それは不意を打つ一撃となった。–『大公史』 公暦795年 第46節
チータイラ カナタナ キマイラ B 「災厄竜討伐隊」の最初の犠牲者は、「カナタナ」から参加していたキマイラだった。
「ワイルドランド」の入り口で、不用意にトリケラ・ライノスの縄張りに侵入したのが原因だった。
「駐アグマ大使」モノノベ カナタナ アヴィアン B 「災厄竜討伐隊」として3ヵ国連合軍を結成する時、各国の足並みをそろえるのは、かなり困難な事案だった。それが成立できたのは、「アグマ」に駐留している「カナタナ」の大使の尽力が大きかったとされる。
デメテーの村娘 デメテー エルフ B 世界で最も大きな森林地帯である「麗の森」を領土とする国家「デメテー」。
時間の流れが隔絶された世界の中で長命なエルフたちが暮らしている。
「盲目の風読み」メリエルナ デメテー エルフ B 長くひらめく衣装のすべてを刃に変え、踊るように戦う「エルフの旋舞」。
一流の使い手を「舞い手」と呼ぶが、その最高峰に位置する者は盲目だという。
マーチャルーカ デメテー トライブ B 「デメテー」のサルの氏族は、やかましく、気分屋で、あつかましいとされており、面倒な隣人扱いがほとんどだ。例外的に存在する冷静な連中には、苦情とやっかいごとが殺到する運命にある。
ペルチャルシー デメテー ビースト B 「ワイルドランド」のデミゴッド消失には「タナトス」が絡んでいるに違いない! 偏見による放言だったが、後にこの発言が真実であると証明されることになるとは発言者もビックリだった。
ファーツォーク デメテー ツリーフォーク B ツリーフォークの氏族は、代表的な「麗の森」の住人である。彼らは長命で、森のほとんどの者より古い生まれの長老たちだ。だが驚くべきことに、エルフたちは彼らよりも年寄りだ。
オルサラーニョ デメテー ビースト B 「デメテー」の看板は背負わずに、密かに「災厄竜討伐隊」に参加したものもいた。しかし、彼は戦いが終わった後も、結局森には戻ってこなかったという。
タナトスの亡者 タナトス スケルトン B 冥府につながる大地の裂け目「グラン・クレバス」の内部と、それにつながる冥界を領土とする国家「タナトス」。一度命を失った冥府の住人スケルトンもその構成員だ。
ツインテールキャット タナトス ビースト B デミゴッド「パンドリア」が「ワイルドランド」から消失したことが、災厄竜覚醒の引き金になったとされている。その前後、見慣れない二股の尻尾を持つ猫が、現場をうろついていたとか。
シルバーヘッドクロウ タナトス ウイング B 「グラン・クレバス」の外側に居城をかまえる貴族たちの多くは、本国との連絡用に使い魔を用意している。最も採用率が高いのは、漆黒のカラスたちで、彼らは並のスケルトンより賢い。
シャドウハンド タナトス モンスター B 「グラン・クレバス」は遥か地底の冥府とつながっているという噂は、どうやら事実のようだ。まれに、冥府の出口が地上に開くことがあり、住人が出てこようとするのが目撃されている。
バンシー タナトス モンスター B 「冥府の鱗粉」による災厄は、実は人為的なもので、しかも内部のものが手引きしたようだ。ある泣き女をきっかけに、事件の全貌が見えてきた。
ボーンチャリオッツ タナトス スケルトン B 公暦795年は、世界中が歓喜に沸き立つことになった。討伐隊により災厄竜が再び封印され、「タナトス」のパンデミックが解消したのだ。誰もが思わず走り出したくなるというものだ。
ポセイドの歌い手 ポセイド マーフォーク B 世界で最も大きな五芒星型の内海「ペンタゴナ」を中心に形成された海洋国家「ポセイド」。陽気で音楽好きの住人「マーフォーク」たちは、いつも気楽に交易を楽しんでいる。
ペンタゴナ音楽隊「チューバ」 ポセイド アーティスト B 「世紀末音楽祭」の、ペンタゴナ音楽隊のコンサートチケットは、200年前にすべて売り切れている。今からなら、200年後のコンサートに間に合う。遥か先の子孫のために準備しよう。
トライホーンウォールラス ポセイド ビースト B 一見鈍重に見えても、「ポセイド」の住人をなめてはいけない。いったん音楽がかかれば、大きな体をくねくねさせて、8ビートのツイストを刻む。
ホワイトフィンドルフィン ポセイド ビースト B 「ポセイド」は、6ヵ国随一の観光国家でもある。風景、美食、音楽、治安、どれも最高で見どころをあげるときりがないのだが、ぜひ、白イルカの遊泳だけは見てほしい。かなりマジで。
「ベルカント」ピンクスカラ ポセイド マーフォーク B 公暦799年に開催予定の百年に一度の祭典「世紀末音楽祭」の一番の華は海上オペラである。プリマドンナは、天上の歌声をもつ彼女以外には考えられないだろう。
ウォードスネーク ポセイド シーワーム B 「ポセイド」の住人に、遊びと趣味以外で真面目さを求めるのは不可能に近い。シーワームを除いては。彼らは生真面目で、正直で、「ポセイド」の苦労のすべてをしょいこんでいる。
マキナスの住人 マキナス アンドロイド B 極寒の地に存在する「マキナス」は、10年に一度現れる特異点「アナザーホール」からやってきた機械文明によって成立している。住人たちも「ロイド」と呼ばれる機械人だ。
リングラプター マキナス ウイング B 「マキナス」はその風雪ゆえに、広大な領土に比べて居住地域は限られている。
陸のトレーサー、空のレンジャーたちは、地域が孤立しないための要なのだ。
マオルブルフ マキナス ハンター B ロイドたちは食事を必要としない。彼らは水素を動力源とし、補給した水から体内でそれを生成している。水さえあればいいというのは、効率的であり、清潔であり、そしてちょっぴり寂しい。
R-B7 クラビオン マキナス ソルジャー B 「マキナス」では、「アナザーホール」からの移住者とは別に、国内で製作されたロイドも存在している。主な製作企業は3社あり、ラテル社は作業用ロボットの製造を得意としている。
指揮型ロイド・ゲルト(ドームシールド装備Ver.) マキナス アンドロイド B 「魔竜騎士」の特殊な結界により、空からの間接攻撃や魔術による遠隔攻撃は通じない。
ゲルトは直ちに決断を下す。戦場の他のバランスを無視し、指揮下の最高戦力ヴァイスレーベを差し向けたのだ。–『大公史』 公暦795年 第52節
R-A3 ランドザイム マキナス ソルジャー B 「アナザーホール」の移住者たちも、「マキナス」国内で製造されたものたちも、みな等しくAIを持ち、マキナス国民としての権利と自由を保障され、かわりに労働の義務が課されている。
盾持ちゴブリン ワイルドランド ゴブリン B 「ワイルドランド」にも独自の文明をもつものたちが存在する。単に国という単位になるほどの勢力を獲得していないだけだ。代表的なのがゴブリンたちだろう。
メイジコブラ ワイルドランド ビースト B この年、各国を悩ませる大きな事象が発生する。300年を超え、封印されていた災厄竜ダスカースが覚醒したのである。–『大公史』 公暦794年 第1節
ハナルマジロ ワイルドランド ビースト B 災厄竜の覚醒により、各国に事件、事故が頻発していた。これを受け、「カナタナ」の呼びかけにより「災厄竜討伐隊」が結成されたのだ。–『大公史』 公暦794年 第2節
マッドジャガード ワイルドランド ハンター B 3ヵ国連合軍から脱落したミニオンも多かった。中には現地で野生化し、生き延びた者もいる。
ゴブリンソルジャー ワイルドランド ゴブリン B ゴブリンが「ワイルドランド」に定着してから、すでに幾歳月にもなるが、彼らはいまだに「麗の森」を追い出したエルフたちへの恨みを忘れていない。もはや遺伝子レベルの毛嫌いだ。
鬼火 ワイルドランド モンスター B 墓場の夜の代名詞ともいえる火の玉は、ふつうは宙に浮いているものだ。しかし、「ワイルドランド」では手足がはえていて、地面を疾走するのだ。
ヒーリング・シープ ワイルドランド ビースト B 3ヵ国連合軍の遠征中、鳴き声の中に自然治癒力が上昇するという奇跡の波動を出す羊が発見されている。羊たちは大量調達され、連合軍解散後、各国に連れられていったそうだ。
ゲイル・マウス ワイルドランド ラット B かの災厄竜騒乱の終結宣言がなされた翌年、公暦796年に発表された研究結果によると、「ワイルドランド」には秘密のラットの王国が存在するとのことだ。
リトル・プランク ワイルドランド スプライト B 「ワイルドランド」にあると噂される楽園は、入ったら最後出られなくなるという魔境でもある。住人があまりにもかわいくて、離れるのがイヤになるそうだ。
メガロサウルス ワイルドランド ダイナソー B 当初6ヵ国全ての参加が期待されていた「災厄竜討伐隊」だったが、実際に参加したのは3カ国だけであった。ゆえに、3カ国連合軍と呼称されることもあった。–『大公史』 公暦794年 第3節
ハウリング・ダイアー ワイルドランド トライブ B 狼たちは一般に、「ワイルドランド」外から来たものに対し、友好的だという。なぜなら、彼らはドラゴンたちが嫌いで、客人たちは大概現地のドラゴンとトラブルを起こすからだ。
チャルチャルシオ ワイルドランド トライブ B 「デメテー」のサルの氏族も、もともとは「ワイルドランド」出身だった。その証拠に彼らのご先祖様にあたる種族が、今も生息している。
ボム・ウォール ワイルドランド モンスター B 「ワイルドランド」にはウォールという種族がいる。彼らは峡谷にぴったり挟まるのが大好きで、よく通せんぼをしてしまう。一度「災厄竜討伐隊」が無理やり押し通ろうとしたら、爆発してとんでもない目にあった。以来、飽きて退くまでゆっくり待ったという。
「鉄塊」トリケラ・ライノス ワイルドランド ビースト B 相手はとてつもない大群だとわかっていたが、無断で縄張りを荒らされた以上、彼らは容赦しなかった。「災厄竜討伐隊」を襲ったトリケラ・ライノスたちの横撃は、まさに鉄塊のようだった。
ロックイーター ワイルドランド ダイナソー B 「ザ・ピーク」の中層は、植物が少なく、ごつごつとした岩肌がむき出しの岩石地帯だ。あちらにもロックイーターは住んでいるが、「ワイルドランド」の連中にいわせると、あっちの奴らはグルメ気取りでいけすかないらしい。
スプリング・バイソン ワイルドランド ビースト B バネと呼ばれる仕掛けがある。支柱に棒状の金属を隙間なく巻き付け、その後支柱を抜くと出来上がる。弾力性に富み、伸び縮みするだけではなく、大きく跳ねる。そんなバネみたいな蛇がいるというお話。
ツインテール・シザース ワイルドランド モンスター B 「災厄竜討伐隊」の土地勘の無さは致命的で、毒サソリの生息地域で野営をするなど、致命的な間違いを何度も犯したのだ。–『大公史』 公暦794年 第4節
ラヴァイソン ワイルドランド モンスター B 岩を主食とする種族は、見た目に反しておとなしいことが多い。しかし、餌場を荒らされたら例外だ。岩場は見通しがよく、「災厄竜討伐隊」は好んで行軍ルートにした。そのため両者がぶつかることが多かったという。
リボルバーコンドル ワイルドランド ウイング B 「マキナス」からは、航空戦力を「災厄竜討伐隊」に派遣しなかった。彼らには別の任務があったから。「ワイルドランド」の「アナザーホール」探しに派遣されたレンジャーたちは、気まずいので、偵察飛行は行軍ルートから外れたところを選んでいる。
ボンバルーン・ラット ワイルドランド ラット B ラットは、小さな、小さな種族だ。だが、まれに例外も存在する。しかも驚くべきことに、種としては、大きい方が祖先にあたる。小さく、小さく進化してきたのだ。
スパイクオクトパス ワイルドランド モンスター B 正式に3ヵ国連合軍には加わらなかったが、「ポセイド」のシーワームたちの協力がなければ、物資輸送など大きく問題になっていただろう。「ワイルドランド」には開拓された安全な水路などなく、その苦労も計り知れなかった。–『大公史』 公暦794年 第7節
告死獣ヌエ ワイルドランド キマイラ B 「ワイルドランド」追放は、6ヵ国に共通する刑罰のひとつだ。つまり、ここには国を追われた犯罪者たちが存在し、彼らはもれなく故国を恨んでいる。
PACKCODE:01 AWAKEN
アグマの守護者 アグマ ドワーフ R 公暦794年の「災厄竜討伐隊」には、守備兵も駆り出されることになった。
遠征先の「ワイルドランド」は、それだけ危険な地だということだ。
スパイクリザード アグマ ダイナソー C 「ザ・ピーク」は、上層、中層、下層と、大きく3層に分かれている。下層は熱帯のジャングルで、爬虫類や恐竜たちにとっての楽園だ。
ファイアービートル アグマ モンスター C ファイアーレインが発生したのは何十年ぶりのことだっただろう。真っ赤に焼け焦げた甲虫が、上空から流星雨のごとく地上に降り注ぐのだ。災厄竜の覚醒がもたらした惨事だった。
ヴェローシュラプトル アグマ ダイナソー R ドワーフたちが最も恐れる恐竜は、大型の肉食恐竜ではない。小狡く、素早く、集団で狩りをする小型の肉食恐竜が一番恐ろしいのだ。知恵を使って狩る彼らから逃れるのは困難だ。
「鉄腕の大君」グレイグ・スマッシャー アグマ ドワーフ E 燃える炎の戦斧「フレイムウォード」はマグマの石を千万回鍛えたもので、この世に5本しか存在しない。所持を許された英雄には、「大君」の称号が与えられるのだ。
ゴレイム「タイプ:アイアンハンマー」 アグマ ゴレイム C 「災厄竜討伐隊」の主力となるのは、「アグマ」のゴレイムたちだった。疲れ知らずのゴレイムたちは、戦力としてはもちろん、作業者としても非常に重宝された。
「導きの竜姫」ダイアナ アグマ ダイナソー E 6ヵ国同盟を強固にするため、各国は代表者を選出。大使とは異なり、1国に留まることなく、頻繁に国家間を往来することで、それぞれの国の理解を高める役割を果たしていた。
ファイアーバット アグマ ウイング R 焔のコウモリが、上空からダスカースへと襲い掛かる。3ヵ国連合軍に「アグマ」から参加したのは、ドワーフやゴレイムばかりではなく、森を焼かれた者たちも混ざっていたのだ。
三ヵ国連合司令官バンクガイズ アグマ ドワーフ L 「災厄竜討伐隊」の最高司令官には、「アグマ」の英雄が選ばれた。「恐竜戦争」を勝利に導いた将軍の手腕は、他国のものたちにも高く評価されていたからだ。
ゴレイム「タイプ:ピッケル」 アグマ ゴレイム C 「ワイルドランド」の野生のミニオンとの戦いを避けて通ることはできなかった。激闘を潜り抜け、ようやく目標である災厄竜と対峙した時の兵力は、実に出発時の半分に満たなかったのだ。
ゴレイム「タイプ:キャノン」 アグマ ゴレイム E 大型の砲塔を埋め込んだゴレイムたちの三連斉射の砲撃音が轟きわたる。それが災厄竜ダスカースとの戦いの開始を告げる鐘のかわりとなった。–『大公史』 公暦795年 第30節
ソードサウルス アグマ ダイナソー R 恐竜たちの主な生息区域は「ザ・ピーク」の下層域外の密林地帯だが、中には中層の荒野を住処とするものたちもいる。その中に、草食でも肉食でもなく、雑食性岩食という極めて珍しい分類の恐竜が存在することが確認されている。
「オリジンズ02」アロンダイ アグマ ゴレイム L 量産型のプロトタイプとなったゴレイムを「オリジンズ」と呼ぶ。彼らは量産に不向きな高度な魔法技術が盛り込まれており、特別な性能を備えているのだ。
カナタナの守護者 カナタナ アヴィアン R 「災厄竜討伐隊」は、火の「アグマ」、光の「カナタナ」、氷の「マキナス」の3ヵ国によって結成された連合軍だ。主導したのはアヴィアンたちだった。
ジャックナイフスワロウ カナタナ アヴィアン C 様々な種の燕がいるが、彼らは「カナタナ」の王の使いとされている。実質的な権力は持たない象徴としての王ではあるが、それゆえ自由に行動しているようだ。
カラス天狗シグレ カナタナ アヴィアン C 天空の国「カナタナ」には、他国とは違う魔術形態が存在する。陰陽術と呼ばれるそれを操る魔術師は「易者」と呼ばれ、頭に方形の神器を装着している。
レイヴン・キャット カナタナ キマイラ C 空に適応するため、翼を獲得するべく自らを改造したものたちをキマイラと呼ぶ。魔術による変化であるためか、一代限りではなく、きちんと子孫を残している。
「導きの天女」アンジェラ カナタナ エンジェル E 同盟強化のために選ばれた者たちには「導き」の称号が与えられた。各国とも、相手国の印象をあげるためか、女性が選ばれることが多かったという。
イーグルランサー カナタナ ビースト R 空中から先鞭をつけたのは「アグマ」のファイアーバットだった。先を越されたのを悔やむように、「カナタナ」の戦士たちは、災厄竜目掛け、急降下を開始したのだ。
三ヵ国連合執政官アソウギ カナタナ アヴィアン L 戦うだけが軍隊ではない。医療や配給、その他「災厄竜討伐隊」の戦闘以外の部分のとりまとめは、発案者である「カナタナ」の副総理が就任することで落ち着いた。
瞬身のハヤテ カナタナ アヴィアン E 災厄竜を操っている者の存在を最初に発見したのは、偵察部隊の隊長だった。
優れた戦闘能力を持つ彼だからこそ、危険な強行偵察をなしえたのだ。
ケットシー カナタナ ガーディアン C 王だけではなく、実権を持たない貴族が「カナタナ」には800体ほどいるらしい。国を動かしているのは、試験を通った官僚たちである。貴族の中にも実力で官僚になった者もいるそうだ。
カマイタチ カナタナ ビースト R 決戦における偵察隊の役目は多岐にわたった。敵の配置確認、伝令、救護の補助、何より大切だったのは、災厄竜の影に隠れた黒幕を捕捉し、逃がさないことにあった。
ツーヘッドグリフォン カナタナ キマイラ E 多くの負傷者が「ワイルドランド」から帰還することができたのは、長距離飛行に耐える頑健さと、敵との遭遇戦に勝てる強さを併せ持った勇者のおかげだった。
エレファントタートル カナタナ ガーディアン R 翼を持たない種の中でも大型の者は、「カナタナ」の中では特に尊敬の対象とされることが多い。翼持つものたちは、体の構造から力仕事を苦手としている。その苦手仕事を一手に引き受けてくれる頼もしい存在だからだ。
「双龍頭領」アオバ カナタナ キマイラ L 最後はダスカースとアオバの一騎打ちとなった。勝敗を決めたのは二つの口から時間差で放たれた深紅と蒼白の雷撃だった。–『大公史』 公暦795年 第60節
デメテーの守護者 デメテー エルフ R 森での戦闘に長けたエルフの戦士たちは、「ワイルドランド」の森林部でも戦闘訓練をおこなっている。だから気が付いたのだ。デミゴッド「パンドリア」の消失に。
モルフェオ「ラビィ」 デメテー モルフェオ C 世界最大の「麗の森」は不思議な生物であふれている。代表的なのはモルフェオと呼ばれる氏族だ。彼らは本来普通の動物なのだが、獣人に擬態することができるのだ。
アパウルツォーク デメテー ツリーフォーク C 「麗の森」の中では、外の世界の100分の1の速さで時間が流れている。ツリーフォークのゆったりとした動きも、外の世界では超速に感じることだろう。紅葉すらも1日で終わるのだ。
バリチャルグオ デメテー トライブ C サルの氏族は、「デメテー」ではせわしないことで有名だ。彼らは、外の世界と「麗の森」とをいったり来たりしている。外で3日ほど活動してきても、森の中では数十分だけいなくなって戻ってきたとしか感じないためだ。
「導きの戦乙女」ブリジット デメテー エルフ E 「導き」の称号を持つ者は戦場に出ることも多かった。親善、友好、同盟といった絆を最もわかりやすく体現するのは、「共に戦う」ことだからだ。
オットルーボ デメテー ビースト C 「麗の森」のオオカミの氏族たちは、エルフに匹敵する知能を持つことで知られている。活動範囲は広く、「ワイルドランド」でデミゴッドが消失していることを発見したのも彼らだった。
「神樹の守り手」ミリュイ デメテー エルフ L 「神樹の守り手」の前途は多難だ。彼女が守護すべきユグドラウォーカーが、生まれる前から行方不明になってしまったのだから。
モルフェオ「トイプー」 デメテー モルフェオ R モルフェオたちは、体重も軽ければ、言動も軽い。しかし、「デメテー」では、氏族会議の発議の重さは平等であり優劣をつけない。その高潔な理念も、時にバカに見える。「災厄竜討伐隊」への参加の可否と、サンドイッチの具にピクルス反対という議論が、同列に扱われるのはいかがなものか。
ダルティチェロンテ デメテー ビースト R 巨獣の氏族のほとんどが、見た目に反して穏やかだ。必要に迫られない限り、戦うことはない。これも「災厄竜討伐隊」に不参加だった理由のひとつである。
「鉄壁の作り手」リヤーボ デメテー エルフ E 実は、「タナトス」への疑問を常々感じているものは多かった。長老会議の密命を受け、数名のエルフが「タナトス」へ向かった。デミゴッド消失の真実を知るために。
「愛花」アルルーナ デメテー ツリーフォーク E 災厄竜の覚醒により、「デメテー」を襲った災厄は、アルラウネの誕生だった。しかし、たった4日では育ちきるわけもなく、あんまり関係なかったのだった。
メイプルツォーク デメテー ツリーフォーク R ツォークたちの動きがあわただしくなったのは、ユグドラウォーカーと共鳴したためであった。あわただしいツォーク、サルたちは千年に一度の見ものだと大喜びだったという。
「千年杉」ヤクーツォーク デメテー ツリーフォーク L 「麗の森」の時間の流れが緩やかなのは、千年杉の力が原因とされている。ありえないことだが、千年杉が枯れるとき、森の時間は外と同じになり、樹木の寿命のすべてが尽きるといわれている。
タナトスの守護者 タナトス スケルトン R 災厄竜の覚醒により、世界中で様々な事故が発生しはじめた。しかし、「タナトス」ではそれとは関係なく、長い間大きな問題と直面し、戦士たちは戦いの毎日を送っていたのだ。
マッドール タナトス モンスター C 地底国家ともいわれる「タナトス」は、巨大な大地の裂け目「グラン・クレバス」の内側にできた国である。が、実際にはクレバス周辺も領土であり、広がる泥沼地帯には生物かも、無生物かも、生きているのか死んでいるのかもわからない、無数の者が存在している。
ラスカル・インプ タナトス デーモン C 「タナトス」は厳密な階級社会だ。貴族のやることには、誰も文句はつけられない。貴族の庇護のもと好き勝手に暴れる小者すら、誰も咎めることができないのだ。
アッシュブリンガー タナトス モンスター E 「冥府の鱗粉」を浴びた者が、よそにその菌を伝染させる前に消滅させる「冥府狩り」。しかし、その効果は焼け石に水。根本的な「冥府の鱗粉」封じの方法が模索されていたのだ。
クリムゾンメイル タナトス モンスター R 公暦792年ぐらいからだったろうか。「冥府狩り」が行われるようになったのは。生亡き者にしか行えない、重大な使命だ。彼らは「冥府の鱗粉」に感染しないから。
「導きの女王」キャサリン タナトス デーモン E 災厄竜による動乱以降、「タナトス」の立ち位置は非常に危ういものとなった。最も多くのヘイトが「導きの女王」に集まったのは、非常に気の毒ではあったが、民意からすれば当然の成り行きであったともいえよう。
グレイブローバー タナトス デーモン C 「タナトス」における死とは、ひとつの命の終わりであり、命なき生の始まりでもある。目覚める前の遺体は原資であり、貴族間で取引される。ゆえに墓泥棒も多い。
いたずらインプ タナトス デーモン C 死が終わりではないというのは、死の恐怖からの解放を意味する。しかし、よいことばかりに作用するとは限らない。命を張った無茶ないたずらも後を絶たないからだ。
「大公爵」アシュテロト タナトス デーモン R 「タナトス」がどうなろうと、正直どうでもいい。だが、こちらで自由にやっているのに、冥府に戻るのは嫌だ……冥府出身のデーモンの貴族たちの多くはそう考えていた。
「偽神の探索者」ジヌティーヌ タナトス デーモン L 「ワイルドランド」のデミゴッド誘拐の実行犯は、冥界とこの世とを、自由に行き来する力を備えていた。自由自在に、冥界への門を開くことができたのだ。
「死霊の子爵」オッドアイ タナトス デーモン E 「タナトス」は貴族たちのいる封建制国家だ。当然領土を持つ伯爵以上の貴族が大きな力を持つが、中には中央政府で活躍し、大貴族からも一目置かれている者もいる。
ウォールクラッシャー タナトス デーモン R デミゴッド狩りは「タナトス」の上位貴族である悪魔族が主導したことが明らかになっている。デミゴッドのもつ何らかの力が狙いであったようだが、まだ動機をすべては解明されぬままである。
「憂鬱の魔王」ベールフェゴル タナトス デーモン L 公暦795年、足掛け3年に及ぶ「冥府の鱗粉」による大騒ぎは、とある魔王の悪戯が原因だったことが判明。「タナトス」住民の3分の1を消滅させた事件だったが、最高級の魔王がゆえに罰はなかった。
ポセイドの守護者 ポセイド マーフォーク R 軍事行動には物心両面の支援が必要だ。食料、弾薬、医療など、多岐にわたる3ヵ国連合軍の後方支援を「ポセイド」が買って出た。海路を使った大量輸送は彼らの十八番だ。
ウンディーネ ポセイド スプライト C 公暦799年に開催される「世紀末音楽祭」が数年後に迫っている。「ポセイド」の住人すべてが楽しみにしている一大イベントだ。正直、災厄竜など知ったことじゃないのだ。
トータスマウス ポセイド ラット C 「ペンタゴナに染まる」という言葉がある。なにかをきっかけに、はっちゃけた人格に変わってしまうことを指す。ラットとて例外ではなく「ポセイド」に棲むと染まってしまうのだ。
ウォードバイソン ポセイド シーワーム C 「ポセイド」が領有する世界最大の内海「ペンタゴナ」は、世界の流通の中心でもある。これらを仕切っているのがシーワームたちだ。海路の安全も彼らの両肩にかかっているのだ。
「導きの乙姫」マリーサ ポセイド マーフォーク E 「導き」の称号を持つ者の中にも、際立って著名な存在がいたことも事実である。「ポセイド」の乙姫などはその最たるもので、親衛隊という名の「おっかけ」も存在していたという。
ペンタゴナ音楽隊「ティンパニー」 ポセイド アーティスト R ペンタゴナ音楽隊は1000年の歴史を誇るとされている。実に「ポセイド」の歴史よりも古いのである。全世界の演奏家が憧れる、最高峰の楽団なのだ。
「マエストロ」ジェイドカラヤン ポセイド マーフォーク L 「ポセイド」史上5指に入るとされる名指揮者は、並ぶものなき舞台演出家でもある。次の「世紀末音楽祭」出場は当然として、中締めのオペラと、トリのシンフォニー、どちらを担当するのかが注目されている。
ペンタゴナ音楽隊「チェロ」 ポセイド アーティスト C 全世界で最高の演奏家が選抜され、集まるのがペンタゴナ音楽隊である。中締めのオペラと、トリに用意された彼らのシンフォニーが、音楽祭の目玉であることは間違いない。
「快楽の奇術師」アズール ポセイド シーワーム E 「ポセイド」といえば、芸術や酒と並んで、魔術が盛んなことでも有名である。実用的な魔術だけでなく、エンターテイメント性に富んだ「奇術師」が多いことも特徴だ。
アクアサーペント ポセイド シーワーム R 「災厄竜討伐隊」を裏で支えていたのは、間違いなく「ポセイド」のシーワームたちだ。災厄竜の影響で荒れていたはずの水路を、物資や戦力の輸送に利用できたのは、彼らのおかげだ。
「水の女王」ナイアス ポセイド スプライト E 「ポセイド」は世界最大の内海「ペンタゴナ」に浮かぶ島々にそれぞれいる王たちが、交易をスムーズに行うために作った連合国家である。王の中には海の中に領地を持つものもいる。
「深海の主」アレシャンド ポセイド シーワーム L 災厄竜の覚醒によって、「ポセイド」は海底火山の大爆発とそれに伴う大地震に見舞われるはずだった。しかし、それはとある王が自らの命を犠牲に全魔力を解放することで未然に防がれたのだ。
ゴールデンシール ポセイド ビースト R 災厄竜の騒ぎをよそに、100年に一度の祭典である「世紀末音楽祭」に思いをはせるものが数多くいる。「ポセイド」の住人は、ミジンコからトドまで、みんなが歌い手なのだ。
マキナスの守護者 マキナス アンドロイド R ロイドたちは3ヵ国連合軍を通して、「アグマ」のゴレイムたちに接し、彼らの境遇に同情した。同じ構成員であるはずなのに、ロイドは戦士で、ゴレイムは奴隷だ。
スノーラット マキナス ラット C 「マキナス」の領土のほとんどは、風雪地帯である。昼でも寒い。生き抜くためには、特別な技能が必要だ。例えばこの地のラットは雪を寄せ付けぬ結界を作る能力を獲得している。
トレーサードーベル マキナス ハンター C 「マキナス」は「ファン・ドルム」と呼ばれる巨大な結界によってすっぽりと覆われた、都市国家の集合体である。都市間は無数のトレーサーたちによって常時往来が確保されている。
「導きの機婦人」オードリー マキナス アンドロイド E 「導き」の称号を持つ者は複数いたが、ほとんどの者たちは素性を隠し、民間で交流をおこなうことで、各国の理解を深めていった。
三ヵ国連合参謀長ダイスラー マキナス アンドロイド L 大きめの図書館丸ごと一個分の知識が登録されているという、ロイドきっての博識を誇る教授が、あらゆる作戦提案の責任者となった。
D-13 ホーリークエイド マキナス ソルジャー R 広大な「マキナス」の領地には、「アナザーホール」の文明を快く思わない先住生命体も大勢いる。彼らを支配下に置くため戦うのがダグブロ社製のロイドの役目だ。
キルジャガード マキナス ハンター C 「アグマ」にゴレイムの工兵、「カナタナ」に航空偵察隊、そして「マキナス」にはハントロイドたちの地上偵察隊。「災厄竜討伐隊」の平常時の行軍に彼らは欠かせなかった。
D-08 アックスバイター マキナス ソルジャー C ロイド製作大手3社の中で、戦闘力が高い者の製作を得意とするのがダグブロ社だ。「災厄竜討伐隊」に最も多く派遣されたのが、彼らダグブロ社のロイドたちだった。
ブラックジャガード マキナス ハンター R ハントロイドたちが製造されることはない。なぜなら、彼らは機械であるというのに、動物のように成長し、さらには子までなしてしまう。移住者に黒い個体はいない。彼らはみな、「マキナス」で自然に生まれた2世以降のものたちなのだ。
戦闘型ロイド・ベルダ Mk4(双剣装備Ver.) マキナス アンドロイド E 戦闘型ロイドとは、機能を完全に戦うことに特化させた者たちだ。平時は、常にベッドで休眠状態で過ごし、いざ起動したら、鬼神のごとき戦闘力を発揮する。
アイスベアード マキナス ハンター R 「災厄竜討伐隊」の帰還兵による報告で、「ワイルドランド」内に特異点の発生の痕跡を確認したマキナス首脳部は、ハンターたちによる調査隊の派遣を決定する。
「百獣」ヴァイスレーベ マキナス ハンター L 逃げる魔竜騎士に追いつき、その背に牙と爪を突き立てる。振りほどこうともがく敵を抑え込み、逃れようのないゼロ距離から両肩のガトリングガンが火を噴いた。–『大公史』 公暦795年 第55節
「祈祷者」ゼクスシュバンツ マキナス ハンター E 「災厄竜討伐隊」最大の危機だった。手下の復讐に九神龍がやってきたのだ。あるハントロイドが囮となり、その命を犠牲にして、何とか全滅を免れることができたのだった。
1カラットラット ワイルドランド ラット R ラットたちは、もともとは皆「ワイルドランド」出身である。他の国の方が棲みやすいはずなのに、未だに野蛮で未開で、だけど一番自由なこの土地を、好むものたちもいるようだ。
ハンマーヘッドビー ワイルドランド モンスター C 「災厄竜討伐隊」を辟易とさせたもののひとつが、鉄をも貫通する針を持つ、蜂の軍団だ。彼らの幼虫は花の蜜だけではなく、機械の油も養分とするのだ。
荒野の旅人 ワイルドランド セントール R 「災厄竜討伐隊」にとって、「ワイルドランド」をさすらう旅人は、これ以上ない案内人であった。彼らの協力に感謝した人々は、彼との交流を続けているという。
臆病じゃない金鶏 ワイルドランド ビースト C ゴブリンたちは、農耕はしないが、家畜は飼うらしい。主に乗用か食用のためのようだが、たまに草食のはずが肉食に目覚める家畜がいるらしく、突然襲ってくることがあるそうだ。
ダンシング・カトラス ワイルドランド モンスター C 「インテリジェント・ソード」と呼ばれるものを筆頭に、いわゆる会話する武器たちは、どちらかというと落ち着いた人格をもっているものだ。もちろん、どんなものにも例外は存在する。
ボム・ウィスプ ワイルドランド モンスター R 無害だと思われていた光球が、水に濡れると爆弾に変わる。突然降りだした雨によって「災厄竜討伐隊」は、その恐ろしさを体験させられることになった。犠牲者は4桁に上ったという。–『大公史』 公暦794年 第15節
斥候パルパンサー ワイルドランド ビースト C 災厄竜の側も、軍勢を従えて待ち構えていた。黒幕である魔竜騎士の密命を受けた斥候により、3ヵ国連合軍の動きはすべて見張られていたのである。
ゴライアス・ボアイーター ワイルドランド モンスター R 最大種に比べれば、はるかに小さい蜘蛛でも、「ワイルドランド」に生息している奴らはケタ違いの大きさだ。3ヵ国連合軍にとっては、蜘蛛本体も、奴らが張った巣もやっかいな存在だった。
祝福を授けるピクシー ワイルドランド スプライト C 野蛮、未開とマイナスなイメージが先行する「ワイルドランド」にも楽園は存在する。かわいらしい妖精たちが、歓迎の花輪を頭に乗せてくれるそうだが、残念ながら3ヵ国連合軍は縁がなかったようだ。
ウィル・オー・ウィスプ ワイルドランド モンスター C 夏の夜になると、「ワイルドランド」の森の中を蛍のように光の球が漂い出す。最初は警戒した3ヵ国連合軍だったが、無害とわかり、明かりとして重宝するようになった。–『大公史』 公暦794年 第14節
ゴブリンズ・クイーン ワイルドランド ゴブリン E ゴブリンたちは母系社会であり、女王は傲慢で乱暴だ。配下のゴブリンたちも大概、傲慢で乱暴だ。だから「麗の森」を追い出され、「ワイルドランド」にたどり着いたのだ。
アガリック・トータス ワイルドランド ビースト C 「ワイルドランド」には、共生関係にある生物が多様に存在する。歩けないキノコと、胞子の毒で天敵を追い払う亀の関係などは、その最たるものだ。
ウォーター・シューター ワイルドランド ビースト C 大軍隊には食料もかなり必要である。現地調達のために釣りも盛んにおこなわれたが、最も多くとれた獲物は、とんでもなく鱗も肉も固く、しかも肉食のため臭かった。
練気獣エルサウル ワイルドランド モンスター E 何をして、災厄竜や魔竜騎士に従っていたのかは、今でも不明である。しかし、本来はそれほどの力を持たない者が、魔竜騎士により、大きな力を授けられていた例もあったようだ。
「箱を抱く者」パンドリア ワイルドランド デミゴッド L ひとりのデミゴッドが、姿を消した。災厄を封じる箱は所有者を失い、やがて蓋が開いてしまうことだろう。箱の名前はダスカース。すべての禍の元凶となる恐るべき存在を中に封じていたのだ。
ハーミットホルンクラブ ワイルドランド ビースト R 音楽家たちは最高のホルンを求め、「ワイルドランド」へホルンクラブ狩りに出向く。その時出会ったホルンクラブの殻が、一生で最上のものとは限らない。至高の演奏のために、今日もクラブを狩るのだ。
モンスター・ブック ワイルドランド モンスター R 公暦は6ヵ国同盟が成立した年を元年に始まった記録である。それぞれの記録は我々歴史家がつづるものだが、「ワイルドランド」には勝手に記録する本の集まった図書館があるそうだ。
魔力喰い ワイルドランド モンスター E この魔力喰いが曲者だった。魔術だけではなく、ゴレイムの砲撃も、この球体の前に沈黙する。災厄竜の連れてきた戦力は、3ヵ国連合軍の猛者たちの想像をはるかに越えていた。–『大公史』 公暦795年 第32節
ファンカリアス ワイルドランド ウイング C 「アナザーホール」は「マキナス」周辺だけではなく、「ワイルドランド」でも開いているという噂がある。見逃せない噂をたよりに、「ワイルドランド」に遠征しているレンジャーもいるようだ。
モルド ワイルドランド ビースト C 「麗の森」には、もともと「ワイルドランド」にいたものたちがかなりの数、紛れ込んでいる。
特に巨獣の氏族にその傾向が強く、「ワイルドランド」の情勢をどこよりも詳しく知っていた。
エレキタマス ワイルドランド ビースト C ロイドたちにとって、過酷な環境や、疲労に関する心配などは無用のものだった。しかし、電流に関しては例外だ。まさか行軍の渡河中に、はるか遠方から電流が流されるとは、誰が予想できただろうか?
アシッド・ドラゴン ワイルドランド ドラゴン R 「ワイルドランド」はドラゴンの領土と呼んでも差し支えないほど、多くのドラゴンたちが生息している。
九神龍と呼ばれる最強のドラゴンたちを頂点に、序列を作って縄張りを管理しているのだ。
雷龍ライトニングフォール ワイルドランド ドラゴン E 小さいドラゴンをつつけば、それを庇護しているより格上のドラゴンが駆け付けてくる。ドラゴンたちには必ずケツモチがいて、最後には九神龍にたどり着くわけだが……たいていその前に消し炭だ。
フライング・クロース ワイルドランド モンスター C 風に乗って、ひらひらと空中を漂う布切れ。まさかそれがミニオンだとは、誰が思うだろうか? 予想外の不意打ちに、3ヵ国連合軍のアヴィアンたちが、少なからず連れ去られるという事件が起きた。
スペルゲイザー・ヴォルフ ワイルドランド ビースト R 「ワイルドランド」のすべてが3ヵ国連合軍に敵対的だったわけではない。疲弊した連合軍を最後に導いたのは、魔術を操る現地の狼だった。
ホーリードラゴン ワイルドランド ドラゴン C 「ワイルドランド」の楽園を縄張りに持つドラゴンは、ドラゴンとは思えないほど優美な姿をしており、九神龍を頂点とした序列の外にいるらしい。
「双星に謳う者」ティルト&ウェルト ワイルドランド デミゴッド L 88体のデミゴッドたちが秘めた能力は、常識を超えるものらしい。例えば双子のデミゴッドの力を借りれば、あらゆる事象が2度繰り返される。プレゼントは2度もらえ、骨折は2回起き、くしゃみは2回する。
ブロッブウォール ワイルドランド モンスター R 「ワイルドランド」にはブロッブと呼ばれる、あらゆるものも溶かしつくすミニオンがいるという事前情報があった。ゴレイムの数少ない天敵として警戒していたが、3ヵ国連合軍は幸運にも行軍中に出会うことはなかった。
幸運のドリンキング・バニー ワイルドランド ヒューマノイド E 「ワイルドランド」に存在するとされる楽園で、酔っぱらいのウサギに遭遇できれば、ちょっとした幸運を授けてくれるという。かなりかわいいと評判らしいが、いったいどんなウサギなのだろう?
魔竜騎士ダストライド ワイルドランド ヒューマノイド L 災厄竜は自然に目覚めたのではない。災厄竜が封じられた箱を、開いた者がいたのだ。彼は、事前に軍団を組織し、準備したうえで箱を開けた。今ある秩序を打ち壊し、自らが新たな王となるために。
ワイズ・ドラマー ワイルドランド トライブ R 災厄竜の軍勢の中にも軍師がいた。それに気づいたのは、「アグマ」の騎兵隊長サムズだった。最初に狙うべき目標を見つけ、彼は決断を下す。–『大公史』 公暦795年 第36節
「針を進める者」クロノリオンヌ ワイルドランド デミゴッド L デミゴッドの中で、時間に関係する能力を持つものが7体確認されている。彼らのことをまとめて、7クロックと呼ぶこともあるようだ。
「勇気奮わす者」ウォレス ワイルドランド デミゴッド L 神がごとき、特別な力を与えられたものたちがいる。デミゴッドと呼ばれる彼らは、今のところ88種確認されている。彼らは強いわけでも頑強なわけでもない。ただ特別なのだ。
エメラルド・ドラゴン ワイルドランド ドラゴン C 緑色のうろこを持つドラゴンが断末魔の絶叫をあげた。「災厄竜討伐隊」が勝利した……はずだった。まさか、その竜が、九神龍直属の眷属だとは、思いもよらなかったのだ。–『大公史』 公暦795年 第2節
ブレイブ・ドラマー ワイルドランド トライブ C 「麗の森」には渡らず、この地にとどまったサルの中には、より強力な進化をとげたゴリラたちがいる。知恵のあるはずの彼らが、どうして災厄竜の軍勢に加わっていたのだろうか?
「魔犬」ケルベロス・クリムゾン ワイルドランド モンスター E 敵の黒幕「魔竜騎士」と災厄竜とを分断すれば、戦いはもっと有利になる。現戦力ではその作戦も構想どまりになるところだったが、どこからともなく現れた狼たちが、それを実行してくれたのだ。–『大公史』 公暦795年 第42節
「時を一巡させる者」エンリコ ワイルドランド デミゴッド L デミゴッドが「ワイルドランド」から姿を消し始めたのは、災厄竜の覚醒の前、公暦792年ぐらいからのことだった。後に彼らは、冥府に送られていたことが判明している。
ガルガンチュア・イーグル ワイルドランド ウイング C 巨大な鷲が、はるか上空を行き過ぎる。同時に「災厄竜討伐隊」の勝利を祝う歓喜の声が、戦場にこだましたのだった。–『大公史』 公暦795年 第62節
「魔術の巨人」マジクル・ベイル ワイルドランド ゴレイム R 災厄竜の軍勢は、現地のゴリラ族、魔術都市「クラン・グラン」製の人造の巨人、そして大量の魔力喰いたちだ。–『大公史』 公暦795年 第31節
地の天使ウリエル ワイルドランド エンジェル R 「ワイルドランド」にも文明を持つ都市がいくつか存在している。魔術都市「クラン・グラン」は、天使たちが治めているといわれている。「カナタナ」の天使たちと関係があるのかどうかは定かではない。
災厄竜ダスカース ワイルドランド ドラゴン E 吐いた息で大地は揺れ、指さす先に禍が起きる。世界のバランスを崩す存在として、デミゴッドにより箱の中に封じられていた。覚醒した災厄竜は、箱の名をとり、ダスカースと記録されることとなった。
ギガ・サイクロプス ワイルドランド ジャイアント R もし「デメテー」の誰かが参加していれば、千年杉のツリーフォークを思い出したことだろう。しかし、彼らがいない「災厄竜討伐隊」では、これほどの巨体を目にしたことがあるものは、誰も存在しなかった。–『大公史』 公暦794年 第44節
「運命の図柄を描く者」ラケシス ワイルドランド デミゴッド L デミゴッド消失の犯人が「タナトス」の手の者であることが判明したのは、その「タナトス」の魔の手から逃げ切ったデミゴッドが存在していたからである。彼女は、定められた運命を変化させる能力をもっていたのだ。
炎龍ヘルファイアー ワイルドランド ドラゴン E 「災厄竜討伐隊」はドラゴンとの戦闘を可能な限り避け続けた。出会ったときには逃走するのだが、それは大きな犠牲を伴うものだった。しかし九神龍との戦闘を思えば、はるかにましだった。–『大公史』 公暦795年 第10節
「反射の巨人」クリスタル・ベイル ワイルドランド ゴレイム E 魔術都市「クラン・グラン」で製造される巨人たちは、ゴレイムとは異なる製法が用いられている。都市の二つ名が示す通り、それはより魔術的な儀式によって命を吹き込まれているようだ。
九神龍「闘」アラバスター ワイルドランド ドラゴン L 怒り狂ったアラバスターが放った業火が、「災厄竜討伐隊」の軍列を直撃した。参謀長ダイスラーを含む、実に全戦力の3分の1が、一瞬で蒸発したのだ。–『大公史』 公暦795年 第4節
「黄金の果樹」ユグドラウォーカー ワイルドランド スプライト E 「麗の森」の神樹ユグドラウォーカーは、90年かけて受胎し、生長期間10年を経てやっと誕生する。ところが、5年も早く生長しきる前に、しかも「ワイルドランド」で誕生してしまった。それは「デメテー」にとって、とてつもない事件であった。
EXCODE:01 魔術都市の9戦士
「翔の鼠騎士」フライト ワイルドランド ラット R かくして、魔術都市は守られた。住人たちの歓呼に迎えられ、小さな「ガーディアンズ」たちはこの街最高の戦士たちとして認められたのだった。彼らの戦いは、命あるかぎり終わらない。
「知の鼠騎士」ウィズダム ワイルドランド ラット R 「ワイルドランド」には、領土を持たず、6カ国とは関係なく存在する都市国家がいくつかある。「ワイルドランド」の住人たちからは、都市そのものを縄張りとするひとつの種族として認識されており、文字通り共生関係にある。
「輪の鼠騎士」リング ワイルドランド ラット R 外の世界の文明と、「クラングラン」は何の関係もなかったのだが、特に縄張り意識の強いドラゴンたちの怒りは、外の世界の住人たちが退去したのちもわだかまり、その矛先が「クラングラン」に向けられたのだ。
「悪の鼠騎士」イーブ ワイルドランド ラット R 「クラングラン」の住人たちは、大きな危機に直面していた。彼らを悩ませているのは、「ワイルドランド」で最大の縄張りを持つ種族、ドラゴンたちであった。
「混の鼠騎士」ミクス ワイルドランド ラット R つい最近、外の世界の住人たちが大挙して、「ワイルドランド」を荒らしまわる事態が発生した。そのために、「ワイルドランド」では文明を持つ者に対する忌避感が蔓延したのだ。
「凱の鼠騎士」ヴィクソン ワイルドランド ラット R 「ワイルドランド」の都市国家のひとつに「魔術都市」の二つ名をもつ「クラングラン」という国家が存在する。ベイルという名の独自のゴーレム製造技術を持つなど、その名の通り独自の魔法技術が発達した都市である。
「聖の鼠騎士」ホリィ ワイルドランド ラット R この事態に立ち上がった勇者たちがいた。彼ら9人の騎士たちを総称し、街の住人たちは「魔術都市の9戦士」と呼び習わした。
「甦の鼠騎士」リザ ワイルドランド ラット R 「ガーディアンズ」たちの使命は、ドラゴンたちから街を守ること。彼らが画策したのは、ドラゴンたちの敵意の矛先を「クラングラン」からそらすことだった。
「双の鼠騎士」ツイン ワイルドランド ラット R ドラゴンの攻勢をかわし、粘り強く交渉を重ね、時には危険にその身をさらし、持ちうる魔術知識のすべてを駆使して、「ガーディアンズ」は頑張った。その結果、魔法動機「6色の道」と引き換えに、ドラゴンたちは「クラングラン」から手を引くことを約束したのだった。
「酒場の看板娘」カレン ワイルドランド ヒューマノイド E 「どこかにこの街を救ってくれる勇者様っていないかしら……そんな人が現れたら、わたし何でもしちゃうのに」ある娘の一言をきっかけに、栄光の「ガーディアンズ」の歴史は始まったのだった。
「記憶を覗く者」メモリア ワイルドランド デミゴッド L 未来の記録を覗いたデミゴッドは、仲間たちに号令を発する。災厄竜がもたらす真の崩壊の被害を少しでも減らすため、各国に知恵を授けるために。
復讐のドラゴン ワイルドランド ドラゴン E 「クラングラン」を包囲したドラゴンは、「ガーディアンズ」たちの取引に応じた。彼が目的は、ネズミたちにあらず。「6色の道」があれば、真の復讐を果たす道しるべとなるのだから。
PACKCODE:01Re BEYOND
ドワーフの闘士 アグマ ドワーフ E ゴレイムたちの望む平等はまことにつつましいもので、ドワーフたちもその感覚になじむのに時間はかからなかった。それまでペットに近い扱いだったのが、部下や友人に変わったのだ。ドワーフたちの根底に、ゴレイムたちへの愛着が少なからずあった証拠でもあった。
フレイムカーマン アグマ ビースト R 選挙権を得たゴレイムたちは、内乱の翌年となる798年の総選挙にて、自分たちの代表として先の騒乱の彼らの英雄「オリジンズ02」を候補に推した。それがどれほど誇らしいことであったか。
ゴレイム「タイプ:ショベル」 アグマ ゴレイム C この年が「事多き797年」と呼ばれるのは当然のことだろう。6ヵ国すべてで、大きな変事が続いたのだから。「アグマ」で起きたのは、内乱である。先の騒乱において、「マキナス」のロイドたちに接したゴレイムたちが、法の下の平等と参政権を訴え、生みの親であるドワーフたちに反旗を翻したのだ。 –『大公史』 公暦797年 第6節
「真実を映しだす者」ヤヌサス アグマ デミゴッド L デミゴッドは「ワイルドランド」にのみ存在する特別な者たちだったから、多くの住民は、彼らを目にするのは初めてのことだった。しかし、あまりの神々しさに、誰もが彼らが普通の存在でないことを看破できたという。 –『大公史』 公暦800年 第3節
モーホークザウラー アグマ ダイナソー R 恐竜たちは、根本的に「アグマ」の統治外に縄張りを持ち、アグマの法の枠から外れたものたちである。その恐竜たちが、デミゴッドへは恭順の姿勢を見せている。それは、空から魚が降ってくるよりも珍しいことだった。
「赤髭」ブラッド・ヒュージー アグマ ドワーフ E 内乱は3か月に及び、最終的には平等まではいかずとも、ゴレイム特別法を制定することと、参政権を認めることで決着となった。ゴレイム側の全面勝利となった背景には、かの大遠征でゴレイムと行動をともにした勇者たちの後押しがあった。–『大公史』 公暦797年 第7節
アヴィアンの忍者 カナタナ アヴィアン E 砂漠の島の降下理由は不明であった。そもそも「トライエアーズ」がなぜ浮遊しているのかさえ定かではない。アヴィアンの学者たちとともに調査能力に長けた者たちを派遣し、島の秘密に迫ろうとしたが、わかったのは自分たちがいかに非力で無知であるのかということだけだった。
エンジェルバニー カナタナ キマイラ C 人災も多かった797年において、最も大規模な天災は「カナタナ」にやってきた。「カナタナ」の領土は3つの巨大な浮遊島「トライエアーズ」を中心にしているのだが、そのうちのひとつ「砂漠の島」の浮力が弱まり、徐々に下降を始めたのだ。力を持たない住人などは、まさに右往左往するだけだった。 –『大公史』 公暦797年 第21節
アルダープ カナタナ キマイラ R 砂漠の島は、翼を持たない住人が、最も多く生息するエリアである。その島が墜落しようとしていた。幸いにも降下速度は1時間で2~3mほどのゆったりしたものだったので、準備する時間はたっぷりとあった。住人の中には他の島に移住した者も多かった。
猩猩 カナタナ ビースト R デミゴッドの出現により、最も大きな恩恵を受けたのは、間違いなく「カナタナ」の住民たちだった。2年間、下降し続けた砂漠の島が、その浮力を取り戻したのだ。デミゴッドへの絶対なる忠誠を誓うものが現れたのも、当然のことといえよう。
「身も心も縛る者」ザイレン カナタナ デミゴッド L すべての国の民たちが、皆一様にデミゴッドに跪く。彼らは告げる。彼らの言葉で。民たちの知らぬはずの不思議な響きの言葉だったが、まるで翻訳者が自分の内にいるかのごとく、言わんとする意味が、心にしみこんできた。 –『大公史』 公暦800年 第4節
強欲のタタラ カナタナ アヴィアン E 砂漠の島の降下という混乱に乗じ、火事場泥棒を企む数多の不届き者たちが、逮捕されている。これも、あの竜のもたらした災厄と呼んでよいものなのだろうか?
エルフの剣士 デメテー エルフ E 行方不明のユグドラウォーカーだったが、エルフたちの懸命な捜索により、「ワイルドランド」の楽園と呼ばれるエリアで保護されていることが判明した。しかし、ユグドラウォーカー解放のために、ある条件を突きつけられることとなった。
ローレルツォーク デメテー ツリーフォーク C 他国にとってはたいした問題には見えないだろうが、「事多き797年」に起こった異変は、「デメテー」にとって国の根幹を揺るがす事態であった。「麗の森」を覆う時の結界が不安定になり、時々外界と同期する状態に陥っていたのだ。 –『大公史』 公暦797年 第31節
モルフェオ「スカーレル」 デメテー モルフェオ R モルフェオたちのような寿命の短い種族にとって、森の結界が不安定になったり、まして消えてしまうなどといったことは、大問題であり、のん気な彼らでも、事態の深刻さは理解していた。なにしろ、一生で食べられるホットケーキの枚数が減ってしまうのだから。
「豊穣をもたらす者」ヴァンジャン デメテー デミゴッド L デミゴッドたちは、自らの持つ力を各国の民に授けにやってきたのだ。彼らの預言した、ダスカースの置き土産ともいえる、最大の災厄に備えるために。 –『大公史』 公暦800年 第6節
ギンゴウツォーク デメテー ツリーフォーク R 「タナトス」の冥府に連れ去られたデミゴッドたちの解放を求め、ツォークたちは彼の国に痛烈な書簡を送りつけた。何しろそれが、ユグドラウォーカー返還のために突き付けられた条件だったのだから。 –『大公史』 公暦797年 第39節
「秘術の御使い」アマリリア デメテー エルフ E 本来「デメテー」の地で誕生するはずだったユグドラウォーカーが、あるべき場所にいない。それが結界不安定の原因であることが、あるエルフにより特定された。紛れもなく、あのダスカースが引き起こした、この国最悪の災厄であるといえよう。
スケルトンの獄吏 タナトス スケルトン E 「タナトス」の災厄は、ダスカース登場前からずっと続いている。全住民の6割という驚異的な罹患率のパンデミックが発生し、そのほとんどが死亡していたのだ。生き残った貴族たちにより、彼らはアンデッドへと変えられ、別の形で生きることを余儀なくされたのだ。
酔いどれインプ タナトス デーモン R 「ポセイド」で発生したパンデミックは、ある酔っぱらいが大事な荷物を海に投げ捨てたのが原因だった。後に原因が判明し、賠償請求を受けることになるが、その酔っぱらいは罪を認めることはなかった。だって酔ってたし、覚えてないし。
マッドライノ タナトス アンデッド C パンデミックの原因となったウィルスは、ヒューマノイドタイプのものたちにしか感染しなかった。媒介となった生物を特定する作業は困難を極めたが、鳥型ではなく、四足獣であろうことまでは判明した。再び流行を起こさないためにも、原因の特定は必須なのだが……。
キューブロップ タナトス モンスター R 意思があるのかどうかもわからない、有機物かどうかすらも怪しいブロッブですら、デミゴッドに道を譲り、その後に従うのだ。単なる邪魔者でしかなかった彼らすら、デミゴッドは「タナトス」の戦力へ生まれ変わらせようとしている。
「思惑を砕く者」キスカ タナトス デミゴッド L デミゴッド狩りをおこなっており、なおかつ6ヵ国の同盟からも離反しようとしていた「タナトス」とて例外ではなく。時を等しくしてデミゴッドがやってくるなど、これまでの歴史上で一度もない出来事であった。 –『大公史』 公暦800年 第2節
「三頭の騎士」アリュシナシオン タナトス スケルトン E 「ポセイド」からの賠償請求は無視するにしても、「デメテー」からの要求と追及は、到底受け入れられる類のものではなかった。アンデッドとなった住民を元の姿に戻すまで、捕えたデミゴッドを解放するわけにはいかない……かくして両国との国交断絶が決定された。後の6ヵ国同盟離脱のきっかけといえよう。 –『大公史』 公暦797年 第60節
マーメイドの戦士 ポセイド マーフォーク E 「世紀末音楽祭」は、「ポセイド」の各地を転々とし、1年間を通してツアーを組む一大イベントである。各島ごとに1か月間の開催期間が設けられ、様々な団体、個人が演奏を披露する。規模が大きい分、警備の手間も大変なものだが、役目を与えられたものにはたいへん名誉なことでもあった。
ウォードバイパー ポセイド シーワーム C パンデミックの病原体は、「タナトス」が密輸に失敗し、ペンタゴナ内海に遺棄した荷物を回収したところ発生したと確認された。しかし、2年後に世紀末音楽祭を控えた住人たちは、正直おさまったパンデミックに興味を持続させることができず、追及はうやむやになったのだった。
ペンタゴナ音楽隊「フルート」 ポセイド アーティスト R ペンタゴナ音楽隊のコンサートはプラチナ化しており、各地で計77公演がおこなわれたが、すべて満席だったという。中でも世紀の変わり目に、音楽祭のフィナーレで演奏されたものは、今世紀で最高との評価を受けたのだった。
アクアコブラ ポセイド シーワーム R 797年に「ポセイド」を襲った奇禍は、得体のしれない病原菌によるパンデミックであった。島ひとつを恐慌に陥れたものの、海洋国家であることが幸いしたことと、とある蛇の毒から作る血清が病原菌にも作用したことにより、国全体への拡散を防ぐことができたのだった。
「慈しみを降らす者」ゴールドウェザー ポセイド デミゴッド L 「ポセイド」の世紀末音楽祭が華々しく幕を閉じ、来るべき新世紀を迎えた直後のことだった。6ヵ国すべてにデミゴッドが降臨したのだ。–『大公史』 公暦800年 第1節
「ソリスト」ローズパガニーニ ポセイド マーフォーク E 「世紀末音楽祭」では、通常オープニングか、世紀の切り替わりに演奏されるオオトリが評判を集めるものだが、中秋の晩に演奏されたあるソリストの音色が「月の光が七色に変わるほど」幻想的だったと、トリに匹敵する伝説を作ることになった。
アンドロイドの銃士 マキナス アンドロイド E 「事多き797年」において、「マキナス」だけが唯一平穏を保っていたかに見えた。しかし、実際にはこの年より「ワイルドランド攻略部隊」が結成され、内密ながら大規模な「ワイルドランド」遠征が繰り返されることになるのである。この遠征こそが、かの大戦のきっかけとなったのだ。 –『大公史』 公暦797年 第42節
ホーリーフライ マキナス ウイング C 3ヵ国連合軍による「ワイルドランド」遠征は、「マキナス」の国家運営方針に対し、大きな知見を与えることになった。彼らの文明の起源であるアナザーホールは「ワイルドランド」でも発生している。その周期と出現地点を特定できれば、「マキナス」の技術レベルを飛躍させることが可能になるであろう。「ワイルドランド攻略部隊」はこうして結成されることとなる。
リカオニードル マキナス ハンター R デミゴッドであるヘルデュークの指示で、ただちに他の5ヵ国への使者がたてられ、進発された。「ワイルドランド攻略部隊」に端を発する凶報を伝えるために。だがしかし、それは遅きに失することになる。魔法動機「6色の道」を手にした敵の進軍速度は、想像をはるかに超えるものだったのだ。 –『大公史』 公暦800年 第59節
R-A6 フォーゲルバイン マキナス ソルジャー R 先の騒乱で、「アグマ」のゴレイムたちのおかげで行軍が非常にはかどった。それを教訓に、「ワイルドランド攻略部隊」には専門の工兵が編入された。しかし、それが仇となった。いざ戦闘となったとき、戦い慣れない彼らによって無駄に戦線が拡大されてしまったのだ。
「那由多に届く者」ヘルデューク マキナス デミゴッド L 「ここが歴史の転換点である。そなえよ」デミゴッドによってもたらされたのは、危急を告げる預言であった。 –『大公史』 公暦800年 第5節
戦闘型ロイド・シュバイン マキナス アンドロイド E アナザーホールの痕跡は発見した。しかし、それには大きな代償がついてきた。そこは、「ワイルドランド」に生息するドラゴンたちの聖地であり、知らずに彼らの禁忌を侵していたのだ。たちまち激しい戦闘が発生することとなってしまったのだった。
魔術都市の住人 ワイルドランド ラット C ラットたちは世界中に散って、それぞれ生活環境を整えている。その世界中の彼らと手っ取り早く移動するためにあったのが「6色の道」と呼ばれる魔法動機であった。6ヵ国を行き来できる手段を竜に奪われ、ラットたちは難儀していた。
セントールの狩人 ワイルドランド セントール R 昨今6ヵ国の住人の出入りが多く、「ワイルドランド」の環境はここ5年ほどで大きく変化している。そもそも定住の概念のないセントールたちは、不安定な「ワイルドランド」の状勢に一喜一憂するぐらいならと、さらに外の世界にも興味を持ちつつあった。
ポリン ワイルドランド モンスター C 3ヵ国連合軍により騒乱は終結した。災厄竜は再び封印され、後始末はもろもろありはするものの、表面上の平和は取り戻されたかに思われた。だが、まき散らされた災厄の種は決して取り除かれたわけではなかった。騒乱から2年後、災厄の種が芽吹いたのか、各地で大混乱が発生する。この年を、後世「事多き797年」と呼びならわすこととなる。 –『大公史』 公暦797年 第1節
スパイクトード ワイルドランド キマイラ C 「ワイルドランド」に起こりつつある異変を真っ先に感じ取ったのは、力弱く臆病ゆえに敏感な小さきものたちだった。大地と空、すべてが一斉に鳴動を始めたのは、この世の終わりを思わせるものだった。全土の竜たちが、一斉に動き始めたのだ。
ベテランゴブリン ワイルドランド ゴブリン C エルフたちが「ワイルドランド」で探し物をしていることを知り、ゴブリンたちは大いにお手伝いをしてあげる気になった。先回りして探し物を見つけた彼らは、その持ち主に、エルフたちがどんな存在なのかをあることないことチクって差し上げた。悪口ってスッキリする。
ヤミーカクタス ワイルドランド スプライト E 「ワイルドランド」の楽園と呼ばれる地域は、四方を山脈に囲まれた草原地帯である。不思議なことに、気候や土壌の条件のあわない複数種の植物が共生しており、他では考えられない風景から楽園の名がついた。また、そこに住む者たちは一般的に愛らしい。
「天知」プラトーナ ワイルドランド モンスター L 「ワイルドランド」をさまようエルフたちが、ユグドラウォーカーが匿われている楽園にたどり着くことができたのは、最も全知に近いとされる知恵の蛇に出会うことができたからだった。
ヒドゥンヴォルフ ワイルドランド ビースト R 「ワイルドランド」に生息している狼たちが、一様にその姿を隠し始めたのは宿敵である竜たちの尋常ではない殺気を感じとったからだった。戦乱の気配をかぎ取っていたのである。
サファイア・ドラゴン ワイルドランド ドラゴン C 6ヵ国の800年に及ぶ歴史の中で、初めての竜による国土への襲撃。これが開始の狼煙となった。史上最大の悪夢「竜大戦(ドラゴンズ ストライク)」勃発。  –『大公史』 公暦800年 第66節
キャンセラーピューマ ワイルドランド ビースト E 現地のドラゴンとの戦闘は徐々に一方的な暴力へとかわり、「ワイルドランド攻略部隊」は完全な敗走へと追い込まれた。現地の獣の中には、攻略部隊に好意的で、手を貸してくれるものもいたため、なんとか全滅だけは免れたが。  –『大公史』 公暦800年 第41節
「扉を開く者」アルカス ワイルドランド デミゴッド L これから起きる戦乱の空気を察知したデミゴッドが、6ヵ国に続く扉を開き、仲間たちを各国に送り込んだ。それは叶わぬ願いと知りながらも、少しでも犠牲を減らしたいという願いを込めた、彼のせいいっぱいの賭けだった。
ガイオ・センチピード ワイルドランド モンスター R 竜の聖域は、他者が間違って入り込まないように、デミゴッドによって派遣された巨大なムカデたちによって、よそと切り分けられていた。そうと知らない「ワイルドランド攻略部隊」は、ムカデたちを焼き払い、奥地へと侵入していったのだった。
ゴルゴンシャーマン ワイルドランド モンスター E 見た者を石に変えるとされるゴルゴンが生息する森。「ワイルドランド攻略部隊」はその森を退路に選んだ。自分たち機械には通じず、竜だけが石の視線に悩まされると計算したのだ。それがとんでもない見込み違いだったということを、彼らは身をもって痛感することになる。  –『大公史』 公暦800年 第47節
「長雷槍」カルナール ワイルドランド セントール R 行き過ぎる機械の軍勢に、警告を送る者があった。この先は地元の者は絶対に入らない竜たちの領域であり、禁忌のエリアであると。しかし、その助言は完全に無視されてしまい、行軍を止めることは叶わなかった。
「炎魔」バルドロード ワイルドランド モンスター L 「ワイルドランド」において、竜たちの暴虐が常に許されるわけではない。彼らとて遠慮しなくてはならない相手はいる。支配階級のものだけではなく、中にはとんでもない一匹狼もいるのだ。
「五幻獣」麒麟 ワイルドランド ファイブスター L 広大な「ワイルドランド」の地に王は存在しないが、明らかな支配者階級は存在する。例えば竜であり、デミゴッドであり、そしてファイブスターと呼ばれる5体の幻獣たちもその中の一群である。
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「炎精」ファイアリィ アグマ ニンフ E ニンフは「エーテル」を自由自在に操れるわけではない。溶岩流は熱と炎と岩のエーテルの塊であるわけだが、炎のニンフだからといって、溶岩から炎を消し去ることはできない。炎のニンフは、溶岩の中にただ宿っているだけである。要するに、そんなに便利なものじゃないので、無茶な注文は厳禁で。
「石精」ロックバイス アグマ ニンフ C 世界は「エーテル」と呼ばれる見えない力で満たされている。本来見えない「エーテル」が実体と意思をもったものがニンフたちである。彼らは「エーテル」であり「ミニオン」なのだ。その境界はあやふやで、「エーテル」に戻るのも、ミニオンになるのも、ある程度自由にコントロールできるようだ。
ゴレイム「タイプ:ディガー」 アグマ ゴレイム R 「ザ・ピーク」内部の空洞に作られた「アグマ」の市街を、溢れるように溶岩が焼き尽くしていく。ゴレイムたちは、ドワーフたちを逃がすために、自らの体を連ねることで溶岩に対する壁となった。命令されたからではない。自分たちの意思で、大切な友人たちのためにその身を捧げたのだ。この違いを、彼らが胸に宿した誇りを、理解してもらえるだろうか。
ファイアリザード アグマ ダイナソー C 定期的に繰り返される竜たちの襲撃に、ドワーフと巨人たちは、「ザ・ピーク」の領有を諦めるしかなかった。恐竜たちの棲む、下層周辺の密林へ居を移すこととなった。しかし、その中にゴレイムたちの姿はほとんどなかった。先の騒乱の英雄、アロンダイでさえ。  –『大公史』 公暦800年 「竜大戦記」第16節
「爆焔の竜巫女」ジェーン アグマ ヒューマノイド R 巫女と首魁の竜との関係は、個体によって差異がある。「アグマ」を襲った爆焔のドラゴンたちは、いわゆるスポーツ選手とセコンドの関係に近かった。爆焔の竜巫女が指示したのは、直接攻撃するよりも、効率的であると同時に容赦ない方法だった。まさにサイエンスを極めた戦術といえた。
「暴竜」グラン=レックス アグマ ダイナソー E 最初、ドワーフたちが逃げて来た時には、恐竜たちは受け入れを拒否し、むしろ攻撃的な姿勢すら見せていた。しかし、ドラゴンの脅威と、逃げ出してくるドワーフたちのあまりの数と惨状に、考えを改めることになる。
ドワーフ・ウォーハンマー部隊 アグマ ドワーフ R 自らが主役となったゴレイムたちの意欲はすさまじく、ドワーフたちとの好連携とも相まって、「アグマ」は最初のドラゴンの襲撃は跳ね返すことに成功した。しかし、それは威力偵察と呼ぶべきものでしかなく、本来の攻撃からは程遠いものだった。1か月後、訪れた第2波は、前回のものとはレベルが違う戦いとなった。「アグマ」攻略の首魁、爆焔のドラゴンが率いていたのだ。
「稲妻」マーガス アグマ ドワーフ L ドワーフを中心とした「アグマ」の住人と、恐竜たちの間で軍事同盟が成立した。恐竜たちを納得させるために、前条約よりもドワーフ側が大幅に譲歩した形の協定を結んだのだ。ドワーフたちには自分たちの立場以上に大切なことができたのだ。再び「ザ・ピーク」を取り戻し、工房と材料を取り戻し、身を挺して救ってくれた友人たちの息吹を取り戻さなくてはならないのだ。絶対に。   –『大公史』 公暦800年 「竜大戦記」第80節
プテラノックス アグマ ダイナソー C 純粋な戦闘力では到底ドラゴンたちに太刀打ちできないデミゴッドたちは、虜囚となり連れ去られていく。我慢ができず飛び出した翼竜は、爆焔のドラゴンの溶岩弾をまともにくらったが、デミゴッドへの忠誠心が肉体の限界を引き上げたのか耐えきってみせた。しかし、デミゴッドを連れ戻すことは叶わなかったのだった。
「爆焔公」マグマファング アグマ ドラゴン L 「アグマ」を襲ったドラゴンの首領は、巫女の助言を実行に移した。「ザ・ピーク」の火口に入り込み、死火山の溶岩を活性化させたのだ。勢いを取り戻した溶岩は、噴火まではいかなかったものの、山中の空洞に築かれた「アグマ」の市街に向かい流れ込んでいったのだ。  –『大公史』 公暦800年 「竜大戦記」第8節
「煌精」サンライト カナタナ ニンフ E 物理的な現象だけではなく、「エーテル」はミニオンの精神面にも影響を与えることがわかっている。きらびやかな光の性質が強ければ、その場のミニオンは晴れやかな気持ちになることが多い。だから物理的に変化を与える魔術だけではなく、気持ちをコントロールする呪文も存在できるのである。
「雲精」フィード カナタナ ニンフ C 「エーテル」と一口に言うが、場所に応じて力の性質は少しずつ違う。雨が降るのも、風が吹くのも、自然現象にはすべてエーテルが関与しているが、例えば雲の性質が強い地域は曇りやすく、雨が降りやすいことになるのだ。
カワウソ親父 カナタナ ガーディアン R 後世『竜大戦―ドラゴンズ・ストライク―』と呼ばれるそれは、ドラゴンたちによる6ヵ国同時一斉攻撃により始まった。実に2年にまたがるこの防衛戦は、戦闘能力の有無にかかわらず、すべてのミニオンたちが巻き込まれる凄惨なものであった。全国家が存亡にかかわるレベルの致命傷を負う戦いは、大公史前半における最大の悲劇であり、特別に別章を設けて深く語ることにしよう。   –『大公史』 公暦800年 「竜大戦記」第1節
ハンマー・ベア カナタナ ガーディアン C 翼なきミニオンは、砂漠に多く生息している。もちろん例外もあり、湿地帯を住処とする者も存在した。しかし、彼らの故郷はもうない。美しかった湖沼と草原は、度重なるドラゴンたちの攻撃によって焼き尽くされ、踏みにじられていた。
「雷鳴の竜巫女」セリカ カナタナ ヒューマノイド R 各国を襲撃するドラゴンたちは、大小あわせて数百ずつ。公爵と呼ばれるドラゴンたちと、それを補佐する巫女が、それぞれの軍を率いていた。
カンフー・モンク・モンキー カナタナ ガーディアン C 翼なきミニオンたちは接近戦が得意なものが多い。彼らが砂漠の島を好むのは、高空に浮かんでいることから砂嵐の発生頻度が多く、視界が遮られることで遠距離からの攻撃がやりづらいという理由もあるようだ。ドラゴンたちとの防衛戦の舞台として、砂漠を選んだ理由のひとつである。
「剛腕無敵の将」チョウヒ カナタナ アヴィアン L 「各国単独で竜たちにあたるのは得策ではない。各国を防衛する軍とは別に、こちらからも攻撃するための軍を6カ国総出で編成し、協力してドラゴンの軍を各個撃破すべし」という無敵の将軍の提案には全員が首肯した。が、続く提案が大きな議論を呼ぶことになる。「トライエアーズ」3島のうち、砂漠以外のふたつの島を放棄するというのだ。翼を持つ「カナタナ」のミニオン総出で、他国を廻り、攻撃軍を編成する。そのためには3島維持にこだわるのは捨て、戦力を集中し守るべきだと。   –『大公史』 公暦800年 「竜大戦記」第50節
天翼ミルキー カナタナ エンジェル R ドラゴンの襲撃は定期的なものではなく、ゆえにいつ来るかの予想を難しくする。常にドラゴンの影におびえながら、「ポセイド」との連絡役として「ペンタゴナ」に飛来した天使は、そこで衝撃的な光景を目撃する。ちょうど「ペンタゴナ」にさしかかったとき、運悪く出陣してきたばかりのドラゴンの軍勢に出くわしてしまった。中央には首魁と見える青いドラゴンが。絶体絶命の状況に悲鳴を発したその時、地上から発せられた深紅の爆光に貫かれ、首魁のドラゴンが瞬時に蒸発したのだ。
「鬼武者」リュウドウ カナタナ ガーディアン E 砂漠の島も無傷とはいえなかった。特に、水場でありミニオンたちが集まるオアシスは狙われた。しかし、「鬼武者」を自称するミニオンが守るオアシスだけは難攻不落であり、おかげで「カナタナ」の国家機能は最小限ながらも維持することができていたのだ。    –『大公史』 公暦800年 「竜大戦記」第59節
「雷鳴公」デンサイ カナタナ ドラゴン L 雷鳴のドラゴンは、思うままに「トライエアーズ」を蹂躙した。3つある島のうち、まともな抵抗を見せるのは、ひとつだけである。国などというものに縛られるミニオンたちの、なんと非力なことか。現に、翼を持たず空を翔ることすらできないものがほとんどだ。彼は、ふた月に一度ほどやって来ては、上空から地べたを這いずるものたちをいたぶって存分に楽しんでいた。
「樹精」グリーフィ デメテー ニンフ E 冥府に降りたエルフたちは、みな「加護」を受けた状態で潜入した。冥府を住処とするデーモンたちや、スケルトンをはじめとするアンデッドでない限り、冥府の瘴気にまともにさらされ続けるのは危険である。森のニンフたちのもつエーテルの力が必要だった。
「種精」ピットボック デメテー ニンフ C 「エーテル」と「ミニオン」の間をいったりきたりできるニンフは、自らを「エーテル」に戻し、主にミニオンの精神を高揚させ、肉体を活性化させ、いわゆる「ゾーン」に入った状態となる。これを「加護」と呼ぶ。面倒な手続きは必要とせず、お互いが受け入れれば簡単にミニオンの手助けができるのだ。
ツパ=チョカ デメテー ビースト R 食べきれないごちそうがあるとき、後で食べようと各所に隠す習性を持つミニオンたちがいた。しかも彼らは隠し場所を忘れてしまうのである。だから、ごちそうがあると、本当はたっぷり在庫があるのに、再び隠してしまう。彼らの作った天然の食糧庫が各地で発見されることで、「デメテー」の食糧難がある程度解消されることになる。食いしん坊、万歳。
トゥハンサピ デメテー ビースト C 「竜大戦」により「デメテー」が直面したのは、ドラゴンの脅威だけではなく、食糧難であった。結界によって穏やかな気候を手に入れた森は、その恵みも豊潤だったのだ。本来の気候もそれほど厳しい地方ではなかったが、ドラゴンの襲撃もあり、結界下のそれとは程遠い。特に体の大きなミニオンたちは、その影響をもろに受けることになったのだった。
「太陽の竜巫女」クロエ デメテー ヒューマノイド R 「デメテー」の被害が最も少なく、「竜大戦」半ばにさしかかっても国家の形態をほぼ維持できたのは、様々な要因が重なったゆえのことだった。開戦直後に、軍師たるべき巫女を失ったのも、その要因のひとつといえよう。森とは反対方向から飛来した矢によって、一撃で射落とされたのだ。   –『大公史』 公暦800年 「竜大戦記」第87節
モルフェオ「パピリオ」 デメテー モルフェオ E 3ヵ国連合軍に参加しなかったことで、「デメテー」は戦力的に最も余剰がある状態であった。ドラゴンの襲撃に際して反発力があったのも予想されたことだった。ただ、余剰の中の余剰ともいえる戦力外とされていた種族の者たちが作った「森の水やり部隊」と称する意味不明の一団が、結果的に火事を防ぎ、森とそれを満たすエーテルたちに活力をもたらし、結果、戦う者たちを下支えすることになろうとは予想外であった。いやあ、本人たちもわかってないし。
「影疾走」バヤガン デメテー ビースト R デミゴッドによって、ニンフたちが隔離され認識されるようになる前から、森にすむ者たちは、ある意味エーテルの力を感じていた者たちでもあった。ゆえに、ニンフたちの与える「加護」とは高い親和性をもっていたのだ。
「風の乗り手」シルヴィー デメテー エルフ L エルフの選抜部隊が、森を後にし、「タナトス」へと向かう。冥府に幽閉されているデミゴッドたちを解放するため交渉を重ねていたが埒が明かず、ついに実力行使にでることにしたのだ。出発直後、森にドラゴンたちの出現を確認したが、ユグドラウォーカーを取り戻すためには構っている余裕はない。1矢だけ、「風の乗り手」が放った矢が何者かを捕えた手ごたえはあったが、彼らは振り向かず、その場を後にした。結果的に、この1矢が森を救うほどの多大な戦果をあげていようとは、想像もしていなかった。
アジャクツォーク デメテー ツリーフォーク C 天然という言葉がある。人工と対比し、自然にできたものを指すほかに、天真爛漫な、ある意味何も考えていないと思われる言動をする者たちを、やや揶揄も含んで指す言葉である。今回の「竜大戦」において、これまでどちらかというと疎ましいと思われていた「天然モノ」のミニオンたちが、難局を乗り切るのに、計算外の活躍をはたす。ツォークたちが先導するすべてを許容する大らかさが、森を救ったといえるかもしれない。
「太陽公」ハトト=ラキア デメテー ドラゴン L 「麗の森」を守る結界。普通に攻撃したのでは、ドラゴンですら苦戦することは必至。しかし、「デメテー」攻略を率いるドラゴンは、自らの力を攻撃ではなく、結界を司る長である「千年杉」の活力奪取に使用した。「千年杉」が疲労することで、結界は消失。ついに、「麗の森」は外敵の目にさらされたのである。   –『大公史』 公暦800年 「竜大戦記」第25節
「影精」プルシャ タナトス ニンフ E 「加護」を受けるのに手続きは不要だが、相性の問題がある。ニンフの持つ力に親和性の高い者でないと、適切な効果を受け取ることができない。精神や肉体を活性化させるだけではなく、「加護」によって特殊な力に目覚めることもあるが、そうした場合、より親密な相性を必要とすることが多い。
「沼精」ロッツ タナトス ニンフ C 冥府には「エーテル」が存在しない。ゆえにニンフも存在できない。「エーテル」のかわりに瘴気と呼ばれる別の力に満たされている。他のミニオンたちにはできないが、「タナトス」のデーモンたちは瘴気を練って、「マナ」を生み出す方法を知っている。
ミュルミュール タナトス モンスター R 冥府に入ったエルフたちは、さぞ驚いたことだろう。冥府の中は暗黒の空間というイメージが強いだろうが、ミュルミュールと呼ばれる光の妖精のようなものが無数に浮かんで行き交っているため、想像以上に明るく華やかなのだ。実はこの光は、地上にある生命とリンクしており同じ数存在している。光が消えると、地上の生命も同時に消える。寿命で消えることももちろんあるが、インプが適当に突いて消しても、リンクしている生命が消えてしまうのである。中には、突いた光が自分のもので、自爆したインプもいるという。
「さまよえる骨」リシャール タナトス スケルトン R 「タナトス」の下級兵士たちは悲惨である。完全に捨て駒の盾扱いにされたのだ。だがその中にも、最後まで戦場に残り、仲間のためにあえて戦う者もいた。自分よりも強いドラゴンに特攻し、相打ちを狙いに行く。冥府へ逃げる者たちのために、時間を稼ぐために。
アン・テ・ロウフェ タナトス デーモン C 実は、「タナトス」の者たちは他の国よりも強くデミゴッドを崇拝していた。正しくは、彼らの力の虜であったと言い換えてもいい。「タナトス」にやってきたデミゴッド、キスカがドラゴンによって連れ去られようとしたとき、反抗するのではなく、従者として同行を求めるものがいた。自分がいれば、キスカの力はより輝くと。それがなんと巫女に認められて、共にドラゴンの本拠地に連れていかれることになるのである。
「死滅の竜巫女」フランチェスカ タナトス ヒューマノイド R ほとんどの住民が冥府にもぐってしまい、完全に放棄されたかに見える「タナトス」。しかし、自由を謳歌するデーモンの貴族たちは、地上にとどまり続けていた。少数がゆえに潜伏し、適度に反撃してくる彼らはやっかいで、「タナトス」攻略軍のドラゴンたちは巫女の指示のもと「貴族狩り」を開始する。    –『大公史』 公暦800年 「竜大戦記」第47節
「暗黒騎士団隊長」イザーク タナトス スケルトン L 冥府に潜入したエルフたちによって、デミゴッドが解放された。とんでもない報告を受け、騎士団長は直ちに配下の者を招集、逃亡者たちの探索と追跡に乗り出そうとしたが、途中で探索を打ち切ってしまう。デミゴッドが解放されたのは口惜しいが、問題は彼の知らない進入路があったことである。それをドラゴンに突かれたらひとたまりもない。悔しさを脇に置き、防衛に専念する冷静な判断であった。
ザ・シング タナトス デーモン C 「タナトス」のデーモンたちに、普通の感覚を求めるのは無駄である。あまりにあっけなく、ドラゴン側に寝返り、味方だったはずの者たちに刃を向けるものが出てきた。何を考えて行動しているのか……見るからに、脳みそカラッポそうではあるが。
「暴食」ギュスターヴ タナトス デーモン E 「デメテー」と「タナトス」は本来最も仲の悪い関係のはずだが、ある貴族は「デメテー」にしかない果実を求めて、古くから密約を結んでいる間柄にあった。エルフの別動隊が、簡単に冥府に侵入でき、なおかつ自由に行動できたのも、その貴族のはからいがあったからだと噂される。
「死滅公」スカルボーン タナトス ドラゴン L もともと結束力とは無縁の国家が「タナトス」だ。ドラゴンの強力なブレスは、「タナトス」の支配階級のモラルをいともたやすく打ち砕いた。彼らは下級の兵士たちを盾に、さっさと冥府へと引きこもってしまったのだ。地上はたやすくドラゴンたちの手に落ちた。    –『大公史』 公暦800年 「竜大戦記」第41節
「波精」ヴルーヴェ ポセイド ニンフ E 6カ国で最初に「加護」を受け取ったのは、「ポセイド」のミニオンだった。エラーから手ほどきされて、びっくりどっきり加護を受けると、その効果に驚き、ついで大喜びしたという。囮役として飛び出す姿を見て、「ポセイド」のミニオンたちは「加護」のすごさを理解したという。
「泡精」バルボラ ポセイド ニンフ C ニンフたちは、デミゴッドによって意思と形を与えられた存在だ。実は、もともと6ヵ国にはニンフはいなかった。「竜大戦」前にやってきたデミゴッドたちによって、各国にもニンフが現れるようになったのだ。
ペンタゴナ音楽隊「見習組」 ポセイド アーティスト R ドラゴンによって、国が大ピンチである。だが、国以上に大切なものもあるのだ。「楽譜」である。ペンタゴナ音楽隊にとって、数百年伝えられてきた楽譜は、絶対に消失させるわけにはいかない。音楽隊には、様々な役目が割り振られた。見習組の役目は大量の写しを作り、存続の確率をあげることだった。
ポイズンガブ ポセイド シーワーム C 内海である「ペンタゴナ」は広い。そして深い。ドラゴンが攻撃を開始した当初、住人たちは脅威は感じつつ、いざとなったら海中に逃げればいいと高をくくっていた。事実、最初はそれでうまくいっていた。しかし、ドラゴンたちは恐るべき戦術を編み出して来たのだ。どのような魔法を使ったのかわからないが、水温を上昇させてきたのだ。それも一気に40度も。 –『大公史』 公暦800年 「竜大戦記」第36節
「顎砕の竜巫女」ソフィア ポセイド ヒューマノイド R 深紅の光に包まれて、彼女のドラゴンが消滅する。驚愕の後にやってきたのは、様々な疑問。誰が!? どうやって!? しかし、彼女にそれを追求している時間はなかった。パニックに陥りそうな軍をまとめ、ただちに帰投する。これ以上犠牲を出さないことと、総大将に危険を報告することが、優先すべきことだとわかっていたから。
バンド・オブ・ブラックスケイル ポセイド シーワーム C 1人のシーワームが囮を買って出た。目の前の少女に本当にドラゴンを討ち取る力があるかどうか、実のところ半信半疑だった。だが、もし本当なら、エラーの力を敵の参謀から隠しておきたい。竜巫女の気を引くのが、囮の役目だ。そのかいあってか、エラーの不意打ちは見事に成功する。その後、編成される「エラルダス」と呼ばれる対ドラゴンの精鋭軍においても、彼は常に勇敢な囮役として活躍していくのである。
「神餐の担い手」ジューリオ ポセイド マーフォーク L 「自分はマジックアイテムみたいなものだから、みんなで上手に使って。戦いの主役はわたしじゃなくて、みんななんだよ」その言葉の通り、エラーは対ドラゴン戦線の象徴であり中心ではあったが、指令をくだすことはなく、むしろ使われる側に徹していた。代わりに皆に指示を出したのは、マーフォークのリーダー格であったジューリオだった。
レインボージェリー ポセイド ビースト R 水温の急上昇は住処を奪われるだけではなく、様々な災害を引き起こしていった。プランクトンの大量発生により内海は赤く染まり、酸素不足で小魚は死滅。上昇気流発生による竜巻も頻繁に起こり、島々にも被害は及んだ。高水温にも比較的強いクラゲたちが、プランクトンだけでもなんとかしようと食べまくるが、当然それで事態が解決するわけもなかった。
「知の探究者」ダビド ポセイド シーワーム E 1人の少女が、一撃で軍の首魁とおぼしきドラゴンを粉砕した。初めて、完璧に、ドラゴンに一矢報いたのだ。「ポセイド」の智者が提案する。彼女を中心に軍を編成し、今度は逆にドラゴンの総大将を討ちにいくのだ。訪れていた「カナタナ」の天使が仲間の元へ飛ぶ。全世界に英雄の登場を知らせ、残った戦力を「ペンタゴナ」に集結させるため。ついに、反撃の時が来たのだ。  –『大公史』 公暦801年 「竜大戦記」第21節
「顎砕公」ゲレロフォン ポセイド ドラゴン L それは何度目の「ポセイド」襲撃だっただろうか。顎砕のドラゴンは得意の魔術により、海水温を上昇させ、じわじわといたぶるように「ポセイド」の国力をそいでいった。直接相手に対して力をふるうことだけが、戦いではないのだ。その出陣でも、同じくじわじわと苦しめるつもりでいたのだ。皮肉にも、彼が否定する暴力的な攻撃により、その思惑は中断されることになるのである。
「時精」クロノラ マキナス ニンフ E ニンフだけが持つ特殊な技能がある。「エーテル」としての自分の力を、他のミニオンに分け与えることができるのだ。その手段には、「加護」、「契約」、「同化」の3種類が存在する。
「雪精」ホワイトスノウ マキナス ニンフ C 希薄な存在である「エーテル」を練り合わせてできたのがニンフである。実は同じように「エーテル」を練り合わせてできるものがある。それが、魔術の元となる「マナ」だ。ニンフはマナを使用し、実体化の呪文によって誕生したものとも見えるかもしれない。実際にはより高度なものなのだが。
アイゼンクロコ マキナス ハンター R 「マキナス」の都市はドームによって覆われており、都市間の連絡にはトレーサーたちを用いている。寒冷地における効率的な運用に成功しているかに見えたが、今回はそれが仇になった。各都市の独立性が高すぎ、隣の都市がドラゴンに攻撃されていても気が付かず、連絡を取りにいって初めて全滅を知るというありさまだった。実に開戦当初から3か月もの間、被害の全容が知れなかったのは、初動のミスであり大失態であるといえた。  –『大公史』 公暦800年 「竜大戦記」第31節
R-A7 ラハルコフ マキナス ソルジャー C 「マキナス」の住人たちは、己の国を空ける決心をする。戦闘力が低い者たちは動力を切って冬眠に入り、戦える者たちは全世界を転戦し、各国の援軍となってドラゴンの脅威を退けるのだ。それは、悲壮な決意だった。   –『大公史』 公暦801年 「竜大戦記」第9節
「氷原の竜巫女」マチルダ マキナス ヒューマノイド R ドラゴン側は、手薄な状態にあるドームを狙ったように攻撃していった。「マキナス」では内通者を疑う者もいたが、実際にはドラゴンの巫女による、高度なリサーチ能力によるものだった。
殲滅試験型ロイド・アポステル マキナス アンドロイド L 敗戦に次ぐ敗戦の中、それでもドラゴンたちの戦闘データを集積し、1年をかけて強力なロイドを開発。あらゆる攻撃を無効化し、蓄積されたデータから導き出される戦闘パターンによって、どんなドラゴンでも駆逐できる……はずであった。戦果をあげたのはたったの1戦のみ。よもや九神龍にして、軍の総大将であるリジェネレイトが現れるとは計算外だったのだ。あらゆる魔術を駆使するリジェネレイトは、己の潜在力を一気に引き上げ、一撃で殲滅型ロイド・アポステルを鉄屑に変えてしまったのだ。  –『大公史』 公暦801年 「竜大戦記」第5節
R-A4 ヴォーギン マキナス ソルジャー C 「ザ・ピーク」を追い出されたドワーフたちは、周辺地域に住む恐竜たちと協力関係になれた。しかし、「マキナス」の住民たちは、周辺区域のものたちとうまく折り合うことができなかった。周辺地域から拒絶され、風雪地域を避けるとなると、場所は限られる。結果的に連絡が途絶されたミニオンたちもすべて、大集結を果たすことになるのである。  –『大公史』 公暦801年 「竜大戦記」第10節
狙撃型ロイド・イワン マキナス アンドロイド R 今回の「竜大戦」の責任は、自分たちが竜の聖地に侵入したことが原因だと、ロイドたちはわかっていた。窮地に陥ったことで、効率だけでは片づけられない生身のミニオンたちの感覚を体得しようとしていた。「罪をつぐなわねばならない」と。
カノーネン・ティーゲル マキナス ハンター E 「カナタナ」のアヴィアンたちからの連絡を受け、組織された精鋭部隊が竜殺しの英雄の元に向かった。「マキナス」から「エラルダス」に参加したのはほぼハントロイドたちのみで、「ワイルドランド」での活動にはロイドよりも彼らの方が向いていると判断したのだ。
「氷原公」フリーレン マキナス ドラゴン L ドームを破壊すれば、氷雪により勝手に都市機能はマヒしていく。開戦当初からドラゴン側はその事実を把握していたようで、都市内部は後回しに、ドラゴンたちは冷徹かつ徹底的にドームの機能を破壊していった。
「砂精」サンディー ワイルドランド ニンフ R エラーが結んだ「契約」は、女王が代表して、全ニンフの力を授けるという規格外のものだ。後にも先にも、これほどの「契約」が実行された例はない。エラーはこの時、自らの一部として、「女の子の一番大切なもの」を女王に差し出したとされている。
「空精」クリスカ ワイルドランド ニンフ E ニンフの女王「クリスカ」は振り返る。魔法戦士エラー、彼女と出会ったその時に、運命を感じたと。二人は早速契約を結ぶ。ドラゴンすらも制御する加護を与えるかわりに、3つの願いを聞いてもらうと。契約が結ばれたのが公暦797年。そして公暦800年、最初の願いが伝えられる。全世界のニンフに再び平安を、「竜大戦」を終わらせてほしいと。
「弓精」アキュレー ワイルドランド ニンフ C 「加護」の他にも、ニンフがミニオンに力を与える方法に、「契約」というものがある。お互いに自らの一部を交換し、力を共有化するのだ。「加護」とは違い、ニンフがその場にいなくとも、常に一体となることがメリットである。その代わり、ミニオンはニンフと何か約束をしなくてはならず、約束をたがえたら、この世界から消滅してしまうのだ。
「紅の鼠騎士」スカーレット ワイルドランド ラット C ニンフの女王「クリスカ」と自分の主人であるエラーを引き合わせたのは、故郷である魔術都市を復讐のドラゴンの魔の手から救うための措置だった。ぶっちゃけ、「ドラゴンの犠牲になったらゴメンね」ぐらいの気持ちでいた。それが結果的に、歴史上『最高傑作』と呼ばれる英雄を生むことにつながろうとは、彼自身想像もしていなかったことだろう。
グリーンミミック ワイルドランド モンスター R 6ヵ国に降臨したデミゴッドたちは、ドラゴンたちにより1人残らずドラゴンの聖地に連行されてきた。彼らは生きている箱の中に押し込まれ、その力を封印されてしまった。
ドラゴン・プリースト ワイルドランド ドラゴニュート C ドラゴンたちは、集結したドラゴンの聖地から、魔法動機「6色の道」を使って、各国へと直接ワープしてくる。空間に仮想の出入り口が開いており、帰りもそこを伝って一気に帰ってくるのだ。ドラゴンには魔法動機は使えないが、眷属のドラゴニュートには魔術に精通した神官がいるらしい。
グレー・ブロッブ ワイルドランド モンスター C ドラゴンの軍勢は確かにほどんどがドラゴンだが、それ以外にも重要な戦力となるミニオンたちも存在していた。特に「アグマ」と「マキナス」攻略において、構造物を破壊するのに最適だった者たちがいる。彼らは鉄でも岩でもへばりつき、溶解してしまうのだ。特に「マキナス」のドームの破壊に、彼らは不可欠だったといえる。
ドランゲール ワイルドランド ドラゴニュート R ドラゴンの眷属に、ドラゴニュートと呼ばれる竜人がいる。「竜大戦」ではドラゴンが苦手な陸上の狭い場所への攻撃要員として同行している。主にドラゴンにまたがる形で乗っているが、彼らは操っているわけではない。本物の竜騎士はごくわずかで、彼らは乗せていただいているのである。竜がキレるので、勘違いしないように。
スレイビートル ワイルドランド モンスター R ドラゴンの包囲を受けて以降、魔術都市では防衛手段の研究が始まっていた。自分の周囲に、城砦の強度をあげてくれる音波を出す虫がいることなどが発見されている。この虫は養殖され、後に「マキナス」に輸出されることになる。
スティール・センチピード ワイルドランド モンスター E 実はエラーについていこうとしたミニオンはそこそこにいたのである。彼女には共に歩みたくなるカリスマのようなものが備わっていたのかもしれない。それはムシとて例外ではない。しかし、残念なことにエラーには無視された。ムシだけに。
オブシディアン・ドラゴン ワイルドランド ドラゴン C 招集を受けたドラゴンたちは、かなりの興奮状態だったことだろう。戦いへの高揚感はもちろんだが、これだけのドラゴンが一堂に会するのは、初めての出来事なのだ。当然、下っ端のドラゴンたちは、九神龍の姿を生で見るのも初めてのことだったのだ。   –『大公史』 公暦800年 「竜大戦記」第3節
密林王ブラックサーベルジャガー ワイルドランド ビースト L 英雄エラーの出身は魔術都市であることは判明しているが、「ポセイド」まで至った足取りは定かではない。ただ、ニンフの女王と友人であり、常に行動を共にしていたジャガーの王が、彼だけの知る道を案内してきたのではないかと推測されている。   –『大公史』 公暦801年 「竜大戦記」第19節
ゴブリン・アサシン ワイルドランド ゴブリン C エルフの大切にしているユグドラウォーカーを、こっそり暗殺してしまおうと考え、楽園に潜入をこころみた。しかし、彼の暗殺術がまったく効かないミニオンに邪魔され、追い出されてしまった。仕方ないので、暗殺対象をエルフたち本人に切り替えることにした。
モノアイドラゴン ワイルドランド ドラゴン R ニンフもそうだが、一口でドラゴンと言い表してしまうが、姿形や能力はもちろん、生態もけっこうな差がある。例えば一つ目のドラゴンなどは、胃袋が異空間とつながっており、獲物を丸のみして、異空間で消化する。口に入るものなら何でも食べてしまう悪食だ。ちなみに高次のドラゴンは食事をとらない。エーテルを直に摂取する。食事だけみても大違いなのだ。
「英雄」エラー・ド・ネジェル ワイルドランド ヒューマノイド L 有名なエピソードがある。ある日、友人に言われたそうだ。「自分たちの国では、君の名前は『失敗作』という意味になる」と。それに対する答えはこうだった。「君の国の言語学者は気の毒だね。国中の辞書を書き換えないといけないなんて」。ご存じの通り、エラーとは『時代の象徴』『最高傑作』を意味し、失敗作の方は別の綴りである。伝説の通り、辞書の書き換えがあったのかどうかは定かではない。
ブラック・フレイム ワイルドランド ビースト E 「ワイルドランド」の楽園は、平和の愛好者が多く、戦いを好まない。しかし、外敵が侵入してこないとも限らない。そういう不届き者を不死身の体を駆使して、こっそりと外に連れ出すのを役割としているミニオンがいる。損な役目に思えるが、楽園のみんなが喜んでくれるので、やりがいを感じているようだ。
暴風竜ストームギラ ワイルドランド ドラゴン R 「竜大戦」の総大将はリジェネレイトであり、戦力のほとんどは彼の配下だが、別の眷属からも参加しているものもいる。例えば暴風竜のケツモチはアラバスターである。災厄竜の騒動でやられたドラゴンはアラバスターの眷属であり、それに連なる者が積極的に参加していたのだ。
ギリーボア ワイルドランド ビースト R 6ヵ国はドラゴンによる血の惨劇が繰り返されていたが、それに反して、「ワイルドランド」はいつもより平和だった。なにしろ、やっかいもののドラゴンたちが出払っていたのだから。
「二艘槍」ハーゲン ワイルドランド セントール E ドラゴンたちの横暴を快く思わない者は、「ワイルドランド」にも多かった。彼らはニンフからエラーの存在を聞いており、密かに準備を整えていた。彼女が対ドラゴン戦を始めた時、その手助けができるようにと。
咆竜ブラスティオス ワイルドランド ドラゴン C 「竜大戦」はその規模ゆえに、ほとんどのドラゴンが参加したかのように思われがちだが、実際に戦場に出たのは、全ドラゴンの1割に満たない。であるにもかかわらずこれだけの惨禍を起こせるのだから、彼らの恐ろしさも知れようものだ。
「悪夢」ハイドラ ワイルドランド ドラゴン E 顎砕のドラゴンを失ったあと、「ポセイド」攻略軍は総大将直属の本部預かりとなった。「悪夢」の通称をもつハイドラは、攻略軍首魁の後釜を狙っていたが、格上げされなかった。暴れにいけないこともあり、不満が胸の奥にわだかまってくすぶり続けることになる。
九神龍「天」リジェネレイト ワイルドランド ドラゴン L 「竜大戦」の首謀者であり、総大将は「ワイルドランド」最強のドラゴンである九神龍の1人、リジェネレイトであった。災厄竜の大騒ぎまでなら大目に見てもよかったが、ドラゴンの聖地は彼の領域であり、それを無断で踏みにじるのは言語道断。今回の戦は、6ヵ国すべてが滅びるまで、やめるつもりはなかったのだ。
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「紅玉精」ルビニア アグマ ニンフ E 「同化」とは、その名の通りミニオンと一体となることを指す。同化を為したら、ニンフはその存在が失われる。また、同化されたミニオンも元の姿を失い、より高次の聖なる存在へと「変形」を果たすのだ。
「鉄精」アイロナ アグマ ニンフ R ニンフたちが与える加護は、それほど積極的な意思がなくても施されることが多い。割と気軽だ。だが契約となると話は違う。お互いの存在を分かちあうほどの信頼感がなければ成立することはない。「同化」となれば、それ以上だ。
ロックインプ アグマ モンスター C 「ザ・ピーク」はドラゴンに占拠されたが、監視の目がすべてに行き届いていたわけではない。岩場に張り付き、ドラゴンたちを観察し続けた者たちのおかげで、ドラゴンの襲撃時期が予測でき、大反撃のタイミングを伺うことができたのだ。
ゴレイム「タイプ:ルーラー」 アグマ ゴレイム C 「ザ・ピーク」を取り戻したドワーフたちは、自分たちの住居よりも先に、工房の修復に着手。昼夜を問わぬ働きで、たった1週間で再稼働までこぎつけたのだ。工房から最初のゴレイムが生まれた時の歓声と「赤天」での勝利の歓声、どちらが大きかったか当てられる者はいるだろうか?
ドワーフの銃士 アグマ ドワーフ C 尊敬すべきデミゴッド、アンジュと「マキナス」の増援が到着したことで、残された「アグマ」の住人たちは命を捨てる決意をする。空が血で染まるほどの激戦から、後に「血天」とも「赤天」とも呼ばれる戦いにおいて、無謀とも思えるその勇気が勝利を呼び込むことになるのである。
噴煙竜ボルカルム アグマ ドラゴン E 対ドラゴン戦の初勝利として「クアラマルタ会戦」は有名であるが、実は2か月後に行われた「赤天の戦い」と呼ばれる対「アグマ」戦の方が受けた被害は大きかった。首魁の爆焔公、竜巫女とともに全兵力の6割を失うという記録的な大惨敗だったのだ。
ラヴァ・スライム アグマ モンスター R 「赤天の戦い」によって、「アグマ」攻略部隊は壊滅。以降、この地がドラゴンの襲撃を受けることはなくなった。彼らは安全地帯としての国土を他国に解放し、対ドラゴン戦線の本拠地として補給、救護、休息に尽力するのである。  –『大公史』 公暦801年 「竜大戦記」第60節
「爆焔の竜騎士」シエンナ アグマ ヒューマノイド L 「デメテー」に向かう予定だった竜騎士たちに「アグマ」攻略部隊からの救援要請が届く。そこで彼らの下した決断は、要請は無視し、「アグマ」に戦力を裂いて手薄なはずの「デメテー」を今のうちに叩くことだった。しかし、その目論見は、新たに加わった「ポセイド」の戦力によって未遂に終わるのである。
「豪竜」フレイザウラー アグマ ダイナソー L デミゴッドへの思いは、ドワーフよりも恐竜たちの方が深く強かった。「アグマ」で「同化」を果たしたのは1体の恐竜であり、その戦う様はまさに鬼神がごとき。1体で相手戦力の1割を消滅させ、さらには赤く「同化」したアンジュと共に爆焔公を討ち取ってみせたのだ。
溶岩竜ドラフレア アグマ ドラゴン R 「アグマ」攻略部隊のドラゴンたちにとって、予期せぬ事態だった。「ザ・ピーク」の全容をほぼ手中に収め、あとはゆっくりと広大な密林を攻略すればよいだけのはずだった。なのに、「デメテー」で目撃されていたはずのデミゴッドと「マキナス」の部隊が、「アグマ」の残存戦力とともに待ち構えていたのだ。  –『大公史』 公暦801年 「竜大戦記」第57節
「松精」オミツ カナタナ ニンフ R 同化することで実行される聖なる存在への変形。とてつもない力を得るかわりに、その代償も大きい。ニンフは自らの本質であるエーテルをすべて注ぎ込むことで消滅してしまう。変形したミニオンとて例外ではない。同化を繰り返すうちに、元に戻れなくなり、この次元の存在ではなくなってしまうのだ。
「微風精」ブリーズ カナタナ ニンフ E 同化を繰り返したミニオンは、いつかこの世の存在ではなくなる。完全に聖なる者となり、つまりこの世界から消えてしまうのだ。この現象を天昇と呼ぶが、天昇した者が消えたあとどうなっているのかは定かではない。なにしろこの世で確認することはできないのだから。
カラス・コテング カナタナ アヴィアン C 子犬や子猫、子供の動物は保護欲をそそるように作られており、誰もがかわいい、もしくはおいしそうという感想を抱くようにできている。だが、散歩している小さな犬を見て、子供だと思ったら立派な成ミニオンだったという経験は誰しもあるはずだ。なんてかわいい、と思っても実はおっさんなのだ。「カナタナ」には「コテングされた」という言い回しがある。意味はもうおわかりだろう。
ブルーナイトオウル カナタナ ウイング C 「竜大戦」により、各国が負った傷はあまりに深かった。その代わり、かつてないような協力体制も見られた。「エラルダス」などはその象徴だ。その「エラルダス」に参加した者を中心に新たな主張が始まる。果たして、6ヵ国の国境は必要なのか? 大きく広がっていくこの思想が、次の争いを萌芽させることになるとは、この時は誰も気が付いていない。  –『大公史』 公暦802年 第1節
特攻ツバメ カナタナ ウイング C 小さなツバメたちが世界各地を廻り、「竜大戦」の終結と勝利を知らせてまわった。情報が世界中を駆け巡るのに要した時間はたったの3日。歓喜と興奮に、ツバメたちは疲労を忘れ、飛び回ったようだ。
堅甲竜シェルトドス カナタナ ドラゴン R 「竜大戦」終結後、敗北し行き場をなくしたドラゴンたちは「カナタナ」預かりとなった。当初こそ軋轢があったようだが、「カナタナ」住人たちの懐の深さと、過去を顧みない姿勢に徐々に感化され、次第に「カナタナ」の一員として溶け込んでいったようだ。
「雷鳴の竜騎士」ルシア カナタナ ヒューマノイド L 竜騎士のほとんどが命を落とす中、たった一人だけ生き残り、降伏を宣言した者がいた。「ワイルドランド」のドラゴンたちの中では、未だに臆病者として記憶されているが、この宣言のおかげでドラゴンたちは全滅を免れ、多くの命が助かったのも事実だった。
空鯨竜スカイエール カナタナ ドラゴン E リジェネレイト敗亡の報をドラゴン側で最初に知ったのは、「カナタナ」攻略部隊のドラゴンたちだった。自分たちの進退はもちろん、「ワイルドランド」を離れていたすべてのドラゴンたちに招集をかけたのも彼らだった。  –『大公史』 公暦801年 「竜大戦記」第109節
「天虎」センシュウ カナタナ ビースト L 「竜大戦」の終結をどこに置くかというのは、歴史家の間で意見が割れるところだ。最も一般的な見解としては、センシュウによって捕縛された最後の竜騎士による降伏の宣言がなされたときとされている。本書の「竜大戦記」も、これをもって閉じることとしよう。  –『大公史』 公暦801年 「竜大戦記」 了
デュアルイーグル カナタナ ウイング R エラーがリジェネレイトを倒した事実が、6ヵ国の中で最初に伝わったのは「カナタナ」だった。「エラルダス」と6ヵ国をつなぐ伝令役のミニオンが、「カナタナ」出身だったためだ。   –『大公史』 公暦801年 「竜大戦記」第101節
「苔精」チャッチャラクー デメテー ニンフ R 同化の存在を世に知らしめたのは、デミゴッドであるアンジュだった。彼女は契約だけでは自分の力は不十分と判断し、ニンフたちに同化を願い出たのだ。自身の消滅と、アンジュの天昇、両方の観点から戸惑うニンフたちだったが、聞き入れないわけにはいかなかった。お願い、お願いと、あまりにしつこくて……。
「泉精」ファウ デメテー ニンフ E なし崩しというのをご存じだろうか? 一度許可を出してしまうと、次からの許可はハードルが下がる現象のことだ。同化したミニオンが増えていったのは、つまりそういうことだ。世の中で最も危険な言葉「まあ、いっか」。実に恐ろしい。
スロース・キーパー デメテー トライブ R 「クアラマルタ」での戦いに毎回参加する戦士の中に、恐ろしく動きが鈍い者がいる。不思議なことに、彼を目にした者の動きも鈍くなるのだ。敵の主力となるドラゴニュートたちが、特にこの罠にひっかかっていた。メカニズムは不明である。えらく気の長いツッコミ待ちだろうか。 
エルフ・シャーマン デメテー エルフ C 冥府に捕えられていたデミゴッドの解放には成功した。約束を果たしたというのに、ユグドラウォーカーの待つ楽園にすぐに向かうことはできなかった。デミゴッドの1人がこの地で戦うことを選択したのだ。
ルサロ・ヤカール デメテー ビースト C 大戦中、「森の水やり部隊」が窮地に陥ったことがあった。以降、彼女らに専属の護衛がつくことになった。非常に優秀な戦士で、彼が戦場に出ていれば救われた命もあったことだろう。こんなところにも、「デメテー」の平等主義の闇が垣間見える。超もったいない。
「太陽の竜騎士」オリヴィア デメテー ヒューマノイド L 「クアラマルタ」の敗北は、ドラゴンたちにとってよほどの屈辱だったのかもしれない。その後、「デメテー」には新戦力である竜騎士たちを織り交ぜての攻撃が繰り返されることになった。しかし、その後すべての戦闘において、6ヵ国がこれの撃退に成功するのである。「クアラマルタ」が「ドラゴンの鬼門」と呼ばれるようになるのは、この頃からである。
ラクンラップ デメテー ビースト C 愛らしい見た目は、攻撃性を沈め内に秘める保護欲を高めるものである。が、例外も存在する。かわいいを突き抜けて、なんかムカつく。自覚があるのかないのか挑発が実に巧みで、ドラゴンたちはこいつらにムカついて「デメテー」に固執していたに違いない。たぶん、ぜったい。
大蔦竜アイヴィーン デメテー ドラゴン E ドラゴンの遠征軍にとって、竜巫女の存在がいかに大切であったのか、「デメテー」への数々の攻撃失敗を見ると明らかなようだ。竜騎士によって戦力的には増強されていたのに敗北を重ねたのは、せっかくの竜の能力を生かしきれない軍略不足と言わざるを得なかったのだから。
「森獣」ガウディン デメテー ビースト L 6ヵ国の中で最初に「同化」を果たしたのは、黒き獣だった。最初の一戦こそデミゴッドの傍らで戦ったのだが、自らの特性を理解した彼は単身エラーの後をおいかけ、「エラルダス」の中核として、天昇を果たすまで、戦い続けたという。
花鳥竜プラクーリ デメテー ドラゴン R 801年半ば、「クアラマルタの会戦」と呼ばれるデメテー国境域の戦いが分水嶺となった。デミゴッド、アンジュを中心に「デメテー」、「カナタナ」、「マキナス」のミニオンたちで構成された軍が、初めてドラゴンの軍を打ち破ってみせたのだ。エラーの攻撃が不意打ちとするなら、がっぷり四つに組んだ上での初勝利だったのだ。 –『大公史』 公暦801年 「竜大戦記」第46節
「反響精」エコー タナトス ニンフ R 同化の限界を迎えると、ミニオンはうっすらと輝きながら、固体であるはずの肉体が気体になったかのごとく薄らいでいき、やがて消えてしまう。天昇は悲しい現象であるがゆえに美しい。
「霧精」ロゼ タナトス ニンフ E 「6使徒」の中で最初に天昇したのは炎の恐竜で、最後まで残ったのは闇の狼だった。特に同化した回数に違いがあったとは思えず、いつ、どうして天昇してしまうのかは、いまだに謎のままである。
ドゥーズアイ タナトス モンスター R 冥府とは死者のいくべき場所である。「タナトス」の支配階級と、冥府の支配階級の一部がかぶっていることで、この国では死と生の境目があいまいで行き来ができてしまう。勝手に出入りされると困るので監視役が存在するが、最近はその網が緩くなってしまったようだ。ドラゴンの熱気で目がかわいちゃって。
棍棒スケルトン タナトス スケルトン C 自分勝手な「タナトス」住人たちは、たとえ助けられても感謝もしないのではないかと思われたが、意外なほどの感謝と歓迎を受ける。あくまで腐っているのは「タナトス」上層部の連中であり、パンデミックの犠牲となった者たちなどはむしろ助けを求めていたのだ。
タブーマン タナトス モンスター C 「タナトス」の住人が冥府に逃げ込んだことで、冥府と地上世界との行き来がこれまでより容易になった。おかげで、元々冥府の住人だったものが「タナトス」を闊歩する逆転現象も起きたのだ。ドラゴンの脅威も死者である冥府の者にすれば再び冥府に帰るだけであり、恐怖とも無縁だったのだ。
「死滅の竜騎士」ドロシー タナトス ヒューマノイド L 竜騎士の中に、実は一人だけ裏切り者が潜んでいた。リジェネレイトと敵対関係にある別の九神龍の配下の者で、今回の戦を敗戦に導くように画策することを求められていたのだ。しかし、策を弄す前にアンジュの登場によりその竜騎士自身が討たれてしまうことになる。
黒鎧竜オブシロン タナトス ドラゴン R 住人たちが冥府へ逃げ込んだことはドラゴン側も認識しており、何度か潜入が試みられてはいたが、どれも失敗に終わっている。どうしても入りたいなら、死ねば簡単に入ることができるが……出てこれないけど。
スカルプテラ タナトス スケルトン C アンジュとそれに同行する「マキナス」の戦士たちの援護を受け、勇気づけられた住人の空中特攻により、「タナトス」攻略部隊の竜巫女が討ち取られた。「デメテー」の例が示す通り、竜巫女を失ったドラゴンたちは本領を失う。この1戦を痛み分けとして以降、攻略部隊が「タナトス」にかけていた圧力は失われたのだった。  –『大公史』 公暦801年 「竜大戦記」第77節
魔石竜マジカロス タナトス ドラゴン E 「赤天の戦い」の次にアンジュたちが向かったのは、6ヵ国同盟からの離脱すら宣言していた「タナトス」だった。例えば、最初から自国よりも世界情勢を優先していた「カナタナ」などに比べて、先に「タナトス」を選んだのは意外な選択に思えたかもしれない。  –『大公史』 公暦801年 「竜大戦記」第61節
「闇炎狼」アンフェール タナトス モンスター L 魔界の狼は、アンジュに心酔し「同化」の方法をものにした。つまはじきものだった自分たちに慈悲を向けてくれた恩を忘れずに戦い続け、「アンジュの6使徒」の中で大戦後も長きにわたり生存した唯一の存在となった。「アンジュ」の名と彼女の功績が忘れられずにすんだのは、彼の尽力によるところが大きい。
「珊瑚精」コラリーノ ポセイド ニンフ E アンジュの「変形」は、同化したニンフの特性にあわせてその姿も変わる。そのため、デミゴッドとしての名である『憧れる者』の他に、「七色の天女」の名で呼ばれることも多かった。
「雨精」レインディ ポセイド ニンフ R 本来、同化はたいへんなことなので、相性のよいミニオンとニンフの間でしか達成できない。ところが、アンジュだけは特別だった。デミゴッドだったからなのか、彼女はあらゆるニンフと同化が可能だったのだ。
マーフォーク探検隊員 ポセイド マーフォーク C 未踏の地を探検するにあたって、最も大切なものは何か? それは何物をも恐れない勇気と行動力と好奇心である。だが、もうひとつ大切な「慎重さ」を忘れていたため、好奇心に負けたある隊員がトンボの住処をつつき、「エラルダス」を窮地に陥れることになるのである。
マーフォーク・ウェイトレス ポセイド マーフォーク C 世界中の非戦闘員がエラー派とアンジュ派に分かれて大騒ぎしているようで、多くの女性ミニオンの反感を買っていたが、どっしりと構えて気にしない者もいる。確かに彼女たちには華があるが、自分には両手いっぱいのお酒がある。結局ここに帰ってくるのはわかっているし。
ゴールドマンボウ ポセイド モンスター C 海水温の上昇もおさまり、ドラゴンの襲撃も以前ほどの激しさではなくなった。多くの戦士がエラーについてったので、海路もすいている。気が緩むのも最もとはいえ、まさか哨戒中に居眠りする者がいるとは……どんなにゆらゆらしてても、ゆらゆらゆらゆらしてても、ゆらゆらゆらゆらゆらゆら……眠いね、これは。
深海竜ブライトヘッド ポセイド ドラゴン E エラーによって首魁を抹殺された「ポセイド」攻略部隊だったが、遠征が打ち切られることはなかった。ただ、その性格が変化した感は否めず、「ペンタゴナ」に浮かぶ島々を本気で潰すというよりも、首魁を打ち砕いた相手と、その行方を捜索しているようにも感じられた。
「顎砕の竜騎士」セリーヌ ポセイド ヒューマノイド L 「エラルダス」を窮地に陥れたのは、ある竜騎士による判断だった。遠征に行かず、ドラゴンの聖地の近辺に潜み、やってきた6ヵ国の軍を総大将の本隊と挟み撃ちにする。首魁を失い統率力を失った「ポセイド」攻略部隊を丸め込み、実行した作戦だった。
タイガーシャーク ポセイド ビースト C 自分たちがドラゴンの総大将に勝てないことは承知していた。エラーをリジェネレイトの元に送り届ける。「エラルダス」たちはそのためだけに、繰り出されるドラゴンたちの猛撃に対し、次々とその体を投げ出していった。エラーの姿を隠し、彼女の力を信じて。 
大海竜シーサンダー ポセイド ドラゴン R ドラゴンの聖地で始まった、リジェネレイト本隊と「エラルダス」による決戦。リジェネレイトを発見し次第エラーの魔術を炸裂させる短期戦を目指していたが、それを阻んだのは別動隊として潜んでいた青いドラゴンたちの一隊だった。  –『大公史』 公暦801年 「竜大戦記」第88節
「波鯱」オルカ ポセイド ビースト L エラーを信奉する者がほとんどだった「ポセイド」にも、アンジュの薫陶を受ける者がいた。彼はアンジュと反対の動きを頼まれており、アンジュが行動することで、手薄になった陣営の穴埋めのため尽力していた。非常に地味な役回りながら、自分の留守を任せる者としてアンジュからの信頼は最も高かったのかもしれない。
「人鳥精」ペン マキナス ニンフ R 同化は、受ける側のミニオンにほんのわずかにでも同化に対する畏れや疑問があるとうまくいかないのだ。そして大抵の場合失敗する。ほとんどはミニオン側の問題だが、中には同化向きではないニンフもいる。疑問を抱かせやすい外見をしているというか、言動をしているというか、なんというか。
「凍精」フロンネル マキナス ニンフ E ついにその時がやって来た時、勝利にわく戦場が一瞬にして静まり返った。アームズの姿をしたアンジュが、わずかに発光しながら消えていく。その場の全ミニオンが、彼女に感謝の祈りを捧げたのである。「エイセヴァイス」の氷原は、「竜大戦」終結の地であるとともに、アンジュの安息の地として長く記録されることになった。  –『大公史』 公暦801年 「竜大戦記」第124節
スカイ・スクイード マキナス ウイング C 「マキナス」の中央部に広がる「エイセヴァイス」の氷原にて展開された最終決戦は、6ヵ国に残存したドラゴンたちの生存権をかけた戦いであった。エラーとアンジュ、二人の英雄の共闘が実現した唯一の戦いでもあった。   –『大公史』 公暦801年 「竜大戦記」第113節
工兵型ロイド・パーヴェル マキナス アンドロイド C ほとんどが他国への援軍に回っていた「マキナス」の中で、例外的に工兵部隊だけが残っていた。破壊された無人の街を修復し、終わったら次の街を修復しに向かう。本来は戦後復興を即座に行うための処置だったが、直した街のおかげでドラゴンたちは壊す街に困らず、足止めされることになったのだった。  –『大公史』 公暦801年 「竜大戦記」第33節
白機竜リングヘッド マキナス ドラゴン R エラーによってリジェネレイトが討たれたことで、「6色の道」を失うことになった。6ヵ国に取り残されたドラゴンたちは、「マキナス」の地に集結し、最後の決戦に臨んだのだった
シュツルム・ファルケ マキナス ウイング C 「エラルダス」に国境はない。中には「マキナス」の戦士の姿もあった。彼の役割は特別重要だった。なぜなら彼は元「ワイルドランド攻略部隊」のメンバーで、ドラゴンの聖地の場所を知る数少ない生き残りだったからだ。
「氷原の竜騎士」ジョリー マキナス ヒューマノイド L 竜騎士たちが本領を発揮したのは、「マキナス」における最終決戦のときだったかもしれない。同化したグリフォンとオルカを、天昇させることなく討ち取ったのだ。だが、その活躍も遅きに失したといえよう。局面の勝利は得ても、敗北は確定的だったのだから。
氷柱竜アイザルフ マキナス ドラゴン E 「マキナス」の戦力は、自分の国土をほぼ放棄していた。しかし、「マキナス」攻略部隊のドラゴンたちは、この地に固執し、無人の都市への攻撃をやめなかった。ドームを壊すのが、よっぽど楽しかったに違いない。間違いない。
シュネル・アードラー マキナス ウイング R ドラゴンたちとの戦いにおいて、最も激戦を重ねたのは、「マキナス」の戦士たちであった。彼らはデミゴッドであるアンジュの親衛隊がごとく彼女の赴く戦場すべてについていき、命を散らしていったのだ。
「凍械獣」グリフォン マキナス ウイング L 常にアンジュの傍らにあり、護衛役として、時には参謀として常に行動を共にするミニオンがいた。彼の望みは大戦に勝利し、アンジュと共に天昇を果たすことにあったがその望みは叶わなかった。アンジュへの背後からの攻撃を身を呈して防ぎ、天昇前に散ってしまったからだ。当初の望みとは違ったが、アンジュの身代わりとなれたのなら、きっと満足だったに違いない。
「花精」フィオレ ワイルドランド ニンフ E 「ワイルドランド」にエラーが戻ってきてからは、その傍らには常にニンフの女王の姿があり、いつでも彼女に加護を与えた。女王の側近のニンフも同行しており、迅速な加護により「エラルダス」たちの力を担保していたようだ。
「樹の守護天使」メタトロン ワイルドランド エンジェル L 大戦終結後、約束通り冥府に捕まっていた天使たちが「ワイルドランド」の楽園へと送り届けられた。返礼として楽園出身の天使が、「デメテー」の地までユグドラウォーカーを引率することを申し出たという。
マッピーラット ワイルドランド ラット C アンジュにもラットのお供が存在した。そのラットは各地のニンフに精通しており、どの場所にいてもそこにいるニンフを呼び出せたという。
災いのゴブリン ワイルドランド ゴブリン C ゴブリンたちにプレゼントという習慣はない。奪われることはあるが、自分から差し出すことはない。あるゴブリンが別の種族の風習であるプレゼントを知り、その楽しさに目覚めた。無理やりゴミを渡して、相手の嫌がる顔を想像する。なんて素敵な日曜日。
はぐれメカ ワイルドランド モンスター C ドラゴンの聖地に「アナザーホール」が開いていたのは、「マキナス」の調査隊によって明らかにされている。そのためか、リジェネレイトの下っ端に、機械の戦士がたびたび紛れ込んでいた。
ブルーミミック ワイルドランド モンスター R ドラゴンたちの降伏後、捕えられたデミゴッドたちが箱詰めになっているという情報をききつけた「ポセイド」の戦士の1人が、功を焦って別の箱を開けてしまった。これがリジェネレイト討伐戦における最後の犠牲者となったのだった。  –『大公史』 公暦801年 「竜大戦記」第100節
ミサイルドッグ ワイルドランド ビースト C 群れの力はバカにならない。ましてや統率力あるリーダーに率いられ、幾つもの作戦に対応できる連動性を備えた集団ならばなおさらだ。「エラルダス」の援軍として選ばれたのは、攪乱の専門家ともいえる者たちだった。
「不死鳥」スザク ワイルドランド ファイブスター L 一方、「ワイルドランド」に向かった「エラルダス」は、まっすぐにドラゴンの聖地へは向かわず、ドラゴンとは別の支配者であるファイブスターたちに話を通しに向かった。「ワイルドランド」のミニオンたちは縄張り意識が強く、大軍による行動が嫌われることをエラーは知っていた。敵を減らすためにも、大切な処置だったのだ。   –『大公史』 公暦801年 「竜大戦記」第80節
「憧れる者」アンジュ ワイルドランド デミゴッド L 冥府から解放されたデミゴッドの1人は、ミニオンたちへの恩を返すべく、ニンフとの「同化」の道を選んだ。彼女の選択と決断が信者たちの「同化」を促し、直接的な戦力としてだけではなく「竜大戦」の戦局へ大きな影響を与えた。「同化」後の天昇により消えてしまったことを含め後世、神格化がなされ、「竜大戦」を6ヵ国側の勝利に導いた、エラーと並ぶもう一人の英雄とみなされている。
ゴブリンナイト ワイルドランド ゴブリン E 騎士のモットーは正々堂々である。それは、どのようなミニオンにとっても同じなのである。ゴブリンとて例外ではないのだ。だから、彼らは「エラルダス」の動向を逐一リジェネレイトにチクりにいった。胸を張って、正々堂々と、態度だけは。
ドラゴンフライ ワイルドランド ウイング C ドラゴンの聖地を目指す「エラルダス」の道程も、やはり困難をともなったものとなった。エラーが「ワイルドランド」出身とはいえ、すべての危険を避けることはできない。巨大トンボの大群によって大混乱に陥ったことなど、その顕著な例といえた。
ロイヤルドッグ ワイルドランド ビースト E 激しい戦場と化したドラゴンの聖地に、無数の遠吠えがこだました。数で劣勢を余儀なくされた「エラルダス」に想定外の援軍が現れたのだ。それは、友好の条約を結んだファイブスターより内密で派遣された、無数のビーストたちの群れだった。  –『大公史』 公暦801年 「竜大戦記」第92節
ルビードラゴン ワイルドランド ドラゴン E エラーの放った灼熱の閃光がリジェネレイトに向かい放たれる。大将をかばうべく、側近のドラゴンがその身を投げ出し、エラーに向かい逆撃を返す。しかし、ニンフとの契約によりその身を守るエラーにその一撃は届かず、逆にエラーの一撃は側近の体を通過し、背後のリジェネレイトを貫いた。直後、世界のすべてを震わすかと思われるほどの断末魔の絶叫が戦場すべてに響き渡った。  –『大公史』 公暦801年 「竜大戦記」第97節
ホワイトバット ワイルドランド ウイング R 「エラルダス」の敵となったのは、ドラゴンたちだけではない。ドラゴンの支配地域に生息し、その庇護を受ける者たちにとって、「エラルダス」は邪悪な侵入者でしかなかったからだ。
グレーターイーグル ワイルドランド ウイング R 陸からだけではなかった。空を支配するファイブスターからも援軍が送られてきたのだ。戦場の外からの一斉攻撃に、ドラゴンたちの統率が乱れる。ここだ。この一瞬こそ、命がけで「エラルダス」の戦士たちが作りだそうとしていたものだった。マントをかなぐり捨て、エラーが戦場の中央へ躍り出た。目指すはただひとつ、リジェネレイトの首のみ。  –『大公史』 公暦801年 「竜大戦記」第93節
「炎狼」ヴォルト ワイルドランド ビースト E 「ポセイド」の出身者の次に「エラルダス」の中で数が多かったのは、実は狼たちだった。ドラゴンたちと仲が悪いのはもとより、魔術と縁の深い彼らはエラーに秘められた潜在能力を敏感に感知しており、自然と尊敬の念を抱いていたのである。エラーと狼たちとの関係は「竜大戦」終了後の歴史においても、重要なファクターとなっていく。
アントラー・タイガー ワイルドランド キマイラ C 6ヵ国へ向かう往路では迅速をむねとし援助を断ったエラーだったが、ドラゴンとの決戦を控えている以上、戦力は大きいに越したことない。特にニンフの女王の友人たちは積極的な申し出が多く、積極的に「エラルダス」に招き入れたのだった。
「蛇巨人」サーペンティーア ワイルドランド モンスター E 最初こそ隠密行動を心掛けていた「エラルダス」だったが、途中でその努力を放棄する。ドラゴンとその眷属たちによる度重なる襲撃を受け、どうやら行動が筒抜けであることを理解したからだ。
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「火蜘蛛の召喚士」ロック Lv1 アグマ エヴォーカー R 「竜大戦」の爪痕は深く、「デメテー」と「ポセイド」を除く4ヵ国は、復興が進まぬ状況が続いていた。理由は様々あれど、それ以前から重なっていた戦乱により労働資源が不足していたことが最も大きな要因だったのは間違いない。それを解消したのが大召喚士ラスであり、彼の高弟となった12使徒たちであった。
「炎石の召喚士」エミリー Lv1 アグマ エヴォーカー L 召喚術とは、この世界とは平行に存在するとされる異世界から、その住人たちをこちらの世界に出現させる術である。召喚したミニオンたちは、一定期間こちらの世界にとどまっているが、やがて元の世界へ戻ってしまう。
アーマーヘラクレス アグマ モンスター R 第1次マジェスト戦役において、5ヵ国側の敗走は予想外の結果であり、各方面に相当の衝撃を与えた。たった一度の敗北であり、各国家が負った傷は小さいものだったが、問題だったのは心理面だった。この敗北により国家間の足並みが崩れてしまったのだ。 –『大公史』 公暦805年 第72節
アグマのトロッコ乗り アグマ ドワーフ C トロッコの操縦は通常二人でおこなう。貨物が多ければ多いほど阿吽の呼吸が必要だ。そのパートナーだったゴレイムたちと戦うなど、到底納得できるものではなかった。以前、盛大にケンカして仲直りしたところなのだ。もうあんな思いはコリゴリなのだ。
ファイアハウンド アグマ ビースト C ラスの有名な演説に共感するミニオンたちは多い。だが、彼の言っていることと実際の「マジェスト」との実体がかけ離れすぎている。だから協力する気が失せる。そう、統一帝国に必要なのは多くのミニオンたちがどれだけ納得できるかどうかなのだ、と犬は思った。けっこう真実だ。後に誕生する真の統一王朝との違いはそこにあったから。
「アグマの親方」ニトログ アグマ ドワーフ/ソード L 反マジェスト軍決起が正式に採択されると、消極派だったドワーフたちが参加を名乗り出てきた。ラスについていったゴレイムたちと敵対することを避けていたのだが、戦うと決まった以上は自分たちの手で彼らを取り戻したかったのだ。大切な友人たちがラスの手先になっていることは、そもそも耐え難いことだったのだから。
ゴレイム「タイプ:パイルドライバー」 アグマ ゴレイム E 「アグマ」において、大召喚士を最も信奉していたのは、ゴレイムたちだった。召喚獣と召喚士の関係は、自分たちとドワーフたちとの関係を想起させ、親近感を抱いたのである。
「アグマの酒飲み」レッドビア アグマ ドワーフ/ソード E 酒樽をご存じだろうか。中央が膨らんだ筒状の容器でとても頑丈にできている。中には酒が詰まっており、酒が減ると安定性を失ってぐらぐらゆれるが、酒を補充すれば元に戻る。まれに手足が生えていて、真っ赤な髭面が乗ったものが存在する。うーい。
アグマの機械屋 アグマ ドワーフ R ドワーフたちは元来生産性のある労働が大好きである。そこに加えて召喚獣でそのスピードがあがる。街が元通りになるのと相まって、喜びは2倍であった。ただ、いつのまにかドワーフたちのパートナーの位置にゴレイムではなく召喚獣が収まるようになったのは、その後の反目の予兆だったのかもしれない。
オーガール アグマ ジャイアント C あれだけミニオンたちの信望を集め、協力していた者たちを大召喚士は裏切った。だからこそ思うのだ。絶対に裏切らないものと、最も純粋なものこそ至高なのだと。信じよう。この世で最も純粋なプロテインと、絶対に裏切らない筋肉を。
「オリジンズ05」アイギス アグマ ゴレイム L 「竜大戦」を生き残った「オリジンズ」は2体いた。アロンダイが就任して以降、オリジンズの誰かがゴレイムの代表として評議員となるのが慣例化されつつあった。「アグマ」において大召喚士ラスを「タナトス」征討軍司令官に推したのは、その「オリジンズ」の評議員であった。
「羽蛇の召喚士」キラリ Lv1 カナタナ エヴォーカー R 大召喚士ラスが、いつ6ヵ国を訪れたのかは定かではないが、最初の弟子とみられる羽蛇の使徒とともに「カナタナ」に姿を見せたのはこの年のことである。以降、瞬く間に彼の評判は広がり、12人もの弟子を抱えることになる。 –『大公史』 公暦803年 第28節
「光翼の召喚士」アケミ Lv1 カナタナ エヴォーカー L 召喚先の世界は、どうやらひとつではないようで、各召喚士ごとにつながりのある世界が異なっているようだ。そこから、自らと波長のあうミニオンを召喚するようなのだが、自分にどうあってるのかわからず悩む者もいるようだ。なんで自分の相方がゴリマッチョなのかと。
クレイン カナタナ ウイング R 大召喚士ラスの司令官就任は、「カナタナ」ではごく自然に受け入れられた。それだけの声望を獲得していた証拠である。しかし、存在そのものが特別なデミゴッドや、戦時の英雄たちとは違った敬意の払われ方であったのも事実である。だからといって、「召喚士のラスってやつ、最初からうさん臭いと思ってたんだよね」とは後出しが過ぎる発言というものだろう。
カナタナの自警団員 カナタナ アヴィアン C アヴィアンたちが、「タナトス」の制裁に積極的でなかったのは事実である。先の騒乱や「竜大戦」でも各国の間を調整するために飛び回っていた姿を知る者たちは、やや意外な印象を受けただろう。アヴィアンの考える大義と、今回の制裁の目的が合致していなかったのが理由だったようだ。
ガーディアン・モンキー カナタナ ガーディアン C 「竜大戦」で砂漠の島の防衛戦を強いられた兵士の中には、もっとのびのびと戦ってみたいという不謹慎な欲求をもつ者もいたのだ。彼らは「タナトス」征討軍に立候補し、そして「カナタナ」には帰ってこなかった。旧友たちとは別の立場で戦場にてまみえることになるのである。
「カナタナの住人」サスケ カナタナ アヴィアン/ソード E 12使徒の1人であるアケミは、配下に「カナタナ」随一の忍者を従えていたことから「カナタナ」の間者なのではないかと疑われラスが司令官となる「タナトス」征討軍から外された、というのは酒場のネタ話である。実は両方事実だったりするので、酒場のウワサってバカにできない。
フライングエレファン カナタナ ウイング C 「トライエアーズ」は竜の襲撃によって、とくに緑の資源の消失が激しかった。その復活に大いに役立ったのが、空飛ぶ象の一団だったようだ。彼らは取り込んだ食物を、その数倍の濃度の肥料として放出できるのである。つまり、そのあれだ。出すのである、プリっと。プリプリっと。
ジャッカブラ カナタナ キマイラ E 「マジェスト」対「5ヵ国」は、これまでの戦いと違う。壮絶な同士討ちなのだ。いったい何のために誰と戦うのか? なぜ傍らに見知らぬ竜がいて共に戦っているのか? 緒戦以降、「マジェスト」に服従を誓ったはずの多くのミニオンが深い疑問を抱えることになったのだった。
「カナタナの剣豪」ムオウ カナタナ アヴィアン/ソード L 「タナトス」制裁回避への回答期限3か月が過ぎても、「タナトス」側からの返答はなかった。それは当然予想されていたことで、5ヵ国すべてで征討軍の編成が始まっていた。しかし、意外なことに前大戦で各国の間を飛び回って調整役となったアヴィアンたちが、この役目を降りたのである。 –『大公史』 公暦804年 第36節
カナタナの鴉人 カナタナ アヴィアン R 「タナトス」制裁には消極的だったアヴィアンたちだったが、ラスの戴冠に続く一連の流れには敏感に反応する。彼らは風で感じているのだ。それが本当の意味での世界の危機なのかどうかを。
「三頭猿王」キング カナタナ キマイラ L 「タナトス」征討軍の編成が決定したのち、問題になったのは征討軍司令官の人選だった。「デメテー」のエルフたちが立候補したが、私怨が強すぎることから混乱が予想される。そんな中、大召喚士ラスを推挙する発言が「アグマ」からあり、「カナタナ」の皇族が賛意を示したことで大勢が決まった。 –『大公史』 公暦804年 第48節
「観測の召喚士」ラバー Lv1 デメテー エヴォーカー R 「タナトス」征討軍に参加した6人の使徒の中で、唯一「マジェスト」に帰属しなかったのがラバーだった。彼女が離脱を願い出た時に、ラスは拘束せず許可を出した。思うに、やる気のないときのツリーフォークたちが戦力としてあんまりだったのだろう。片足あげるのに1時間じゃどうしようもない。
「深森の召喚士」オーブ Lv1 デメテー エヴォーカー L 召喚獣は基本的に召喚士によって使役される存在だが、1人だけ主従が逆転してしまっている者もいた。たまたま運がよかったのか悪かったのか、異世界の女王を招いてしまったのだ。主導権は召喚獣側にあり、あちらが招いてほしくなると召喚士が続けて4回くしゃみをするという。
モルフェオ「ラクーン」 デメテー モルフェオ R モルフェオたちの間でも、ラスは話題の的であった。ラスはどんな状態でもいけると評判で、フレッシュなまま丸かじりしてもいいし、オリーブオイルで炒めても絶品だとか。何かと勘違いしているのは明白だが、もしかして本当に別の「ラス」があるのだろうか。
デメテーの秘術師 デメテー エルフ C 復興が一段落したところで、エルフたちから緊急動議が出された。対「タナトス」制裁に関してである。代々神樹の守り手たちを輩出してきたエルフたちは、ユグドラウォーカー消失の引き金となった「タナトス」のやり口を許容する気はなかった。 –『大公史』 公暦804年 第5節
グレイト・タイガー デメテー トライブ C 「タナトス」に対して同情的な者もいた。国に対してではない。住民たちに対してである。パンデミックに襲われ、支配者階級に奴隷のごとく使われ、ついには5ヵ国から見放される。彼らを「タナトス」から解放するために戦いに参加するつもりの者もいたのだ。
「デメテーの貴公子」アノーリオン デメテー エルフ/ソード L 「デメテー」の議会を思った方向に進ませるには、根回しが重要だ。気難しいからではない。気まぐれな連中が多すぎて、話が進まないのだ。「タナトス」制裁の決議にたどり着くまでに費やしたものは、中断した10回の会議と、参加者と同数の目覚まし時計、チョコクッキー山ほど。どんだけ忍耐力がいるんだか。
「デメテーの見習い魔法使い」ピオン デメテー エルフ/ソード E エルフの見習いはとてもつらい。どんなに修行を積み魔術の腕が一流になろうとも、自分より下が入ってこない限り見習いから卒業することはできない。そしてエルフはとんでもなく長命で知られている。見習い歴128年。そろそろ誰か新入りが欲しいなあ。
デメテーの射手 デメテー エルフ R エルフは元々優秀な射手だったが、「竜大戦」以降弓術への熱が急上昇する。竜巫女を一撃で射落としたシルヴィーの遠矢はいまや伝説であり、彼女から弓使いの称号を得ることは、エルフたちにとって大きなステータスとなったのだ。おかげで、魔術師希望者は激減したという。
サクラツォーク デメテー ツリーフォーク E 他国に比べ損害の少なかった「デメテー」は、召喚獣との付き合い方も他国とは違っていた。他では労働力や戦力とされることがほとんどだったが、エルフたちは召喚獣を崇拝していたし、ツリーフォークたちは完全にお友達で、それぞれ毎回おもてなし。今日はお花見、さあ、僕の顔をごらん。
フォルミキエーレ デメテー ビースト C 国境などいらない。そう考えた多くの者たちが、ラスの帝国に積極的に参加していった。しかし、「デメテー」からは参加者は多くなかった。国外へ遠征したのが、ガウディンとともに「エラルダス」に参加した少数の獣たちだけだったことが原因かもしれない。
「双角樹」ツインホーンツォーク デメテー ツリーフォーク L 「デメテー」の長老の1人から、他の4ヵ国に向けて正式に「タナトス」制裁に関する緊急会合の要請がなされた。これをきっかけに、世界は再び大きく動くことになるのである。 –『大公史』 公暦804年 第16節
「血陣の召喚士」リリアン Lv1 タナトス エヴォーカー R 「タナトス」出身の12使徒のうち、1人は師とたもとを分かち防衛側に回ったが、もう1人はあろうことか故郷の攻略側に回った。後に作る新政権の中心に据える者が必要ということで、リリアンの信奉者のデーモンたちが選ばれたのだ。まったく予定通りにいかなかったのはご存じの通りだ。
「常闇の召喚士」ヤミ Lv1 タナトス エヴォーカー L 12使徒の最初の離脱者は「タナトス」のヤミであった。師匠の率いる軍とはいえ、自分の故郷を攻めてくるとあっては、唯々諾々と従うわけにはいかなかった。
花嫁の亡霊 タナトス モンスター R 「竜大戦」前、「タナトス」は確かに6か国同盟からの離脱を宣言していたが、大戦の混乱を経て、住民たちはそんなことはすっかり忘れていた。まさか5ヵ国で「タナトス」を攻めてくることなど想像もしておらず、たまらず召喚士に泣きついたのだった。泣きついたその相手が攻めてくるなどということも知らずに。
タナトスの海賊 タナトス スケルトン R 1国対5ヵ国で勝てるわけもなく、たった2か月で「タナトス」は窮地に追い込まれた。海路へつながる脱出路はおろか、地上のすべての領土を放棄し、「グラン・クレバス」に引きこもらざるをえなくなったのである。 –『大公史』 公暦804年 第97節
スカルラット タナトス ラット C 地上は新国家「マジェスト」の支配地域となったが、「グラン・クレバス」に閉じ込められたはずの「タナトス」の住人の中には、こっそりと様子を伺いに潜伏している者もいた。情報は重要である。
豚コウモリ タナトス ウイング C 「タナトス」地上部が占領されてしばらくたっても、地上の軍が「グラン・クレバス」に侵攻してくる気配はなかった。何やら地上では別の作業に没頭しているらしく、ふらふらとクレバスから上空に舞い上がったコウモリを見とがめる者もいなかった。
「タナトスの放浪者」ナイブス タナトス スケルトン/ソード E 「タナトス」本土での戦闘は、短いが激烈なものであった。「タナトス」の中でも、特にスケルトンたちは、死という概念がそもそも違う。一度死んでいる彼らの捨て身としか思えない戦いぶりに、5ヵ国側も多数の犠牲を払うことになったのだ。
タナトスの骨巨人 タナトス スケルトン C 骨の巨人たちの巨体によって、大地の裂け目である「グラン・クレバス」の通行個所をふさいでいく。地上を放棄するのは仕方ないとしても、クレバスの内部とその奥にある冥府だけは「タナトス」の領土として守りぬくのだ。
プティ・ディアブル タナトス デーモン E ラス傘下の召喚士に率いられたデーモンたちだったが、本来友軍であるはずの「タナトス」軍に対して、容赦ない攻撃を浴びせた。後世、ラスのめぐらした策謀の一環であったことが判明しているが、それにしても過激な攻撃であったことが記録に残っている。 –『大公史』 公暦804年 第78節
「タナトスの屍司祭」プリースト タナトス スケルトン/ソード L ヤミが率いるスケルトン部隊の戦いは実に巧みだった。司祭の復活の呪文により、味方ではなく敵の死者をよみがえらせ、相手を襲わせたのだ。敵味方の錯誤を引き起こし、同士討ちが多発。多大な損害を強いたのである。
「球体の監獄」マモン タナトス デーモン L 「タナトス」への制裁は厳しいもので、現政権の主権返上と5ヵ国管理による新政府の樹立を要求。それを相容れない場合は5ヵ国連合による征討軍の派遣と決まった。回答期限は3か月とされたが、支配階級であるデーモンとしては当然受け入れられるものではなかった。 –『大公史』 公暦804年 第24節
「海竜の召喚士」アクア Lv1 ポセイド エヴォーカー R 「タナトス」征討軍には12使徒のうち半数が参加し、彼らが軍の中枢を占めることとなった。司令官が大召喚士ラスである以上、当然の編成といえた。
「魔人の召喚士」ブルーナ Lv1 ポセイド エヴォーカー L そもそも大召喚士の弟子であることで12使徒と呼ばれていたが、決して一枚岩とはいえなかった。使徒同士の仲たがいもあれば、ラスとの相性も人それぞれで、中には孤立気味だった者もいたようだ。
クラゲガール ポセイド スプライト R 国家と国民、先に存在するのはどちらなのか? 国家をなくしてしまった時、国民はどうなるのか。例えば先の「竜大戦」のような災害時には? 国家に対する疑念も国境に対する嫌悪も平時だからこそなのか? 波にゆられながら、いつもそんなことを考えているらしい。案外インテリ。
ポセイドのエイ乗り ポセイド マーフォーク C 「国境否定派」の中心となったのは、「エラルダス」の影響が最も強い「ポセイド」だった。もちろん、しっかりした主義に基づく主張もあったが、「ポセイド」の住民としては多分に流行っているからそういう気分になる者も多かったようだ。この波に乗り遅れるな。
「ポセイドのウェイター」メタル ポセイド マーフォーク/ソード E 「国境の壁をなくして、我が帝国のもとで統一すべき」大召喚士ラスの主張は、「国境否定派」のバイブスを刺激した。刺激されまくって、内なる自分を解放してしまう者もいた。結果、国境の否定も肯定もどうでもよくなってしまったが。
虹色の妖精 ポセイド スプライト C 当初、「マジェスト」に理想を見た「国境否定派」たちは、しかし徐々に熱を冷ましていく。だって、みんなで仲良くした方がいいよね、っていう話なのに、結局ケンカばっかりだし。バカみたい。
ブック・ワーム ポセイド シーワーム E 復興開始前後から「国境否定派」とされる論調が強くなっていたのは事実だった。「タナトス」制裁にも、結局連帯が必要ならば国がバラバラである必要があるのかと。「マジェスト」建国はまさにこの論調に乗って決行された側面は否定できないだろう。 –『大公史』 公暦805年 第2節
ポセイドの仙人 ポセイド マーフォーク R 大召喚士ラスは、皇帝の名において各国の属国化と朝貢を要求してきた。各国の構成員を連れたまま勝手に独立を宣言したことだけでも許しがたいのに、この要求は穏健派と思われる者たちにさえも「マジェスト」が相容れない存在であることを決定づけさせた。 –『大公史』 公暦805年 第36節
「ポセイドの騎士」マリア ポセイド マーフォーク/ソード L 現状を憂いた召喚士ブルーナとマーフォークの一団は、6ヵ国側にも新帝国側にも立たず、密かに「ワイルドランド」へと向かっていた。あの人物なら現状を正しく導いてくれると信じて。歴史は再びかの英雄の登場を望んでいるようだった。 –『大公史』 公暦805年 第77節
「三重槍」エスピラル ポセイド シーワーム L 「タナトス」征討軍はそもそも寄せ集めのはずだったが、ラスのカリスマは本物で、軍を熱烈な信奉者の集団へと変えていった。彼の語る理想に共感し、彼の国家建設に尽力するようになっていったのだ。
深海の亡霊 ポセイド モンスター C 現在の国を放棄し、ラスの新帝国に走る者もそれなりにいた。多くは「国境否定派」とされる者たちだ。そう宣伝されていたが、実は現在の国家に身の置き場のない犯罪者たちがより多く受け入れられていた。ラスの謳う理念は形だけで、とんでもない無法者国家が形成されつつあったのだ。
「氷晶の召喚士」アイシー Lv1 マキナス エヴォーカー R 不思議なことに、召喚獣たちはそれぞれ特定された種族からエネルギーを受け、力を増すことが確認されている。当初知られていなかったその現象が認知されるにつれ、召喚獣たちの働きは飛躍的に上がることとなった。
「機馬の召喚士」サラ Lv1 マキナス エヴォーカー L 復興において、召喚獣の働きは目覚ましいものだった。彼らの登場から半年後、各国は「竜大戦」以前の状態に戻ろうとしていた。特に壊滅状態に近かった「マキナス」の復興は奇跡を見る思いだったことだろう。 –『大公史』 公暦803年 第97節
エレクトロニードル マキナス ハンター R 帝国軍と連合軍、「竜大戦」と生き延びた戦友同士が、敵味方に分かれて争いあう。鋼鉄のトカゲの体を貫いたのは、「エイセヴァイス」でアンジュの天昇に共に涙を流した戦友の放った一撃だったのだ。
マキナスの警備員 マキナス アンドロイド C 「竜大戦」前、警備といえばドーム間のルートにおいて行われることだったため、主にハンターたちがその役目につくことが多かった。が、ドームの修復が終わるまでは街中の警備も必要な状態となり、ロイドもその役目につくようになった。現在では役目の垣根がなくなり、両者協力して警備にあたっているという。
キャタピレーラー マキナス ハンター E 緒戦の敗北をきっかけに、長い混乱の時期に突入した。消極派は国力増強に方針を変え、積極派にしても単独での攻撃を決断できず、いたずらに時を費やすことになる。それは生まれたての「マジェスト」の国家基盤を整える猶予を与え、より強大化を促すことになるのである。 –『大公史』 公暦805年 第73節
「マキナスの市民」フェイス マキナス アンドロイド/ソード E ラスの暴挙はすべての国において受け入れられるものではなかったが、特に規律に厳しい「マキナス」での反発は一層強かった。市民からの圧倒的賛意を受け、「マジェスト」討伐が採択されると、すぐに他の4ヵ国へと使者が派遣された。 –『大公史』 公暦805年 第16節
ホワイトファルコン マキナス ウイング C 第1次マジェスト戦役は、旧「タナトス」領である「マジェスト」へと5ヵ国連合軍が攻め込む形で開始された。迎え撃つのは帝国軍。それは旧「タナトス」征討軍であり、つまりはかつての同輩たちであった。 –『大公史』 公暦805年 第53節
「マキナスの機人侍」シュナイデン マキナス アンドロイド/ソード L 竜がいる。帝国軍に。全国家を蹂躙したあの竜が。「カナタナ」に帰順した連中ではない。彼らならデータベースで検索できる。見知らぬ竜が連合軍に牙を向いている。知覚した瞬間から、帝国を名乗る賊軍は彼の中で絶対悪となった。賊についた者はかつての戦友だろうが関係ない。相容れない敵であると。
マキナスの修行僧 マキナス アンドロイド R 「竜大戦」から、「タナトス」制裁、「マジェスト」建国、「マジェスト」征伐失敗。たった5年の間にどれだけの失敗を繰り返してきたことか。すべては修行不足からくることだ。ミニオンであれば自らを鍛えればいいが、国はどうすればよいのだろうか? 国家修行の方法を考える修行をする修行僧はどんな修行をすれば修行できるのか……別に修行って言いたいだけじゃないから。
R-C3 マキナス ソルジャー C 反マジェスト連合軍の編成は迅速に進められた。3ヵ国連合軍を経験したおかげで、特に「マキナス」、「アグマ」、「カナタナ」の連携は見事なものだった。だが、前回「タナトス」に軍を派遣してからわずか半年足らずの出来事に、質量ともに完全とはいかない編成となってしまった。
「粉砕」シュヴァルツティーガー マキナス ハンター L 当然のことながら、「マジェスト」に所属することになった元6ヵ国の構成員たちには帰還命令が出されている。帰還をはかり脱走する者、帰還を邪魔されて拘束される者、帰還を諦めしぶしぶと「マジェスト」に従う者。だが圧倒的大多数が、故国の重鎮でさえ、自らの意思で「マジェスト」所属を選んだ。少なくともラスは、故国の上層部よりも兵士の信望を取り付けていたのである。
「大召喚士」ラス Lv1 ワイルドランド エヴォーカー L 「マジェスト」皇帝ラスによる、有名な即位宣言を紹介しよう。「余はここに、即位を宣言する。同時に約束しよう。国の境をなくし、すべての民が同一の王の元、平等に過ごす世界を実現すべく、天下統一を果たさんことを」
斧のミノタウロス ワイルドランド モンスター/ソード E 第1次マジェスト戦役は、「マジェスト」側の勝利に終わったが、現場の中級指揮官の立場からすればギリギリの危うい勝利であった。ドラゴンと召喚士という質で上回ったものの、量はあちらがはるかに上でもう一回攻めてこられたらもたないかもしれない。皇帝には政治的駆け引きを期待したいところだ。
気高き騎士 ワイルドランド セントール R 召喚士ではないが、元からラスの下に付き従っている騎士がいた。彼にとってラスの野望は悲願であり、「タナトス」攻撃開始の1か月後、勝利を確信した彼は単独で「ワイルドランド」に帰り、後に帝国臣民となるものたちの選別と移送の準備にあたっていたのである。「マジェスト」建国は密かな陰謀の中決行されたものであったのだ。
ガーゴイル ワイルドランド モンスター C 世界中に激震が走る。「タナトス」領の地上を平定した大召喚士ラスが、その地に新たな帝国「マジェスト」の建国を宣言。自らが初代皇帝を名乗り、「ワイルドランド」より大量の移民を流入させたのだ。 –『大公史』 公暦805年 第1節
アドベンチュラット ワイルドランド ラット C 旅慣れているものはアクシデントに強いものだが、国がまるごと別物になっているなどという経験はしたことがない。竜が大手をふって飛んでいるし、世界中がお通夜の雰囲気に戻っているしで、ちっとも楽しいことがなかった。出がけにあの人が心配した通りになっていたことを、早く帰って報告してあげよう。
グレイ・ピッグ ワイルドランド ビースト C 「タナトス」を2か月で平定、その1か月後には「マジェスト」建国宣言がなされている。この速度を可能にしたのは、従えて来た戦力の中に優秀な工兵であるゴレイムたちがいたことと、軍体制をそのまま国家の基本組織に流用した軍事政権であったことが要因であろう。それより特筆すべきは、建国半年後には皇帝ラスは暴君と呼ばれるようになる、その堕落の早さだ。 –『大公史』 公暦805年 第7節
ソードペッカー ワイルドランド ウイング C 「マジェスト」にとって量的拡大は不可欠である。特に第1次マジェスト戦役の前後から、その必要性は急上昇する。そのため、「ワイルドランド」上空を飛び回る勧誘部隊は大忙しだ。この世界において、いわゆる「ビラ撒き」を発明し始めて実行したのは、あるペリカン型のミニオンだったという。
宝山のグリフォン ワイルドランド ウイング C キラキラしたものが大好きな習性を持つミニオンがいる。その執着心を見込まれて、「マジェスト」の財政担当に抜擢されたのだが、最近辞任しようか悩んでいる。国家財政であるから、当然支出がある。お宝を集めるのは好きだが、使うのが死ぬほど嫌なのだ。ストレスで抜け羽が増えてきてるし。やっぱやめようかな。
沼地のドラゴン ワイルドランド ドラゴン C 第1次マジェスト戦役において、開戦当初は帝国側の戦力を錯覚させるために、「ワイルドランド」の兵士たちは表に出なかった。押し込まれるふりをしながら「タナトス」の沼沢地に引き込み、そこに潜んでいたドラゴンの不意打ちから全兵力の投入が開始されたのである。
マンティコア ワイルドランド キマイラ R 「ワイルドランド」から「マジェスト」へ移住してきたミニオンたちが、すべて皇帝ラスを信奉していたわけではない。中には帝国を乗っ取ろうと画策する一団の工作員もまぎれていた。皇帝を除く時期と、九神龍の影響をどのように削ぐのか、忍耐と頭脳が試される任務であった。
ハーピー ワイルドランド ウイング E 「マジェスト」からの通達は、「ワイルドランド」よりやってきたハーピーによって各国にもたらされた。どれもこれも、他国にとっては悪い話ばかりだったので、いつしかハーピーは不吉を運ぶものとして忌み嫌われるようになったのだった。
隻眼のライオン ワイルドランド モンスター R 「マジェスト」に移り住んだミニオンたちには、ある約束がなされていた。「マジェスト」には明確な身分制を敷き、「ワイルドランド」出身者は上位にし、属国出身者は下位にすると。施行は建国半年後。早く約束が果たされる日がくればいいと願っている者は多かった。
ゴブリンの騎馬隊 ワイルドランド ゴブリン E 帝国臣民。なんという魅惑的な響きだろうか。なにより素敵なのは、エルフたちの国よりも、我らが帝国の方が格上だということだ。ラスに言いつければ、優先的にエルフから痛めつけてくれるのではないだろうか。今までの無礼を許してやるから、早く貢物でも持ってこないかな。
フレイム・ドラゴン ワイルドランド ドラゴン R 「藪を突いてドラゴンを出す」という故事がある。ドラゴンが隠れられるような藪などあるわけなかろうと幼いころは思ったものだ。が、「タナトス」制裁に動いたら、ドラゴンを引き入れた新国家が出来上がってしまったという史実の比喩であることを知ったとき、今度は喩え話の下手さ加減にがっかりさせられたものだった。
均衡のドラゴン ワイルドランド ドラゴン E アクアマリンが長期的に自分の縄張りを留守にする計画が立てられていた。他の九神龍をはじめとする別勢力に領土を奪われないために、折衝が行われた。本来ドラゴンは緻密さと無縁であり不得意分野のはずだが、陰謀好きの総大将の流れを組んでか部下の中に非常に優秀な者がいたようで、折衝はとどこおりなく行われた。
九神龍「界」アクアマリン ワイルドランド ドラゴン L 急造の国家である「マジェスト」にさしたる抵抗力はないと思われていた。しかし、違ったのだ。いつの間に協定を結んだのか、あるいは最初からの画策だったのか、九神龍の1体を自国に引き入れていたのである。とてつもない後ろ盾あっての、天下統一宣言だったのである。
EXCODE:02 幻影の剣士
「豚竜」プビィ アグマ ソード/ドラゴン C フォークでゆっくりお腹をなでると、即座にまどろみ始めるという豚の特性をご存じだろうか。かわいい。実にかわいい。だが気を付けてほしい。中には寝入る直前にゲップとともに炎を吐き出す豚もいる。
赤剣ウインブレイド アグマ ソード/アイテム E 多くの戦士が秘剣を探し求めたが、なかなか見つかるものではない。だが、中には一人で何本もの秘剣を所有し「ソードコレクター」なる二つ名を頂戴する者もいた。
炎刃レイジングブレイズ アグマ ソード/アイテム R 秘剣と呼ばれる、この世にそれぞれ一振りしか存在しない特別な剣が世界の各所に散在している。誕生の経緯は様々だが、どれも特別な力を備えた武器だ。この時代の戦士たちは、特にこれらの武器を求めた。自らの力を世間に示すのに有効だったからである。
「黒猫シーフ」メイ アグマ ソード C 「グリネル」の本拠地に忍び込んだ仲間からの報告は想像以上にひどいものだった。これを受け「黒の剣士」はついに決心する。これ以上かつての仲間たちの堕落を見過ごすわけにはいかない。自分たちの過ちは自分たちで正すしかないと。
伝書ラッティー アグマ ソード R その報告は、あまりに衝撃的だった。悪党たちから市民を守っていた「Sword’z」たちの戦いが、無用の乱を起こすものとみなされ、悪党たちと一括りで「反社会的勢力」として糾弾されることとなったというのである。
アックス・オーク アグマ ソード C 「反社会的勢力」の烙印が押されようと、関係なくこれまでの戦いを続ける者たちもいた。そもそも政府の意向など関係ない。政府が守ってくれない者たちを助けるための戦いだったのだから。
サムライ・ソルジャー アグマ ソード C 市民に脅威を与えていたのは、「マジェスト」に参加すべく招聘されたが、なじめず脱走した「ワイルドランド」の流れ者たちだった。誰かに褒めてほしくて始めた戦いではなかったが、市民の感謝は「Sword’z」たちのモチベーションを高めてくれるものだった。
「閃光の竜騎士」アメリア アグマ ソード/閃光 L 「グリネル」の砦に対し、先陣を切って攻撃を仕掛けたのは、電光石火が特徴の「閃光」の異名を持つ騎士であった。彼女はワイバーンにまたがり、上空から奇襲をかけたのだ。
「火炎の騎士」クリフォード アグマ ソード E 不敗の伝説を持つ騎士は、「グリネル」のマスターの分身のごとく彼の意向に付き従った。「グリネルの騒乱」きっての名勝負とされる彼と「黒の剣士」の一騎打ちは、不敗と無敵の激突であったのだ。
「火の竜刃」ソロ アグマ ソード/黒の剣士 L 不敗の騎士の剛剣によって炎の刃が叩き折られる。しかし、その勢いのまま体を半回転しながら抜き放ったもう一方の赤剣が、火炎を蹴散らし、敵の鎧を貫いた。双璧と謳われた最強の好敵手を、「黒の剣士」は打ち破って見せたのだ。残る敵はあと1人。
浮遊クラゲ カナタナ ソード/ウイング C 宙に浮くクラゲを見たら、そばに「Sword’z」のメンバーがいると思った方がいい。彼らは地雷原を作るようにクラゲを放つ。少しでも触ると数時間後にマヒが出る遅効性の毒をもっているので、要注意だ。
「宝剣」スカイセイバー カナタナ ソード/アイテム E 特に秘めた力の強い武器は、使い手を選んだ。扱いづらいなどというレベルではなく、あまりの重さのためそもそも構えることすらできないのだ。剣が認めた使い手にとっては竹刀よりも軽いのだから、実に不思議である。
「華剣」ギョクジン カナタナ ソード/アイテム R 「Sword’z」の強さが秘剣のおかげというのは、当時盛んに言われたことだ。一面正しくもあり、間違ってもいる。秘剣は当然強力な効果を秘めているが、そもそも本人が強くなければ秘剣を扱うことすらできないのだ。
「池の精霊」シズク カナタナ ソード R 「反社会的勢力」のレッテルが貼られても、密かに「Sword’z」を援助する者たちもいた。いかつい戦士ばかりではそうはいかなかったかもしれないが、戦場において衛生を担当する者は、平時は民衆に対してその癒しの技を使っていたからだ。
ルー・カンフー カナタナ ソード C 「カナタナ」には「拳法」なる格闘技を使う戦士たちがいる。他国にはない独特な点が多い格闘技だが、最も変わっているのはその掛け声である。「あちょー」「おあちょー」「あたたたた」これらが代表的なものである。どうやらそれぞれ特別な意味があるようだが、多くの者にこう受け取られている。とりあえずうるさい。
「風の竜刃」ソロ カナタナ ソード/黒の剣士 E 一般に広く「Sword’z」の元メンバーが「グリネル」のメンバーと同一視されるようになったのは、「閃光の騎士」を助けるために、「黒の剣士」が牢破りを実行したことが原因であったとされる。当人たちに言い分はもちろんあるだろうが、牢破りが重犯罪であることは紛れもない事実だからだ。
「放浪者」アメリア カナタナ ソード/閃光 L 捕まっていた「閃光の騎士」は「黒の剣士」によって解放されたが、彼女が心に受けた傷は大きかった。ナビによって再び戦う気持ちを取り戻すまで、人里を離れ各地をさまようことになるのだった。
シルファン カナタナ ソード C 往々にして、体の大きさは強さに比例する。肉体の持つ質量は、それが移動することで発生する運動エネルギーに変換され、威力を決定する大きな要因となる。もちろん例外も存在する。ちっさい扇で自分の数倍のサイズの敵を簡単に吹っ飛ばす妖精がいる。質量の法則を無視したあの威力。謎である。
「紫天使」ルキ カナタナ ソード/絶剣 L 「マスター」が討たれたことで、六神剣の剣豪の暴走が始まった。敵味方なく、周囲にあるものすべてが破壊されていく中、生き残った者たちの援護を受け、「紫天使」が舞った。暴風雨のごとく繰り出される猛撃をかいくぐり、ついに十一度目の剣撃が敵の喉を貫く。はじききれなかった二刀をその胸に浴びながら。
エイプ・ウォリアー カナタナ ソード C 「グリネルの騒乱」が内部分裂によって終局したというのが公式な記録である。実際には、元「Sword’z」たちを含む犯罪者集団「グリネル」に対し、残っていた「Sword’z」の猛者たちが、犯罪者たちを駆逐するために攻撃を仕掛けたというのが真相だ。結果的に同士討ちとなったため、そこだけがクローズアップされることになってしまった。
金木犀のフェアリー デメテー ソード C 「Sword’z」の構成員の中には戦闘員ではない者も含まれていた。効率よく戦うためには直接戦う以外の役割が必要だからだ。偵察、補給、衛生、心の癒し、扇風機がわりなど、実に様々だ。
青刃アイスブレイド デメテー ソード/アイテム E 「Sword’z」の存在が世に知れてくると、「秘剣ハンター」なる者たちが出現する。当初は自分で使うつもりで探していたのだろうが、秘剣は使いこなすことが難しいことを悟ると、秘剣のありかを情報として売るのだ。一見ズルいやり方に見えるが、彼らのおかげで誕生した一流剣士も存在するのである。
霊樹の神剣 デメテー ソード/アイテム R 「Sword’z」の多くの戦士が亡くなったことで、秘剣のほとんどが持ち主を失うことになった。しかし、そのほとんどが市場どころかブラックマーケットにすら出回ることはなかった。誰が秘剣を伝承したのかは謎のままである。
「従者」マニー デメテー ソード C 「黒の剣士」は複数の秘剣を使いこなすことで知られている。もちろん、武器をそんなに大量に持ちながら戦うのは不可能なので、従者が必須である。この仕事、有能だからといってなれるものではない。何しろ従者も秘剣に選ばれなければならないのだ。選ばれないと、重くて秘剣を持てないのである。
コケグモ デメテー ソード C 一部の秘剣は「研ぐ」のに特別な薬品を用いる必要がある。ある種のコケがその薬品の原料になるのだが、それは蜘蛛と共生することで知られている。というわけで「Sword’z」の代表的なペットは蜘蛛である。慣れるとかわいいよ。
「従者」エリゼ デメテー ソード C 多くの秘剣に認められる者は稀少な存在だ。だからこそ「黒の剣士」は特別なのである。ということは、彼の秘剣をすべて自由に扱えるのは彼しかいない。よって、「黒の剣士」には従者が2人存在する。この2人も秘剣を2種ずつ持てるのだから、実はたいしたものなのだ。
「森の剛刃」ソロ デメテー ソード/黒の剣士 E 「グリネル」最大の敵と認知されている「黒の剣士」だが、実は草創期には所属していたのだ。彼が「グリネル」とたもとを分かった原因は公にされていないが、実はダンジョンアメーバの入団がきっかけだったようだ。ネバネバは苦手なのだ。
ルナティック・ベアー デメテー ソード R 「反社会的勢力」と位置付けられて以降、「Sword’z」の約半数の者たちが「デメテー」の外れにある砦に立てこもった。彼らはその砦のあった地名になぞらえ「グリネル」と呼ばれることになった。
「黄金騎士」ヴィクトリア デメテー ソード L 「Sword’z」出身者の中で、後に国家の要職に就任したものが1人だけ存在する。すべての者が平等に扱われる「デメテー」のお国柄が良い方に働いたのだろう。「マジェスト」戦役末期の「デメテー」革命において、彼女の果たした役割は非常に大きかった。
「氷の剣聖」カイオ デメテー ソード/氷剣 L たとえ極悪人相手でも不殺の誓いを貫いた孤高の剣士は、最期にその誓いを破った。黒衣の魔導士の死の呪いを全身に浴びながら、アイスブレイドを投げつけたのだ。剣は見事に魔導士の胸を貫いたが、彼はそれを知ることはなかった。剣を投げた瞬間に絶命していたのである。
魔剣ダークアイ ワイルドランド ソード/アイテム E 「Sword’z」を象徴する彼の戦士が、「黒の剣士」と呼ばれるようになった所以は、使用者の魂を犠牲に、強大な力を発揮する呪いの剣を携えていたことによる。自分の命を犠牲に魔剣を振るう姿は、仲間から畏敬の念とともに一目置かれたという。
「ブリーダー」エリカ ワイルドランド ソード C 「グリネル」の食糧供給において、家畜は非常に重要であった。家畜を育てる「ブリーダー」はなくてはならない存在だったが、一部からは疎まれていた。豚びいき故の豚肉食禁止。とんかつファンがどれだけ悶え苦しんだことか、はかり知れない。
「幸運の導き手」リリ ワイルドランド ソード C 「黒の剣士」が「グリネル」の砦を襲撃したとき、彼の肩で常に一緒にいた妖精はちょうど変態期に入っており、繭にこもっていたため同行しなかった。彼女が共にいてその幸運の恩恵があれば、「黒の剣士」も生き残っていたのだろうか? 歴史上の虚しい仮定がここにもひとつ眠っている。
ウェポンスケアクロウ ワイルドランド ソード C 武器の所有者の怨念が凝り固まると、周囲の武器を巻き込んで呪詛の化け物となって暴れまわる。たいていの場合、核となっているのは秘剣であり、その噂を嗅ぎ付けて飛び回る「秘剣ハンター」もいたそうだ。
「エレメンタル」ナビ ワイルドランド ソード E 「マキナス」の住人なら、「アナザーホール」の存在と、そこからもたらされる異文明の超越性を理解していただろう。しかし、それ以外の者にとって「アナザーホール」からもたらされる超文明は魔術と同じ不思議な存在という認識でしかない。不思議なものを、人は敬い、畏れ、だからこそ癒されることもあるようだ。
「剣匠」ピンキー ワイルドランド ソード E 秘剣とて道具であり、道具は手入れしなければ本来の力を発揮できない。お分かりだろうか、様々な性質を持つ秘剣を「研ぐ」ことの難しさが。「Sword’z」の中でも、それができたのはただ1人。ゆえに、彼女は剣の匠、「剣匠」と呼ばれた。
ガラクタ・カンガルー ワイルドランド ソード C 「グリネル」は立てこもりを開始してからわずかの間に、量的な拡大を見せるようになる。ともに「反社会的勢力」としてくくられた犯罪者たちを「グリネル」の仲間として受け入れ始めたのだ。
「エンチャンター」ジル ワイルドランド ソード R 背や腰に秘剣を携え、さっそうと犯罪者を追い払う「Sword’z」たちの雄姿は、特に子供たちの憧れを呼び、アイドルともいえる存在となっていった。残念だったのは、各国政府が彼らの功績を認めなかったことである。
デスアロウ ワイルドランド ソード C 自らが「ソード狩り」に身を堕とす者もいた。仲間うちのネットワークを使い、元仲間を狩る。懸賞金も美味いが、一定数以上の「Sword’z」を捕らえると、自らに対し恩赦が与えられるのも大きかった。
ダンジョンアメーバ ワイルドランド ソード C 「グリネル」は居場所がない者にとっては天国だった。ネバネバのヌチャヌチャが嫌われ、どこでも差別されてきたがここにはそれがない。特に食事時に嫌われることが多く、ずっと「クチャラー」と呼ばれてきた。失礼な。わたしはクチャクチャではなく、ヌチャヌチャだ。
「封印の騎士」アメリア ワイルドランド ソード/閃光 E 「ソード狩り」によって最初に捕まり、見せしめにされたのは「閃光の騎士」だった。彼女が助けて来た民衆は、その功績を無視しただけではなく彼女に石を投げつけて来た。政府によって貼られた「反社会的勢力」というレッテルは、それほど重いものだったのだ。
「駆け出し」ソロ ワイルドランド ソード/黒の剣士 C 後の世に「ソードコレクター」や「黒の剣士」の名を冠せられる無敵の戦士も、実は「マジェスト」建国に際して呼び寄せられた「ワイルドランド」の労働者であったことは、あまり知られていない事実である。
「士官」アメリア ワイルドランド ソード/閃光 R 「グリネルの騒乱」と呼ばれる立てこもり事件は、最終的にいわゆる内ゲバが発生し、内部崩壊して終局する。半年にもわたって世間を騒がせたというのに、拍子抜けな結末を迎えたのだった。 –『大公史』 公暦806年 第47節
「書架の魔導士」カナ ワイルドランド ソード E 少数だったにも関わらず、「黒の剣士」たちが的確に「グリネル」を殲滅できたのは、内通者がいたおかげであるとされている。内通者は魔導士で、戦いのさなかにその存在が露見し、より高位の魔導士に駆逐されたというが、真相は定かになっていない。
フェアリーシスターズ ワイルドランド ソード C 意外なものの喩えのひとつに「妖精の食事」というのがある。多くが女性や子供の姿をしていることから、花の蜜や果物などを主食にしていると思われがちだが、ああ見えて、実は肉が好物なのだ。「肉食女子」という妖精を指して広がった言葉もあるぐらいなのだ。
「潜伏者」ソロ ワイルドランド ソード/黒の剣士 C 「グリネルの騒乱」の中期を過ぎると、「Sword’z」たちに懸賞金がかけられるいわゆる「ソード狩り」が横行する。それまで犯罪者と最前線で戦っていた者たちも、姿を隠す事態に見舞われたのだ。
「閃光の剣士」アメリア ワイルドランド ソード/閃光 L 民衆の支持を得たはずの「Sword’z」だったが、その名は記録されることはなかった。彼らが関わった「グリネルの騒乱」について、数点記述がみられるのみである。それは彼らが政府により「反社会的勢力」としてくくられてしまったためだ。しかし、多くの人の間で彼らの存在は伝説として語り継がれていくことになるのである。
「双竜刃」ソロ ワイルドランド ソード/黒の剣士 L 「マスター」との決着は自分の役目だと心に決めていた。同時に、まともにやりあって勝てる相手ではないことも承知していた。左手に握った魔剣に、己の持つ力のすべてを注ぎ込む。この一戦がすべて。全身全霊を魔剣に込めて、かつての主に躍りかかった。
アーマード・ファング ワイルドランド ソード R 「グリネル」砦の戦いに際して、途中から「グリネル」を裏切り、「黒の剣士」側について戦う者たちも存在した。彼らとて元々は犯罪者を狩るべく立ち上がったものたちで、それが犯罪者側に付かなければならなかったのは、意に反したことだったのだ。
「士官」ソロ ワイルドランド ソード/黒の剣士 R 第1次マジェスト戦役敗北の悲壮感冷めやらぬ806年初頭に、「グリネル」の地に「反社会的勢力」が集結するという事件が起きる。この時、国家には対応する余力もなく、立てこもりは半年もの長きにわたって継続されるに到ったのだ。 –『大公史』 公暦805年 第103節
「純潔の聖女」アメリア ワイルドランド ソード/閃光 L 「Sword’z」の中でも、特に「黒の剣士」などは民間の英雄として今でも語り継がれている。公式の記録に乏しい彼の逸話がこれだけ多いのは、彼と共に戦い彼への想いから貞操を守り続けたある人物が語り広めたからだった。
「妖精姫」リリ ワイルドランド ソード L 六神剣の剣豪の死により、「グリネルの騒乱」は幕を閉じる。敵味方を含め「Sword’z」の主要メンバーの多くが、最後の一戦によって失われた。「Sword’z」は消滅したが、生き残った者たちによって、その魂は受け継がれていくのだ。
「幻影の剣士」ソロ ワイルドランド ソード/黒の剣士 L 第1次マジェスト戦役において連合軍が敗退したのち、世界の治安は乱れに乱れた。国家の力は低下し、市民は自衛の必要に迫られた。そんな中、伝説級の秘剣を携えた戦士たちが登場する。彼らは協力し治安維持に奔走し始めた。市民は彼らを「Sword’z」と呼び讃えたのである。
リフレクション・リザード ワイルドランド ソード R 「グリネル」に途中参入した「ワイルドランド」の荒くれ者の中には、当然リーダーの座を奪おうと画策した者たちもいた。だがその全員が途中で断念している。実力の問題もあったろうが、それ以上に途中で「マスター」に心酔してしまう者が多かったのである。
ロア・クリーチャー ワイルドランド ソード R 「グリネル」の残党はほぼ存在しないとされている。それほど「Sword’z」たちの攻撃は苛烈であり、容赦なくすべてを滅ぼす意志に満ちていた。だが、生き残りがいなかったわけではない。彼らは歴史の闇で暗躍を始めたのである。
「必中の射手」リタ ワイルドランド ソード L 後の世に犯罪者集団として断罪される「グリネル」だったが、母体は「Sword’z」の戦士たちである。国境否定派に近い思想を持ち、真の独立を求める戦士たちも少なからず存在していたのだ。結果的に彼らも大召喚士の巻き起こした世界の歪の犠牲者だったのだ。
「黄天の射手」リタ ワイルドランド ソード L 「グリネルの騒乱」終結後も世界の混乱は続く。これを治めるため帰還した英雄の傍らには、3人の女性がいた。彼女らは皆、秘剣と呼ばれる特別な武器を携えていたという。 –『大公史』 公暦806年 第100節
ヒュージ・スタチュー ワイルドランド ソード R 「グリネルの騒乱」最終戦、砦にこもる「グリネル」側の方が数が多かったが、質は「Sword’z」側が勝る。というのは後世の講談の話で、実際には質的にもほぼ互角か、やや「グリネル」側の方が上であった。その差を埋めたのが決死の覚悟であり、事実「Sword’z」側は勝利したとは到底いえない、ほぼ全滅に近い状態であった。
黒衣の魔導士 ワイルドランド ソード E 「グリネル」は変質した。かつて「Sword’z」たちの敵だった「ワイルドランド」の犯罪者たちの総本山となったのだ。特に「Sword’z」の中でも異端である魔術を使うミニオンがそれを主導していたという。
無貌の巨神 ワイルドランド ソード L 「グリネル」の変質を許しながら「Sword’z」たちが統制を失わなかったのは、絶対的なカリスマを持つ「マスター」と呼ばれる首領の存在があったためだった。各地に散っていた犯罪者を集めたのも、最終的に滅びたのも、すべて「マスター」の思惑だったのではないかというのが、現在では主流の分析である。
六神剣の剣豪 ワイルドランド ソード E 「Sword’z」の中で一番強いのは誰なのかという議論は、仲間内でも頻繁にあがる話題だった。「黒の剣士」、「火炎の騎士」、「紫天使」、そして「マスター」……しかし、真の最強者は別にいた。彼の意思は「マスター」によって封印されていたため、世に出てこなかったのだ。「マスター」が「黒の剣士」に討たれた時、その封印が解かれたのだ。
PACKCODE:04 FORBIDDEN
「紅の魔術師」マッド アグマ エヴォーカー R 「アナザーホール」が開き、スピリットと呼ばれる未知の者たちが多数去来した。これを送り返すために、「アグマ」の魔術師を中心に各国の魔術師が協力し、人工的に「アナザーホール」を作ってスピリットを送り返す実験が行われた。 –『大公史』 公暦806年 第55節
「焔の魔術師」ケネス アグマ エヴォーカー E しかし、人工「アナザーホール」の作製は見事に失敗する。スピリットを送り返すどころか、さらにスピリットを呼び寄せる結果となってしまったのだ。しかも、呼び出したのはスピリットの中でも最悪の存在とされるものだったのである。 –『大公史』 公暦806年 第56節
アグマの魔石掘り アグマ ドワーフ C 「竜大戦」のおり、マグマが氾濫したことで坑道に変化が生じていた。これまで見たこともなかった新たな鉱物が採掘されるようになっていたのだ。それが種族の誕生に関与しているとは知らず、ドワーフたちは今日も楽しく労働にいそしむのである。
アグマの傭兵 アグマ ドワーフ R 「マジェスト」に対抗するために、各国は傭兵を準備し始めていた。まさか、その最初の活躍の機会が、未知のスピリットたちとの戦いになるとは、想像もしていなかったことだったが。
砲撃ラット アグマ ラット C 多くの者にとって、「アナザーホール」は初見である。それどころか、魔法動機「6色の道」で開かれたゲートとの見分けがつかなかった。あのドラゴンが侵攻してきたゲートである。また、「アグマ」に出現したスピリットたちは、ドラゴンと見間違えても仕方ない外見をしていたのだ。いきなり砲撃をかましたのも無理からぬ反応ではあった。
ルビーヘッド アグマ ダイナソー R 「アグマ」で起きたスピリットとの騒乱は、後世「BS(バトルスピリッツ)赤の陣」と呼ばれた。最初の犠牲者こそスピリット側に出たものの、その戦闘力はかのドラゴンたちと負けず劣らず、かの「赤天」に負けず劣らぬ激戦となったのだ。 –『大公史』 公暦806年 第51節
「秘法の竜姫」ダイアナ アグマ ダイナソー L 「腹を割って飲もう!」と言葉も態度も軽く見えたが、それは考え抜いた末の行動でもあった。赤きスピリットたちの首魁ジークヴルム・ノヴァへかけた言葉は、自分自身と命と、この世界の未来をかけてのものだったのだから。
「溶岩の巨人」マーグ アグマ ジャイアント E 「竜大戦」を機に、「アグマ」では新しい生命が萌芽しつつある。魔石を卵に産まれる種族だけではなく、冷えて固まったと思っていた溶岩を卵に、誕生した種族などもそうだ。共通点は一見自然物に見える卵生のミニオンであること。生命とはまさしく神秘である。
「黄金の魔術師」オリアナ カナタナ エヴォーカー R 第1次マジェスト戦役の敗北により、国交は途絶えてしまった。しかし、各国の魔術師同士のネットワークは健在だった。学術への欲求は、政治的力すらある意味越えていたのかもしれない。
「修祓の魔術師」ハライ カナタナ エヴォーカー E 各国に開いた「アナザーホール」により大混乱に陥った世界。しかし、一部の魔術師たちはこの事態を予見していたという。召喚術の多用により、この世界と異世界との間の時空に乱れが生じ、いつか世界に穴が開くのではと研究していた者がいたのだ。
オナガの伝令 カナタナ ウイング C 唯一の救いは「国境否定派」と呼ばれた者たちの中で、「マジェスト」に走らなかった者たちが、各国に残っていたことかもしれない。再び団結すべきだと走り回る彼らに触発され、「導き」の称号を持つ女性たちが「国境否定派」たちの先頭に立つことになったのだ。
カナタナの術士 カナタナ アヴィアン C 「BS」は起きたタイミングが最悪だった。第1次マジェスト戦役の敗北により、「竜大戦」まで続いていた各国の連携体制が崩れてしまった後だったのである。以前の事件とは違い、今回は各国がバラバラで、スピリットへの対応の温度差も大きかったのだ。
スネークテイル カナタナ キマイラ E 「アグマ」と「マキナス」から遅れて、他の3ヵ国にも「アナザーホール」が開いた。新たに出現したスピリットを巻き込み、「BS12宮の陣」はいよいよ終盤戦へと突入していくのであった。 –『大公史』 公暦806年 第85節
ライアーキャット カナタナ ビースト C 「カナタナ」には、「ウソはコイの始まり」略して「ウソコイ」ということわざがある。恋した者は嘘つきになるから気をつけろという意味だとか、コイという魚の稚魚をウソということからできたとされるとか、全部嘘である。つまり、どこからどこまでホントかわからない話によく使う。
「秘法の天女」アンジェラ カナタナ エンジェル L 「導き」の名を冠する乙女たち6名が、一同に会した。もともと国家の枠を超えて活動してきた彼女たちが、さらに一歩踏み込んだ決断をくだそうとしていた。まずは「BS」を何とかし、次に「マジェスト」を倒し、さらにその先には……。
「美艶の舞姫」ホワイトキャット カナタナ ガーディアン L 「カナタナ」では「BS」への参戦をがちがちに禁じていた。それでも上層部の目を盗み、手を貸す者もいたのだ。彼らは彼らなりに、世界の未来を憂いていた。放っておいたら危険なことを、野生の勘で察知していたのだ。12宮スピリットを1体保護することに成功したのは、ほとんど偶然でしかなかったが、それも動いたからこそついてきた結果なのだ。
「琴弓の天使」プーハ カナタナ エンジェル R 「BS12宮の陣」において、最も非協力的だったのが「カナタナ」である。他の国は領空をスピリットが通過するぐらいは黙認していたが、「カナタナ」は自国領へのスピリットの侵入すら許さなかった。「マジェスト」と「カナタナ」の内通の噂は、この頃より広まることとなる。 –『大公史』 公暦806年 第82節
カナタナの鷹剣士 カナタナ アヴィアン R 第1次マジェスト戦役以降、「グリネルの騒乱」や今回の「BS」など国家の統制が以前と違ったものになりつつある。何よりもそれを決定づける事実は、「マジェスト」の間者が簡単に軍の中枢に潜り込んでいることだった。
「翠色の魔術師」ジャック デメテー エヴォーカー R 儀式魔術によって人工の「アナザーホール」を作ってみようという提案は、非常に魅力的に見えた。もちろん失敗した時の責任は全員が共有すべきものだが、「あちゃー、しょうがないよ、次いこう、次」という提案者の発言は、自分が言い出しっぺだという自覚がいささか足りないというものではないだろうか。
「蔦の魔術師」ウィップ デメテー エヴォーカー E 後に他国の魔術師たちも痛感することになるのだが、「デメテー」の魔術師は位階があがるほどノーテンキになっていくようだ。だからこその強みもあって、人工「アナザーホール」の失敗後、「いっそ魔術都市のすごい人に頼っちゃわない?」という発言に、全員の目からうろこが落ちたのだった。
「デメテーの姉妹」シャーリー デメテー エルフ C エルフは執念深いと思われている。いつまでも昔のことを覚えていると。これは誤解である。ヒューマノイドの軽く10倍の寿命を持つ彼らは時間の尺度が違うのだ。彼らのいう「この前」「ちょっと前」「けっこう前」は、それぞれ1年前まで、50年前まで、200年前までを指しているのである。マジで。
ベベレオーネ デメテー ビースト C 「デメテー」にも草原はあるが、森林の広大さに比べるとずいぶんと狭く小さい。そのためか、生息するライオンも小型である。チビだけど、きちんとライオンだ。ネコじゃない。マタタビは好きだけど。でもネコじゃない。撫でられるの嫌いじゃない。でもネコじゃないってば。
「秘法の戦乙女」ブリジット デメテー エルフ L ガイ・アスラを倒した後、「導き」の称号を持つ6人の乙女たちはすべてを成し遂げるため、魔術都市クラングランに接触を持つことにした。彼の英雄を産んだあの街に眠る、禁断の秘法に手を出そうとしていたのだ。
ラーマルーボ デメテー ビースト C 「デメテー」の中には、森を離れ、12宮スピリットを探して駆けまわってくれる者もいた。同時に彼らはスピリットに対する熱心な調査もおこなった。「アナザーホール」の鍵を探す手伝いも頼まれていたのだ。鼻が利く彼らは、探索者として非常に有能なのだ。
「デメテーの姉妹」マーシャ デメテー エルフ R ラスの弟子であったことから、召喚士たちは厳重に国家の監視下におかれていることがほとんどだ。が、エルフの女王を召喚する「デメテー」のオーブだけは例外だった。女王の命で働くという主従逆転した現象がそうさせているのか、厳重な護衛付ではあったが自由が許されていた。
黒豹の騎士 デメテー トライブ R 6ヵ国で唯一公式に、12宮スピリットの探索に手を貸したのが「デメテー」である。「デメテー」といえば、これらの騒乱から最も遠くに身を置きたがる国家という印象がある。それが今回積極的になった理由は諸説あるが、真相は判明していない。 –『大公史』 公暦806年 第81節
「森の怪物」ブリガンテ デメテー ビースト L 本来、肉食獣と草食獣が仲良くなることは難しい。だが、何事にも例外があるわけで、牡羊座の12宮スピリットと、森一番の捕食者は仲が良く、食べるどころか護衛役を買ってでたそうだ。どうやらウマが合うらしい。両方とも馬じゃないんだけれど。
「格闘術の師」グレイフォックス デメテー トライブ E 「エルフの旋舞」に代表されるように、「デメテー」には独特の格闘術が伝わっている。音に乗せ衝撃波を運ぶ「トライブの音舞」もそのひとつだ。最高の舞手ともなれば、かすかなささやきに乗せた衝撃で岩をも砕くという。
「菫の魔術師」スカル タナトス エヴォーカー R 秘法を得たことで、高位導師である魔術師たちは「アナザーホール」を作る方法を理解できた。それには、スピリットの世界とこちらをつなぐ鍵が必要である。「アナザーホール」が開いたとき、そのゲートを開く要因となった鍵は、必ずこちらの世界に来ている。それを見つけ出す必要があった。
「暗黒の魔術師」シャドー タナトス エヴォーカー E 「アナザーホール」の鍵を見つけるのは、魔術師たちが分担することになった。同時に発生している問題である12宮スピリットたちを皇帝ラスから奪回する役目は「導き」の乙女たちの役目である。
妖薬の売人 タナトス デーモン C 毒薬に続いて、この世界で最も流通している薬とは何かご存じだろうか? 戦時においては傷薬などが飛ぶように消費されるが、平時では違う。実は、媚薬、いわゆるホレ薬の需要が高いのだ。異性を篭絡するためだけでなく、高位の者が部下の食事にこっそり混ぜて、忠誠心を持たせるのにも使うのだとか。特にタナトス産の評判は抜群だ。
タナトスの暗殺者 タナトス スケルトン C 「グラン・クレバス」内部に引っ込んだ「タナトス」だったが、国家機能を完全に失ったわけではなく、「マジェスト」への逆襲の機会を常にうかがっていた。幾度となく皇帝ラス暗殺の刺客が放たれているが、未だ成果はあがっていない。
「案内人」ジェントルマン タナトス デーモン R 泥沼の戦いに、先に嫌気が指したのはミニオンたちだった。彼らはスピリットたちに冥府の半分を差し出すことを条件に停戦を要求した。
タナトスの骨象 タナトス スケルトン R 冥府で起きたことは冥府の者にしかわからず、他国の者が侵入したなどよほど特殊なことがない限り表に出ることはない。ゆえに激しい戦いがあったにも関わらず「BS紫の陣」として公式に記録されることはなかった。
「秘法の女王」キャサリン タナトス デーモン L 12宮スピリットが揃うと危険というなら何体か破壊してしまえ、という過激な意見は珍しいものではなかった。だが、そんなことをすればスピリットとの全面戦争は避けられないし、「タナトス」出身者からしてみれば、蘇生してしまえばいいことも知っていた。調整は難事業であった。
フォルカロル タナトス ヒューマノイド E スピリットたちと、「マジェスト」とをかち合わせようと計画する者もいたようだが、スピリットたちは冥府の外に興味がなく、帝国側は冥府に興味がない。計画は頓挫するしかなかった。
「蒼の魔術師」クー ポセイド エヴォーカー R 各国導師級の魔術師たちが集まり、皆で「魔術都市」とコンタクトを図った。彼らの要請にこたえてくれたのはただ一人、同都市の魔術師協会の鼻つまみ者とされる人物だった。だが、彼女は天才だったのだ。
「荒波の魔術師」マリン ポセイド エヴォーカー E 「魔術都市」の天才の元には各国の魔術師だけではなく、事態を解決する知恵を求めて「導き」の乙女たちもやってきていた。彼らは相談のもと、天才から秘術を授かる。それは魔術師協会より封印された禁断の秘法であった。
ポセイドの魔法使い ポセイド マーフォーク R 「BS幻羅の陣」への参戦で、「ポセイド」で特に魔術を使う者たちの勝手な行動を問題視する向きが強くなってきた。他国であれば何らかの制裁があったかもしれないが、そこを「めんどくさいから、まあいっか」で済ませてしまうのが、「ポセイド」のポセイドたる所以であった。そりゃ「国境否定派」も言いたい放題、やりたい放題になるわって話。
マジシャンズラット ポセイド ラット C 「秘法同盟」の導師たちは、使い魔のラットを放って広く情報を募った。何しろ、「アナザーホール」の鍵がどんな形なのかすらわからない。おいしいチーズの産地から、裏の屋敷のネズミ捕りの位置まで、およそ関係ないと思われる情報もすべて検討したのである。ほとんど時間の無駄だったけど。
サイエンスワーム ポセイド シーワーム C スピリットの世界で、知恵がある者として最も有名なのは蛇族なのだそうだ。やはりと言えばいいのだろうか。当然と言えばいいのだろうか。生真面目なシーワームたちだから、勉強好きな者も多い。知恵の深さとニョロニョロの体には相関性があるに違いない。
シーライオ ポセイド ビースト C 「ポセイド」の住民の半数は定住者だが、もう半数は「ペンタゴナ」の中を回遊して生活している。束縛は定住者以外には意味がない。ゆえに「ポセイド」の雰囲気は緩く、自由を求める風土が強い。そもそも「国境否定派」をはぐくみやすい土壌があったと、後の研究で証明されている。
「秘法の乙姫」マリーサ ポセイド マーフォーク L 「魔術都市」の秘法を授かった者たちは、非公式に「秘法同盟」を結成する。秘密の共有が大きな理由ではあったが、国家の枠を超えて協力しあう団体としては最大の力を持つ集団が生まれたことになる。後日達成される天下統一においても、大きな役割を担うことになるのだ。
「波乗り」ジェニファー ポセイド ヒューマノイド E 各国バラバラの状況の中でも、異国から「BS」に参戦する者もいた。「国境否定派」の総本山ともいうべき「ポセイド」の魔法使いたちはその代表格だった。海上から「BS幻羅の陣」に駆け付けたのである。少しでも世界を平和に近づけたいという信念のもとに。
ペンタゴナ音楽隊「タンバリン」 ポセイド アーティスト R 「世紀末音楽祭」が終了したあと、ペンタゴナ音楽隊のモチベーションが下がるかといったら、即座に否定されることだろう。世紀末に全盛期を迎えられるかは完全に運である。そもそも第1編成メンバーの席には限りがあり、そこに座れるだけでも大変な努力が必要なのだ。音楽隊の切磋琢磨は常に続いており、ゆえにその音色は至高なのである。
「鎖姫」バーチェ ポセイド スプライト L 「BS幻羅の陣」でガイ・アスラ討伐に活躍したのはスピリットたちだけではない。最も華々しかったのは鎖の術を操る「ポセイド」の魔法使いであった。その術で次々にガイ・アスラの眷属たちを縛り上げていったのだ。
「白銀の魔術師」シル マキナス エヴォーカー R 「マキナス」の魔術師の中には、「アナザーホール」のコントロール方法を専門に研究している者もいた。しかし、現状を見れば、その研究が成果を残せていなかったことは一目瞭然だろう。
「球体の魔術師」ロイド マキナス エヴォーカー E 「アナザーホール」が開いてスピリットたちがこの世界に闖入してきたのはもちろん問題だが、もうひとつ深刻だったのが、「アナザーホール」が閉じてしまい、彼らを帰す手段を失ったことである。12宮スピリットたちが、こちらの世界の力のバランスを崩す存在であることが分かった以上なおさらだった。
マキナスの魔道士 マキナス アンドロイド C かつての関係ならば、「マキナス」の戦士たちはガイ・アスラ討伐に向かうスピリットたちに同行し、共に矛を並べたはずだ。しかし、今回はそうはならなかった。歴史的にみて比較的強固な同盟関係にあった「アグマ」と「マキナス」さえ、相互不信に陥っていたのである。
パトロール・ドローン マキナス ウイング C カメラとマイクを搭載し、遠隔操作により無人で偵察をおこなうための装置が存在する。しかも「マキナス」のそれにはAIが搭載されており、独自に判断し操作外の偵察もおこなう優れものである。しかし、今回はその機能が失敗につながる。「BS」の「アナザーホール」を既知の存在と認識し朗報として発信したのだ。これにより、事態の把握が遅れ、戦闘の激化を招くのである。
ジェット・カバン マキナス ハンター R 今回の「BS」事件によって、「アナザーホール」が常に同じ世界とつながっているわけではないことが立証された。同じと思っていたが、以前にも別の世界とつながっていた可能性に言及されつつある。実は証左もある。外見に違和感のあるミニオンが存在するのだ。ちょっとかっこわる……ではなくシャレがきいて……というかアレ? これってアレっていうか……なのだ。
マキナスの傭兵 マキナス アンドロイド R ミニオンとスピリット、両者の損害を抑えるのに役立ったのが傭兵たちの存在だった。対マジェスト戦用に雇われた傭兵たちは、本来の任務ではないこの戦いを補給や損害を少なくするように守り重視で適当に流して過ごしていたのだ。
「秘法の機婦人」オードリー マキナス アンドロイド L スピリットたちとミニオンたちの和解が早期に達成できたことが、「BS」における「導き」の乙女たちの最大の功績だったかもしれない。スピリットたちと力を合わせることができたおかげで、後の事件への立ち回りもスムーズになったのだ。
D-05 ファイアアクス マキナス ソルジャー E スピリットとミニオンの間の闘争の激しさは、「マキナス」が「アグマ」を上回った。「竜大戦」に対して最も大きなトラウマを抱えた国であり、侵略者への過度な防衛意識が育っていたのだ。まさに戦士たちを総動員しての戦闘となった。
「天才魔術師」エマ Lv1 ワイルドランド エヴォーカー L 「知識は宝ではなく道具だ。大切にしまっておいても意味がない。使ってこそ輝くものだ。」それこそが彼女を天才たらしめた思想であり、彼女が危険視されている理由でもあった。「魔術都市」において知識は武器だと捉えられていたからである。
鋭爪フラミンゴ ワイルドランド ウイング C 皇帝ラスより、密かに「マジェスト」国民に対して勅命が下る。「世界に散らばった12宮スピリットなる存在の情報を集めよ。可能であれば捕獲せよ」という内容のものである。多くの国民が共通の反応を示した。スピリット、なにそれ?
モンスタースラグ ワイルドランド モンスター C この時期、帝国「マジェスト」の斥候があらゆる地域に放たれている。彼らはあらゆる隙間に潜り込むことができ、なおかつ別個体であるにも関わらずそれぞれが見た情報を共有している。ラスによってスパイ用に作り上げられた生命体なのだ。
ジャーニーラット ワイルドランド ラット R 皇帝ラスの勅令が「導き」の乙女たちの知るところとなったのは、「マジェスト」を訪れていたラットによるものだった。彼が知り合いのネズミを呼び寄せ、観光ついでに教えてくれたのである。
サンドリーム ワイルドランド ビースト R 「BS」以降、皇帝ラスは12宮スピリットにご執心で、国政は投げ出された状態にある。それでもなんとか国が治まっているのは、弟子の召喚士たちと、恐怖ゆえではなく彼に忠誠を捧げる者たちの存在あってこそだった。
ウェイブスライム ワイルドランド モンスター C 皇帝ラスが12宮スピリットを捕らえるにあたって準備した秘密兵器が、無限増殖するスライムであった。どんなに倒されてもわいてくるスライムたちでスピリットを囲いこみ、生きたまま捕獲するのである。
アラクネ ワイルドランド モンスター E 「デメテー」に1体、12宮スピリットが保護されていることを知った皇帝ラスは、捕獲を専門とする蜘蛛の力を秘めたミニオンを密かに潜入させた。国家ぐるみで厳重に保護されているようだが、やってくれるはずだと信じて。
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「焔を飾るもの」ライオール アグマ モンスター R 確かにオルレアンの右腕を食いちぎった。しかし、目の前で怪鳥スタイルに「変身」した彼の右腕は、元に戻っていた。体の組成を組み替える「変身」の凄みを強調する出来事だったが、ライオンは冷静だった。こんな無茶が続くわけない。生えなくなるまで食いちぎるまでだ。
「愛づるもの」スキュラ アグマ モンスター C 「インビジブル」という名の海賊団は、海底のさらにはるか地下に巨大な空間を作り、そこから張り巡らされた回廊を伝ってペンタゴナ中に出没していた。それらすべての仕組みは、団長が自らの姿を参考に作りだしたとされている。
「欲張るもの」マンモール アグマ モンスター C 「セル」と呼ばれる魔具は常識を超えていた。「インビジブル」のアジトがあるのは海底の洞窟だというのに、炎と共に雑兵をまき散らす巨大なマンモスがいたのである。団長のスキュラを捕えるには、この用心棒を突破しなくてはならなかったのだ。
「奪うもの」シックル アグマ モンスター E 「インビジブル」に所属する多くのミニオンたちは、基本的に水棲ではない。「セル」と呼ばれる特殊な魔具によって、自らの周囲に結界を張り、地上と同じ状態を作り出すことで活動していたようだ。
迅雷のマスク ローゼル カナタナ 仮面 C 仮面の忍とニンフの女王の間にできた子供をさらってくる。それが彼女に課せられた任務だった。大召喚士が放ったゴブリンたちを影から追跡し、仮面の連中とやりあってる最中、どさくさに紛れてかっさらう。それが計画だった。
雷鳴のマスク シエル カナタナ 仮面 C 同じミニオンとニンフのミックスでありながら、「里」に受け入れられなかった者たちがいる。彼らは「変身」の力が足りず、「里」の技術と秘密を守るため、選別されるのだ。今は単なる追放だが、かつては無理やり天昇させられていたという。
撃滅のマスク クルエル カナタナ 仮面 C 相手となる「仮面の一門」は、「変身」することで手足が生えてくる連中だ。殺したとて、蘇らないとも限らない。天昇だ。天昇させれば、この世から完全に存在が消える。さらってきた女。こいつを天昇させるのが全員の望みだった。
奮迅のマスク ローゼル カナタナ 仮面 C あの娘の持つ力はとてつもない。少し取り込んだだけで、初めて「変身」に成功したのだ。ニンフとしての力を過剰に引き出したせいで娘はかなり不安定になっているけど、成長に犠牲はつきものでしょ? ああ、「変身」って気持ちいい。
喪亡のマスク ホロビエル カナタナ 仮面 R たった2人だったが、「仮面の一門」当主の力は絶大だった。「faulty」は全滅の憂き目にあった。たった1人を残して。今は潜伏するしかない。再び仲間を増やし、力を蓄えるのだ。「里」が存続する限り、復讐に終わりなどないのだから。
千貌のマスク サウザンド カナタナ 仮面 R 造反者たちのリーダーも元「仮面の一門」である。彼もまた「里」で選別された。だからといって、実力で劣るわけではない。ただ「変身」の能力が開花しなかっただけだ。これまで選別された者たちを保護しまとめ上げて来た。すべてはこの日のため。奴らが不良品として捨てた我々の方が、優れていることを示すのだ。
猛禽の仮面 デメテー 仮面/アイテム E 一般に「仮面」と言えば、顔を隠したり演劇や祭礼において何者かになりきるために使われる道具である。だが、この世界で「仮面」といえば「仮面の一門」の略称として使われることがある。これはその「仮面の一門」の秘術によって「変身」のお試しができる、「仮面」の仮面である、マニア垂涎の一品だ。
機巧駿車 デメテー 仮面/アイテム C 「仮面の一門」は専用の乗り物を持っている。二つの車輪で走行するそれはバイクと呼ぶらしい。爆音をあげて疾走するその姿は老若問わず雄の心をつかんで離さない。逆に雌からは出来立てのランチの上に止まろうとするコバエの如く嫌われている。
古刀 焔 デメテー 仮面/アイテム R 600年代後半から700年代初頭にかけて「かっちょいい」という言葉が大流行する。幼ミニオンが「かっこいい」とうまくいえず使ったのが最初だと言われ、転じて子供がいいと思うかっこよさを表現する言葉として使われた。「仮面の一門」が使用した剣などは、「かっちょいい」の代名詞といえるだろう。
仮面忍 地ノ型 デメテー 仮面 R 「変身」と呼ばれる能力を持つ者たちがいる。彼らは歴史の裏側に隠れ、表に出てくることは滅多にないが、唯一高名になったのが「仮面の一門」である。彼らは仮面や眼帯で顔を隠しながら、課せられた使命を果たすべく戦うものたちであった。 –『大公史』 公暦700年 第27節
仮面忍 炎ノ型 デメテー 仮面 C 「変身」は「同化」と違い、ニンフの力を必要としない。己の力のみで、様々な形態に自分を変形させるのだ。通常ならなしえない話だが、それには秘密があったらしい。彼らはみなニンフとのミックスであり、世界との境界が半分あいまいだったのだ。
仮面忍 轟ノ型 デメテー 仮面 E 「仮面の一門」が高名になるきっかけとしては、初代とされるミニオンにより「エクストリーム事件」が解決されたことが大きい。だが、彼自身の名は一切伝わらず、その仮面をした姿だけが印象に残ることになる。 –『大公史』 公暦700年 第28節
仮面忍 銃ノ型 デメテー 仮面 C 仮面の忍が最初に手掛けていたのは、アルラウネの失踪事件であった。これを探るうち、薬物「エクストリーム」の基幹となる原料がアルラウネの花粉であることを突き止め、かの組織と敵対することになるのである。
仮面忍 衝ノ型 デメテー 仮面 C 連絡のハトを放った後、組織のアジトへ単独で乗り込んだ。最後の最後で尾行に気が付かれたのだ。仲間の到着を待っていては逃亡の恐れがある。止むをえない決断だった。
仮面忍 四天ノ型 デメテー 仮面 L 「変身」という能力を持つミニオンとして、歴史上に初めて取り上げられたのは、「デメテー」の食客として働くエージェントであった。だが、伝わっているのは「仮面をかぶった忍」であったことだけであり、その詳細は当時も今も伝わっておらず、彼に娘がいたことも、何もかも秘密のままであった。
仮面忍 六連星ノ型 デメテー 仮面 L 組織のボスはあまりに強力であり、自分の力では倒しえないのを悟ったとき、彼は覚悟を決める。「エクストリーム」を自ら取り込み、すべての抑制を断ち切って「変身」したのだ。これまでのどの「変身」をも超えた「変身」。それは自らの未来を引き換えに、強大な力をもたらした。
怪異05 スカル・スミロドン タナトス デーモン C 最重要物質である「アルラウネの花粉」。それを調達するのは組織幹部としての大切な役割だった。だが、調達はうまかったが、注意力が足りなかったのかもしれない。仮面の忍に尻尾をつかまれ、組織崩壊の原因となるのである。
怪異04 ドール・ロール タナトス デーモン C 「エクストリーム」という合成薬物がある。それは過去最高クラスのトリップ作用を与えるのと引き換えに、脳の抑止力を破壊し際限のない狂暴化をもたらす恐るべき薬だ。とある「ドール」という名のデザイナーによって作られ、大流行することになる。
怪異02 ナブー・タブー タナトス デーモン C かねてからマニアの間では「エクストリーム」の名は有名であった。それが一気に大流行することになった背景には、個人から組織へドラッグの制作体制が変わったこと以上に、「世紀末音楽祭」開始による需要の高まりがものすごかったことにある。作る奴らはもちろん悪いが、買う側に罪はないのだろうか?
怪異03 ナイト・ナスカ タナトス デーモン R 「エクストリーム」摘発を困難にしていたのは、「魔術渡し」という独自の販売方法による。「蛇血の契約」なるものを結んだ売人の元に、薬物が魔術により転送されてくるため、直接接触がなく、末端を捕えても本体の組織までたどりつけなかったのだ。
怪異01 ホーン・テラー タナトス デーモン E 目の前で息も絶え絶えのミニオンによって、仲間たちの多く、特にデザイナーの「ドール」が討たれたことで、彼の組織は命脈を絶たれた。憎悪に煮える一撃を叩き込み復讐を果たす。だが、とどめの一撃を繰り出す瞬間に、金色の衝撃により彼は吹き飛ばされた。続く三連撃を感じる前に、彼の命は絶たれていたのだ。
海龍のガントレット ポセイド 仮面 R 「インビジブル」のアジトから発見された財宝に、非常に装飾豊かな海龍の籠手があった。あまりに美しく高名になったため、「龍籠」という略称までついた。あるとき、この略称をアホな子のミニオンが「コテコテ」と呼んだことから、この籠手を身に着けるがごとく豪華絢爛に着飾った様を「コテコテする」と表現するようになった。
トレジャーカットラス ポセイド 仮面/アイテム E 「財宝崩し」というゲームをご存じだろうか。宝の山の上にカットラスを乗せ、目隠しをした状態で順番にその山を崩しながらお宝をとるゲームである。もちろんカットラスが倒れたらゲーム終了。なぜか測ったように、倒れたカットラスは崩した者の腕をきれいに切り飛ばすそうだ。お試しの際はご注意を。
ジェットファントム ポセイド 仮面/アイテム C おお、神よ。あなたはなんてことをしてくれたのか。バイクでジェット、バイクで、ジェット! おお、神よ世界中の男が叫んでいるよ。俺にもあれをくれと……以上、ポセイド在住メタルさんからの投稿でした。
「獣王」オルレアン ポセイド 仮面 R 「仮面の一門」として、2番目に歴史に現れたのは、唯一名前が伝わるオルレアンという人物であった。彼自身ことさらに目立とうとしていたわけではないが、ひときわ目を引く上に特徴的な眼帯、傍らに常に少女を連れていたことで、記憶に残す者たちが多かったようだ。 –『大公史』 公暦707年 第43節
「捕食者」オルレアン ポセイド 仮面 C オルレアンの名が歴史に残ったのは、史上最大の損害をもたらした「インビジブル」と俗称される海賊団を壊滅に追い込んだ功績による。正体不明の一団を追い詰めるところが「仮面の一門」に共通した勲功だと言えそうだ。 –『大公史』 公暦707年 第44節
「剛獣」オルレアン ポセイド 仮面 C あまり知られていないことだが、オルレアンは大変な漁色家であった。愛弟子である少女に「お前の母親がわりは32人」とたいへん教育によくないことを伝えていたようだ。それだけの相手がいながら、彼が自分の子を為すことはなかった。
「千鋏」オルレアン ポセイド 仮面 C オルレアンの傍らには、常に1人の少女がいたことでも知られている。彼女は、彼の師匠の娘であったと言われ、同時に彼は娘の師でもあったようだ。彼女の存在のおかげなのか、オルレアンは守りの戦術にも長けていたとされている。
「触手」オルレアン ポセイド 仮面 C 「インビジブル」に所属する海賊船を単独で捕捉することはできていた。しかし、一度見つかると彼らはアジトへは決して戻らず、決戦を挑んでくるのである。結果、何度か拿捕できてはいたものの、敵の本隊に迫ることはできなかったのだ。
「怪鳥」オルレアン ポセイド 仮面 E 実はオルレアンは日に2回までしか「変身」できない制約がある。雑魚と思い油断したせいで、1回「変身」を使ってしまった。「インビジブル」のボスとの戦闘用にあと1回は残しておかなくてはならない。実にたまらない。この緊張感こそ、大好物なのだ。
「海龍王」オルレアン ポセイド 仮面 L あのマンモスを仕留める。決意と共に、オルレアンは「変身」した。自らが最も得意とするフォームに変わるとともに、竜のオーラが雑兵たちを一気に蹴散らす。マンモスの雄たけびに、雄たけびで応え、巨体に向かい特攻をかけた。
「波濤の覇者」オルレアン ポセイド 仮面 L オルレアンは、「変身」の力を駆使して、通常のミニオンたちではなしえない「ペンタゴナ」の広範囲索敵をおこなった。彼のオーラによる魚群を隅々まで走らせた結果、魔術によってカムフラージュされた海の大空洞への入り口を発見したのである。
メカニカルアタッシュ マキナス 仮面/アイテム R アタッシュケース。ぴっちりと角が整えられた直方体のカバンである。その中には拳銃、宇宙と交信する装置、自動で消滅するテープなど、ありとあらゆる「かっちょいい」道具が仕舞われている。幼ミニオンは大きくなったら絶対使いたいと夢見るが、成体が実際に使うことはほとんどない。
ロードブレイカー マキナス 仮面/アイテム C 操縦可能な自走兵器の概念は古くから「マキナス」には存在している。単座のものから複座のもの、はては輸送も念頭においたものなど、多様な運用がなされている。ただ、乗り手と合体し変形するものは他に存在しない。「変身」できる「仮面の一門」ならではのものといえよう。
シールドウェポン マキナス 仮面/アイテム E 矛盾という言葉をご存じだろうか? 最強の矛と最強の盾、どちらが強いか議論になり、だったら両方くっつけちゃったら無敵じゃね? という発想の元作られた盾型武器のことだ。転じて、天才的発想のことを指す。「その矛盾サイコー!」というのは最上級の誉め言葉である。マジサイコー。
NEMS ライジング マキナス 仮面 R この年、大規模な誘拐事件が起きた。「ディープ・フォッグ」と呼ばれるその事件は、「仮面の一門」の目覚ましい活躍により、瞬く間に解決した。久方ぶりの登場であったが、狙われたのが未成体のミニオンばかりだったため、一門の有能さが改めて際立つ結果となったのだった。 –『大公史』 公暦715年 第82節
NEMS フライング マキナス 仮面 C 「ディープ・フォッグ」の首謀者はゴブリンたちであった。彼らにしては周到で緻密な作戦が練られ、結果大きな被害を受けることになった。これは仮定の話でしかないが、知恵の働く何者かが、裏で糸を引いていたのかもしれない。 –『大公史』 公暦715年 第83節
NEMS マリーン マキナス 仮面 C ゴブリンたちを追い詰めるのは簡単だった。当主のバディである少女が囮となり、犯人にわざと捕まる。彼女の生体反応を追って移動経路を推定。先回りして潜伏し、一気に仕留めるのだ。作戦は見事に成功した。だが、真の問題はゴブリンたちではなかったのだ。
NEMS クロウ マキナス 仮面 C 「仮面の一門」の現当主であるNEMSはオルレアンの一番弟子であり、つまり仮面の忍の孫弟子にあたる。オルレアンの連れていた少女は今や一人前になり、彼と共に任務を執行している。兄妹弟子である彼女とNEMSは、血縁はなかったが、本当の兄妹のように見えたという。
NEMS キャノン マキナス 仮面 C NEMSは「変身」による心身の負担を減らすため、より正確にいえば天昇のリスクを減らすため、外部からのサポートにより効率的に「変身」するすべを「マキナス」の技術を導入することで可能にしていた。彼のみならず、その恩恵を受けたミニオンもいたようだ。
NEMS シールド マキナス 仮面 C 「ディープ・フォッグ」実行犯のゴブリンたちを捕まえるのは簡単だった。だが、その捕り物でごたつく中、仮面の忍の娘であるNEMSのバディが、何者かに連れ去られてしまったのだ。犯人は「faulty」と名乗るグループだった。
NEMS フルバースト マキナス 仮面 E 「仮面の一門」の1人、Vulc01が仮面の忍の娘を誘拐した組織「faulty」の詳細を知っていた。彼らのアジトも。「ディープ・フォッグ」の解決直後で、再び戦力を編成するには時間がかかる。この場合、時間が優先だと判断した彼は、Vulc01と二人で敵地へ乗り込んだのだった。
NEMESIS-00 マキナス 仮面 L 「faulty」のアジトの最深部に彼女はいた。見た瞬間に自分の心臓がすぼまる音が聞こえた。彼女の父はミニオンとニンフのミックス。そして母親はニンフ。彼女は「里」で最も特殊で、生物として不安定だったのだ。彼女は今、半ば透明となり宙に浮いている。急がねばならない。NEMSは「変身」した。最大出力のフォームに。
NEMESIS-99 マキナス 仮面 L 絶対に彼女を助け出す。妹弟子だから、バディだから、師匠からの預かりものだから、一門の正統後継者だから……そんなことじゃない。かけがえのない、たった一人の女性だからだ。最強のフォームでもダメだった。自分を超えるしか勝つ手段はない。胸に秘めた彼女と歩む未来の夢想は捨てた。残る全生命力をこの「変身」に注ぐ。絶対に彼女を助け出すのだ。
赤熱の仮面 アクセラ ワイルドランド 仮面 C 「エクストリーム」による無茶な「変身」は、仮面の忍をただちに天昇させてしまった。突然の当主喪失に一門は揺れたが、それをまとめたのがアクセラだった。彼は忍の死を伏せ、影武者として忍に舞い込む依頼をこなしていった。そうすることで、一門は徐々に落ち着きと結束を取り戻していったのである。
「隻眼」バートル ワイルドランド 仮面 C オルレアンには弟がいた。だが、その弟は兄に似ず、「変身」の才能が乏しかった。「変身」ができぬ者は選別され、「里」から追放されてしまう。そこで、オルレアンは自分の「変身」回数に制約を課し、その分弟に力を貸せるようにしたのだという。
「潜水士」アクアン ワイルドランド 仮面 R 仮面の忍の娘は、オルレアンに託された。彼は師として「変身」を含む様々な技術や知識を伝授していったが、情緒面の教育は苦手だった。それら含めて生活の面倒を見たのは、友人のアクアンだった。彼はしょっちゅう友人を「33番目のママ」と呼んでからかったが、報復として夕飯に苦手なキャロットライスをだされガッカリしていたという。
Valk エオリアRC ワイルドランド 仮面 C Vulc01はふたつの衝撃を携えて帰ってきた。当主NEMSの天昇と、半透明な状態の仮面の忍の娘である。当主喪失に揺れる一門はVulc01に任せ、エオリアは「里」の最長老の元へ向かう。今の状態の娘を任せられるのは彼ぐらいしか心当たりがなかったのだ。
Vulc01 シューティングモード ワイルドランド 仮面/ソルジャー R Vulc01にとって「faulty」という名は知っているどころではなかった。彼自身が創設に関わっていたからだ。当初彼も選別を受けた者だったのだ。現在の「変身」の力は、機械によって後天的に足されたものなのだ。当主であるNEMSの技術によって救われたのである。
骨仮面 ムクロ ワイルドランド 仮面/スケルトン L 預かった親友の娘。自分も間もなく消える。彼女自身と世界との境界がいよいよ曖昧になり、彼女を託せる者を見つけられない今、賭けに出るしかなかった。娘の父、師、兄弟子、天昇していった皆の力を結集し、娘に受け継がせる儀式を行う。かくして、彼女の最後の保護者の儀式により、この世にデミゴッドが誕生する。その者は、名を『憧れる者』といった。
青炎の仮面 アクセラ ワイルドランド 仮面 L 「仮面の一門」では、役職が重い者ほど、早く天昇する。地位の高さは実力と完全に比例しており、解決依頼の現場に向かうのは実力順だったため、それだけ「変身」回数がかさむのだ。アクセラがいつ天昇したかは定かではない。だがおそらく彼であれば誇り高く実直に最期を迎えたことだろう。
Vulc01 アサルトモード ワイルドランド 仮面/ソルジャー R Vulc01は、選別される者のつらさをよく知っていた。だから、傷ついた者たちが寄り添えるよう組織を作った。それが「faulty」だった。ところが、いつしか組織は「里」への恨みを募らせ、復讐する方向に変質していく。彼にはそれが耐えられず組織を離脱し、「里」へ戻るべく改造を受けたのだ。
Valk エオリアLH ワイルドランド 仮面 E 当主は天昇し、Vulc01は去り、最長老も何かの儀式のあと娘と共に消えた。かくして「仮面の一門」はいったん休眠状態に入ることとなった。再び実力を備えた当主が現れ、時代の要請にこたえることができる日がやって来るだろう。それまで、ほんの少しの休憩だ。
「竜砲士」バートル ワイルドランド 仮面 L 「インビジブル」殲滅戦において、「仮面の一門」の戦死者は1名だけだった。その1名は、当主オルレアンの実の弟だったようだ。死にゆく弟に対して、彼は一言「またな」と声をかけたという。
仮面の騎士 イーオス ワイルドランド 仮面 L 「仮面の一門」は全員が「ワイルドランド」の出身だった。ニンフの性質を持つ彼らは、世界との境界が曖昧で、だからこそ「誰かの役に立つ」ことで自らの存在を確かめたい欲求が高いのだ。彼らの故郷は「里」と呼ばれ、仲間の1人が守り続けている。
Vulc01 ゴリラモード ワイルドランド 仮面/ソルジャー C Vulc01にとって「faulty」との対決は単にさらわれた正統後継者を取り戻すための戦いではなかった。彼が放置してしまったがゆえに歪んでしまった忘れ物の清算だった。ゆえにリーダーのサウザンドは、彼が戦って決着をつけねばならぬ相手だったのだ。
Vulc01 ランペイジモード ワイルドランド 仮面/ソルジャー L 事件をきっかけに、Vulc01は再び「里」を抜けた。彼自身が倒したサウザンドをはじめ、中核メンバーを失ったことで「faulty」は瓦解した。だが、「里」からこぼれる者を救う場所は必要なのだ。もう一度、彼の手で新しく立ち上げるのだ。二度と間違えることがないように。
聖具のマスク アーク ワイルドランド 仮面 L 「里」に対する憎悪が、アークにとてつもない技を授けていた。彼女は十分強い。「faulty」のリーダーよりも。それでも敵わない「仮面の一門」の者がいるかもしれない。その時は技の出番だ。相手を無理やり天昇させるのだ。自分の命と引き換えに。そんな敵、当主NEMSに出会った。そして、彼女は実行した。高笑いとともに。
PACKCODE:05 GLORY
宝石人フローライト アグマ ジュエリスト C ジュエリストの強さや能力は、生まれてくる元となった鉱物の大きさによって決定されるとされていた。大きい方がよりよいと。だが、実はその鉱物がどれだけ純度が高いか、何色なのか、さらには鉱物からジュエリストを取り出すドワーフの技術によっても能力が変わるということがわかってきた。要はそれだけ生まれながらにして個性があるということだ。他のミニオンと同じである。
はじまりの宝石人 アグマ ジュエリスト C 「カナタナ」のエンジェルたちによる、突然の「アグマ」侵攻。6ヵ国の中でも比較的結束が強いとされていた2国が戦闘状態に突入するとは、誰も予想していなかった事態であった。国家の主流を占めるドワーフたちは、動揺を隠すことができず対処にあたったのは、かの大戦後に生まれた新種族ジュエリストたちであった。 –『大公史』 公暦807年 第36節
宝石人ブルーベリル アグマ ジュエリスト R 戦天使たちによる変幻自在の攻めは、「アグマ」の軍勢を大いに苦しめた。「アグマ」といえば攻める戦いが得意に思われがちだが、ドワーフとゴレイムのコンビは、その粘り強さから防衛戦も実は得意である。だが、誕生して間もないジュエリストたちは、応用力に難を抱えており、戦天使たちへの対応で右往左往させられたのである。
宝石人オプディアン アグマ ジュエリスト C ジュエリストたちは、生命に関する感覚が希薄だ。彼らは鉱物から誕生しており、破壊されるといったん命は失われ鉱物に戻る。しかし、時間をかけてもう一度鉱物の卵に戻り、再び生まれてくるのだ。ジュエリストにとっての死は、ちょっくら眠ってくるわ、おやすみ! ぐらいのもののようだ。
ゴレイム「タイプ:ブロック」 アグマ ゴレイム/レギオン R ドワーフがいるところには、常にゴレイムがいる。英雄の軍団にも、ドワーフとともにゴレイムが加わっていた。だが、今回に限っては、意外なことにゴレイムがより積極的に参加を推し進めたようだった。どうやら、ドワーフたちが褒めちぎる英雄エラーに興味を持ち、どうせ聞くなら彼女の命令が聞いてみたいということだったようだ。同じ「働け」でも言われる相手によって受け手のモチベーションがかわるのはよく理解できる。ゴレイムも同じなのだろう。関節の稼働音が心持ち高音なようだ。
宝石人ムーンストーン アグマ ジュエリスト C 「カナタナ」の襲来は突然だったが、撤退もまた突然だった。攻撃の手が緩んできていたと思っていたが、いつのまにやらいなくなってしまっていたのである。ひとまず防衛に成功はしたわけだが、「アグマ」側からすればいまひとつ勝ったという実感を持ちづらい幕引きであった。 –『大公史』 公暦807年 第63節
「朱の隊長」サクラ アグマ レギオン E 帝国が用意した防衛網は次々と突破され、帝国軍は撤退を重ねていく。それはひとえに迅速の傭兵の為せる技であり、勝敗の先が見えた時から、「グローリー」の朱の部隊が戦場を離脱。撤退している敵はあえて追撃せず、彼らが逃げ込んだ先を突き止めるとともに急襲をしかけ、彼らが防衛の準備を整えるのを阻害していたのだ。
「蒼玉の騎士」宝石人サファイア アグマ ジュエリスト L ジュエリストたちの戦い方に変化が見られたのは、ある騎士が先導を始めてからだった。彼らは細長く伸びた陣形を組み、一本の川の流れを思わせるがごとく蛇行を繰り返し、戦場を無尽に駆け回り始めたのだ。不規則に思える動きは、だがしかし確実に戦天使たちの動きをとらえ始める。後世「メビウス」と呼ばれ完成される機動戦術の初陣であった。
「太陽の騎士」宝石人コハク アグマ ジュエリスト E 第2次マジェスト戦役が勃発しても、「アグマ」は動くことはなかった。帝国への苦々しい思いは共通してはいても、英雄の軍団が敗北したときのことを考え、表立って対立することは避けたのだ。どんな危機にも勇気ある決断をくだし、率先して戦ってきた「アグマ」らしからぬ決断だったが、それだけ「カナタナ」からの攻撃を受けた他国への不信感が強かったということなのだろう。 –『大公史』 公暦807年 第76節 
アグマの戦場料理人 アグマ ドワーフ/レギオン R 「アグマ」には比較的国境否定派は少なく、一般的に愛国心が強い国民であると思われている。英雄の軍団に身を投じた者たちには、表立って反帝国ができないため、影から動こうという意図があった。皇帝ラスによって、「タナトス」遠征に加わった者たちが拉致されたと考えており、これを救出したいと常々思っていたのだ。
「炎剣竜」アーマードサウルス アグマ ダイナソー E 「アグマ」に対しても「マジェスト」からの編入勧告は再三再四おこなわれていたようだ。新たに支配階級に加わった恐竜たちは、「マジェスト」の勧告を受け入れる姿勢を示していたが、主流であるドワーフやジャイアントたちは、これを断固として拒否していた。 –『大公史』 公暦807年 第23節
「火山の巨人」ヴォルカニック アグマ ジャイアント L 巨人は体がでかいというだけで、考えるより筋肉と思われがちだが、自然崇拝に軸足をおいた知識階層がけっこう存在している。知性派でも肉体派でも、巨人は内面との対話が大好きだ。知性派は自然に語り掛け、肉体派は自分の筋肉の声を聴く。どちらも兼ね備えた火山の巨人などは、1日のうち3時間はじっと動かぬまま対話を続けるという。究極の一人上手である。
戦天使アクス カナタナ エンジェル E 戦天使たちは、エンジェルの中でも特に理知的であることで知られている。理性が圧倒的に感情を上回るため、あたりが強く冷たく感じられることが多い。だが実は、彼らは人情噺が大好物で、感動すると表情をいっさい変えぬまま大粒の涙をぼろぼろこぼすという。「カナタナ」では戦天使のような無表情な泣き顔のことを「キツネのヨメイリ」と呼ぶそうだ。語源は不明である。
戦天使コーラー カナタナ エンジェル C 年初から突然開始された「マジェスト」による「マキナス」攻め。その最中、皇帝ラスより他の国々に対し再度の従属の勧告がなされる。「カナタナ」ではクーデターとまではいかぬまでも劇的な政変が起こり、国政の中心にいたはずのアヴィアンたちを振り切った戦天使たちがラスの呼びかけに応えて従属を申し出たのである。 –『大公史』 公暦807年 第19節  
戦天使メイル カナタナ エンジェル C 戦天使たちにしても、未来は「マジェスト」の上にあると思ってはいなかった。「マキナス」のようにいきなり標的にされるのは避けたかった。面従腹背が基本路線であり、時間を稼いで国力を蓄えようと考えていたのだ。そこに下されたのが「アグマ」攻略の命令である。彼らは自分たちの甘さを痛感することとなるが、時は巻き戻すことはできなかった。
クロコシャーク カナタナ キマイラ/レギオン R 天才エマと英雄エラーは旧知の仲であった。以前からコンタクトをとっていたようだが、あらためて「秘法同盟」に英雄の軍団との共闘を求めるため、エラーが彼女らの元を訪れることになった。やって来たのは空飛ぶ巨大なワニで、エラーはなんとその口の中から現れた。よだれぐっしょりで。出オチ一発かますつもりが壮大にスベるという、前途多難な初対面となった。「水着なら大丈夫だと思った」とのたまうミニオンはおいといて、付き合わされたワニくんに心からの同情を送りたい。
「宮廷学者」ボストン カナタナ ガーディアン E この当時の「カナタナ」の行動に関して、究極の日和見とするか、周到なる準備と計画による先を見通した国家運営とみるかで、歴史学者の意見も別れている。事実としてあるのは、第2次マジェスト戦役の結果が出る前の時点で、学者たちによって「カナタナ」を国家として解体する絵図面が引かれていたということだけだ。 –『大公史』 公暦807年 第80節 
戦天使ナース カナタナ エンジェル C 「マキナス」よりもたらされた二つのニュース。「マキナス」の降伏とラスの「マジェスト」帰還。降伏は残念だったが、帝国軍の帰還は彼らの遠征がいったん終了することを意味していた。「カナタナ」にかかっていた圧力が一時的に半減したのだ。この報を受け戦天使たちは方針を変更する。「のらりくらり」である。適当に戦って、勝てなかったごめんちゃい、とテヘペロをかます(ナース談)ことにしたのだ。
「天空の双剣」戦天使ツインソード カナタナ エンジェル E 「アグマ」にしてみれば突然に思えた撤退だったが、当然事情があった。帝国から直々の撤退命令と共に、「マジェスト」への援軍の要請があったのだ。そう、戦天使たちが「アグマ」を相手にしていたその裏で、より大きく歴史が動いていたのである。帝国対「グローリー」。第2次マジェスト戦役の勃発である。 –『大公史』 公暦807年 第64節
戦天使アーチャー カナタナ エンジェル R 「マジェスト」からの圧迫を受け、戦天使を中心とする「カナタナ」指導部はついに「アグマ」への出兵を決める。しかも、宣戦布告を伴わない奇襲攻撃によって。それは後の世に禍根を残す卑劣な戦法だったが、もし和解する方向に転んだ時、「軍部の暴走」ということで自分たち戦天使がトカゲの尻尾となって切り捨てられることで「カナタナ」自体を守れるよう考えた結果でもあった。 –『大公史』 公暦807年 第34節
「戦場の天使長」戦天使ホーリー カナタナ エンジェル L 戦天使たちが得意とするのは、神出鬼没の奇襲戦法である。味方すら姿を見失いかねない変幻自在の戦術は、天使長からくだされる「エンジェルサイン」によって伝達され、実行にうつされる。戦場で踊っているようにしか見えない彼女の一挙手一投足がすべて部下たちへの指示なのである。
カナタナの豪傑 カナタナ アヴィアン/レギオン R 厳かな会談の後、「秘法同盟」は英雄の指揮下に入ることが決定された。これにより、英雄の軍団は急激に膨張していくことになる。ある意味、英雄以上に一般のミニオンたちへの影響力の高い導きの乙女たちが参入したことで、国境否定派に限らないこの世界の現状を憂う多くのミニオンたちが、軍団の旗の下に集結していくのである。 –『大公史』 公暦807年 第24節
「黄昏の隊長」ライカ カナタナ レギオン E 帝国軍との本格的な戦いを進めていくことで、「グローリー」の内部組織は自然に再編成されていった。主力である12の部隊とアルテガルの直属部隊、そして英雄エラーの遊撃隊、補給医療を含む後方部隊の計15隊からなる。最も特徴的なのは、国の概念が完全に取り払われていたことである。各隊ごとに各国出身者を均等に割り振らなければならないといった悪しき平等主義も存在しない。個の能力だけを見て編成された、まさに自由の軍隊であった。皮肉にも敵である帝国だけが、同じ理念の軍編成だったのである。
「高山の怪鳥」パープルロック カナタナ ウイング L 「カナタナ」には果報鳥と呼ばれる巨大な鳥がいる。もし見ることができたら、何かラッキーなことが起きる縁起のよい鳥とされてきた。ところが災厄竜が出現して以降、見かけたところで良いと感じられることが滅多におこらず、あれは果報鳥ではなく阿呆鳥だとバカにされるようになってしまった。だが考えてほしい。様々な災厄の中で生き残って空を見上げられることがどれほど幸運なことなのか。幸運とはすぐ隣に転がっているものなのかもしれないよ。
獣人クーン デメテー トライブ C 森に囲まれた世界であるためか「デメテー」にはどこかのんびりとした印象がある。だが、もちろん中にはせっかちな者も存在する。獣人たちである。彼らには独自の「3秒ルール」というものがあり、質問してから3秒以内に答えがなかったら、肯定したものとみなす。3秒は意外と長く、通常の会話で問題になることはさほどない。ただ、悩みごとの相談だろうとプロポーズだろうと即断即決が求められるのは雌から不評らしい。
獣人シバ デメテー トライブ R 他国の者から見ると、サルたちも獣人の一派に見える。だが、当事者同士はまったく違うと主張している。獣人は例えばヒューマノイド型の犬であり狐であり狼である。それに対して、サルはまんまサルだ。別の姿が存在するわけではない。いや、言われてみれば確かに違いはありますよ。それでもみんな言うだろう。同じじゃね?
「鎖剣」獣人ウルフロット デメテー トライブ E 森を飛び出し、「マジェスト」にたどり着いた獣人たちは、後続のエルフたちを待った。彼らの出撃を聞いて、他国も反応してくれるかもしれない。だから待った。でも、誰かが一言「待ちくたびれたし、特攻してえ」とつぶやいてしまった。沈黙の3秒後、彼らは突撃を開始してしまうのである。せっかちと3秒ルール、このコンボはヤバい。
獣人シャムム デメテー トライブ C 獣人たちに人気のカフェがある。経営しているのは同じく獣人の女性である。彼女を目当てに来店する者も多いが、評判なのはコーヒーである。何がいいかというと、3秒で出て来て、すぐ飲めることだ。ただこのコーヒー、すぐに飲めるようにぬるくて、早く出してしまうため薄い。獣人以外の一見さんは、何かの間違いかと思ってビックリするそうだ。
モルフェオ「コリー」 デメテー モルフェオ E モルフェオたちは悲しんでいた。久々に評議会が開かれたのに、最初に発言した獣人たちがさっさと採択をとって勝手に解散してしまったのである。しかも、戦争参加に関する話だというではないか。帝国だとかそんなことになぜかまうのか。撫でられるならアゴの下派か耳の付け根派かによる百年戦争の方がよっぽど深刻だというのに! ちなみに自分は断然耳の付け根派だ。
デメテーの巫師 デメテー エルフ/レギオン R 「デメテー」出身の長老によって起草された文言が用いられ、帝国「マジェスト」に対し、多国籍軍団「グローリー」の名において宣戦が布告された。帝国としての世界支配に対する挑戦であり、全世界の運命の分かれ目となる決戦であった。前大戦に続き英雄エラーの姿がそこにあったのは、偶然ではない。この時代、歴史の中心には常に彼の英雄がいたのだ。 –『大公史』 公暦807年 第73節
獣人フォクシー デメテー トライブ C 獣人たちの「3秒ルール」。彼らはそれを評議会の場で使うという荒業に出た。もともと反帝国の機運が強かった主流派のエルフたちが、こともあろうにそれに乗っかったのである。かくして、「デメテー」としては異例の速さで反帝国の出陣が決定される。防衛戦が得意な彼らが、あえて打って出ることにしたのだ。
「一角獣王」獣人キングリオン デメテー トライブ L 「デメテー」としては意外だったことだろう。反帝国に他の国々は呼応しなかったのだ。だが、彼らは単独でも挑むことを選んだ。その勇気が歴史を変える。英雄が作った軍団「グローリー」がその腰をあげ、「デメテー」の戦いに追随したのである。 –『大公史』 公暦807年 第72節
「大地の隊長」アーノルド デメテー レギオン E 後方支援部隊である大地の部隊は、ならではの苦労が多い。外に目を向けると帝国軍が頻繁に補給線を狙ってくるので、対処するために常に警戒を怠らないようにしなくてはならず、内を見ればいつの間にか配属されたモルフェオたちが隙あらばつまみ食いをしようと狙っている。あまりのストレスに隊長の頭に10円ハゲができたのは公然の秘密である。
「石鎧」アルマカーネ デメテー ビースト E 結成された軍団の名前に「エラルダス」が使われなかったのは、エラー本人の要望による。今回の軍団は世界を帝国から解き放つ皆の戦いであり、自分の名が冠されるのはおかしいというのがその主張だ。その後紆余曲折を経て、軍団員の犬型ミニオンの発案による「グローリー」が採択される。結果、エラーに「栄光の英雄」という新たなふたつ名が誕生するのである。本人がなんといおうと、みんな彼女が主役だと思っていたということだ。
チェストナットツォーク デメテー ツリーフォーク/レギオン R 「デメテー」の公式な立場は、反帝国ではなく非帝国である。何しろこの国は、その特性上足並みをそろえるのが非常に苦手である。全氏族に平等に発言権がある上、しかも、結界の中の時間進行が外の世界と違うため、とにかく時間がかかる。外交において、だいたい中立もしくは知らんぷりになってしまう。今回も御多分にもれず、何の決定もない非帝国なのだ。
「治癒の緑龍」フォレスト デメテー ドラゴン L 「カナタナ」に竜たちが居住をはじめて数年、6ヵ国に徐々に慣れて来たことで数体のドラゴンが別の国に移住をしている。「デメテー」にも1体やってきており、千年杉と契約を交わして行動の自由を得るにいたっている。もともと「ワイルドランド」の森林地帯出身だったようだが、どうやら「麗の森」の方が気に入ったようで、夕暮れ時になると優雅に飛翔する姿を拝むことができる。
永遠の魔女 タナトス ヒューマノイド E ヴァンパイアは吸血によって眷属を増やすが、当然、すべての元となる始祖のヴァンパイアがいるはずだ。始祖については様々な通説があるが、そのひとつに不老不死を得た魔女が自分のパートナーにするために最愛の男性に儀式を施した。その時、飛んできたコウモリにビックリしてちょーっと男性にそのコウモリの因子がまざっちゃったらしい。そりゃもう、3千年ふて寝するほどがっかりしたとか。
アーマーバット タナトス ウイング C コウモリは血を吸うと勘違いされているが、実は果物が大好きな種が多い。問題なのはヴァンパイアたちで、あいつらが目をつけたミニオンは、なぜかコウモリ的に果物のエッセンスを感じてしまうのだ。その甘い香りに誘われ、思わずチューっと、チュッチューっと。だから吸っているのは血ではない。果物っぽい赤い液体だ。
美食のヴァンパイア タナトス ヴァンパイア C 皇帝ラスが「マキナス」征伐に出立してからおよそ3ヵ月ぐらいたってから、本国である事件が始まった。『ヴァンパイア・ショック』と呼ばれるそれは、その名が示す通りヴァンパイアが大量発生する出来事である。吸血によって眷属を増やす彼らにより、住民が次々とヴァンパイアと化していったのである。 –『大公史』 公暦807年 第51節
魅惑のヴァンパイア タナトス ヴァンパイア R 皇帝ラスが「マキナス」から帰還したのは、当然彼自身と戦力の回復を期してのことではあったが、一方で一向に解決のめどが立たない『ヴァンパイア・ショック』を終息させるための知恵を皇帝に求められたというと裏の理由もあった。できたばかりのこの帝国は、まさに皇帝におんぶにだっこだったのである。
「悪魔娘」シンドラ タナトス デーモン E ヴァンパイアたちのやり方には常々腹を立てている。いたずらで他人の命をもてあそぶなんてもってのほか。魂をなんだと思っているの? ミニオンの魂は、きちんと契約して正々堂々と奪うべき。罠を張って、ウソで誘惑して真剣に盗むもの。いたずらなんてひどすぎる! ……あなたは彼女の主張、どう思いどう感じましたか? ご意見お待ちしております。
悪戯好きのヴァンパイア タナトス ヴァンパイア C ヴァンパイアたちは、気まぐれでいたずらで、その上高慢だ。それは血を吸われ、新たにヴァンパイアとなった者も例外ではない。皆以前の人格は消え去り、ヴァンパイアっぽい性格になるのだ。どんなにかわいい外見をしていても騙されてはいけない。彼らは間違いなくあなたのことをミジンコ以下だと見ているのだから。
ブラックランス タナトス デーモン/レギオン R 特に命じられたわけではなかったが、冥界の住人が英雄の軍団に馳せ参じるとき、未だ帰還せずに冥界に巣くっていたスピリットたちに共にこないか誘ってみたという。だが、スピリットたちが6ヵ国の趨勢に興味などあろうはずはなく、逆に皇帝ラスの手下にチクられてしまった。宣戦布告時に帝国が万全の態勢で待ち構えていた理由は、ここだけの秘密だ。
「黒の隊長」アイ タナトス レギオン E 全身全霊をかけ、皇帝ラスは天の再召喚の術式を開始する。「グローリー」の黒の部隊により皇宮が占拠されたのを知り、この形勢すら引っ繰り返すことができる最後の手段に賭けたのだ。すでに1体目の召喚獣は英雄によりいなされたが、今度はそのエラーをも巻き込みすべてを消し去るのだ。果たして術式は完成する。逆転の期待に笑みを浮かべ全魔力を空中に解放する。だがしかし、その力がゲートを開くことはなく、負荷はすべて術者であるラスに返ってきた。笑みを浮かべたまま、圧縮された魔力に全身を引き裂かれていく。皇帝は賭けに敗れたのだ。 –『大公史』 公暦807年 第106節 
「徘徊者」ナイトウォーカー タナトス ヴァンパイア L 常にそうであるように、今回の『ヴァンパイア・ショック』も発生源となったのはたった一人のヴァンパイアが長き眠りより目覚めたことに起因する。血を吸われ眷属となった者たちには、実は寿命が存在するのだが、儀式により吸血鬼化したものは不死の存在である。死しても霧となって漂い、いつしか肉体を取り戻して目覚め、また事件を起こすのである。
騎士のヴァンパイア タナトス ヴァンパイア E 寄せ集めの軍隊が、帝国を詐称する連中と戦争状態になったのは、ヴァンパイアたちにとって愉快な出来事だった。外の連中と力を合わせるつもりなどさらさらないが、辺境から別系譜のヴァンパイアを呼び寄せるような卑劣な輩にさらに大きな泡を吹かせるよいチャンスだ。この好機にさらにいやがらせを加速させることを決心したのだった。
タナトスの没落貴族 タナトス スケルトン/レギオン R 九神龍リジェネレイトを打ち破ったエラーであれば、皇帝ラスの切り札である天の召喚獣を打ち倒せることを皆が理解していた。軍団の役目は、ラスとともに召喚獣を引きずりだすことだ。ラスと帝国軍のより正確な動向を把握するために、軍団のメンバーの1人が帝国に潜伏を続けている。帝国軍の雑用係に身をやつし、さげすまれながらも情報を拾っている。それもまた、戦いなのだ。
「死の霧」ミスト・リーパー タナトス モンスター L 「タナトス」で幼ミニオンのしつけの時に、よく口の端に上るのが「死の霧」である。夜寝ないと「死の霧」が出る、好き嫌いをすると「死の霧」がやって来る、宿題をしないと「死の霧」を吸ってアホになる、ギャンブルをしていると「死の霧」が全財産巻き上げるなど、あらゆる悪事に反応する万能選手だ。ちなみにこの「死の霧」であるが、ミニオンとして実在する。あんまりな評判にちょっと傷ついているそうで、出現するときは笑顔がモットーだそうだ。見えないけど。霧なんで。
裏方のタコハチ ポセイド アーティスト C サーカス団の裏方は、非常に大変な仕事である。大工とお針子と清掃員と飼育員、すべてを兼ねなくてはならないのだ。「魔法サーカス団」の裏方はあらゆる仕事を器用にこなすやり手である。しかもこのサーカス団には、まさに裏方と呼ぶにふさわしいもう一つの仕事まであるのである。腕が6本あっても足りないぐらいだ。
魔法サーカス団シャボン ポセイド アーティスト C 「ポセイド」は様々な娯楽にあふれた国だが、有名なもののひとつにサーカスがある。特にマジックを使った派手な演出で近年トップシーンに躍り出た「魔法サーカス団」は世界的な名声を手にし、各国から引っ張りだこだ。どの国も、年がら年中戦争しているわけじゃなく、紛争の合間を縫って娯楽を提供しているのだ。感謝。
魔法サーカス団支配人 ポセイド アーティスト C 実は「魔法サーカス団」の支配人は、「ポセイド」の公的機関において重要なポストが与えられている。だが、その事実は秘されており、団員ですら知らない者がほとんどである。秘密にしているのは後ろめたいことがあるからで、サーカスの遠征が実は公務であることも当然隠されている。ここまで言えばご理解いただけるだろうか。これ以上の言及はこちらの身が危ない。
ペンタゴナ音楽隊「シンバル」 ポセイド アーティスト E アーティストたちには2パターンいて、比較的異業種との横のつながりを大切にするタイプと、ひとつの世界に没頭し一心不乱に自らを極めるタイプがいる。ペンタゴナ音楽隊のシンバル担当は、圧倒的に前者だ。目下の悩みは、ペンタゴナ音楽隊と言えば皆に一目置かれるのだが、シンバル担当というと何だか反応に困った顔をされ、自分でオチをつけてしまうところ。いや、繊細で技術がいるんだから、みんなわかってよ! って大声で言いたい。
ブレイド・ワーム ポセイド シーワーム/レギオン R 噂をたどって、「ペンタゴナ」に世界各国から続々と国境否定派の戦士たちが集まってきていた。密かに彼らを選別し、英雄の元へと送り届けるのは、シーワームたちの役目だった。彼らの秘密のベースへと案内し、そこで英雄たちのあらたな軍団「グローリー」が結成されていったのである。
「水の精霊」アクアスプライト ポセイド スプライト E 精霊とニンフの違いがわかるだろうか。ニンフとはこの世の素であるエーテルに近い半ミニオンのような存在だ。対して精霊とはエーテルから作りだされる元素を独自の魔術を使って自由に操る妖精のことである。酒精が相手を酔わせる能力をもつニンフだとするなら、酒の精霊は自由自在にお酒をデザインできるバーテンダーみたいなものだ。ややこしいという者は、とりあえず1杯飲もう。世界のすべてがわかった気になれるから。
魔法サーカス団テイマー ポセイド アーティスト R 「魔法サーカス団」の猛獣使いは、よそとはひと味違う。彼女は観客のミニオンをテーミングして舞台に引っ張り出し、芸をさせてしまうのである。どんなミニオンを手名付けたかで、芸も変わる。楽しく一緒に演奏したり、いきなりチビドラゴンと取っ組み合いをさせたり、このサーカス団にリピーターが多いのは、彼女の功績かもしれない。
「渦の隊長」レオンハルト ポセイド レギオン E 治安維持のための戦力を除き、全部隊による皇帝ラスの捜索がおこなわれたが、その姿はついに発見することができなかった。唯一、渦の部隊の隊長が見つけ出したのが、皇帝を示す錫杖とそれをしっかりと握りしめたまま肘のあたりで千切られたラスのものとおぼしき右腕だけであった。これをもって、皇帝ラス消滅の証としたのである。 –『大公史』 公暦807年 第109節 
魔法サーカス団「道化師」スタン ポセイド アーティスト E 「魔法サーカス団」のピエロは、かつて導きの乙女の1人であるマリーサの家令だったそうだ。かなり優秀だったそうだが、それがなんで今はピエロなどをやっているのかは謎であり、本人もおどけるだけで語らない。ただ、両者のつながりは現在でも健在だそうで、サーカス団にいるのは裏で導きの役目を助けるためだという噂だ。
ポセイドの老戦士 ポセイド マーフォーク/レギオン R 最初に英雄エラーを迎え入れたのは、やはり「ポセイド」の者たちであった。彼らは帝国からエラーの姿を隠し、その帰還のみを噂にのせばらまいた。「暴虐の王ラスを征伐するため、竜殺しの英雄が助けにきてくれた」のだと。それは風よりも早く世界中を駆け巡ったという。 –『大公史』 公暦807年 第8節
魔法サーカス団「トップスター」エリー ポセイド アーティスト L サーカスのトリを飾るのは、看板娘エリーによるマジックイリュージョンだ。次々と繰り出される幻想的な魔術のフィナーレは夜空を埋め尽くす幻のドラゴンたちによる行進である。最後にドラゴンたちが星屑となって客席に降り注ぐとき、あまりの感動に失神者が続出するそうだ。現在チケットはプレミアがついているが、それだけの価値はある。保証しよう。
「嵐の巨人」オーシャンストーム ポセイド ジャイアント L 「アグマ」に多く生息しているため、巨人は「アグマ」にしかいないように思われがちだが、実は各国に存在している。だが、文明化されている「アグマ」の巨人たちとは違い、他国の巨人たちは災害をもたらすものとして恐れられているのがほとんどだ。「ポセイド」の巨人は嵐と共にやってくる。
キャノンバード マキナス アームズ C 事実上、6ヵ国体制が崩壊するこの年は、「末期の1年―ザ・ラスト・イヤー」と呼ばれ記憶されている。ひとつの時代の終焉と、さらなる未来への萌芽となるこの年の幕開けは、皇帝ラス率いる帝国「マジェスト」による「マキナス」総攻撃というまさに末期を象徴する出来事であった。 –『大公史』 公暦807年 第1節
ライノブレイド マキナス アームズ C 数においては「マジェスト」が圧倒していた。しかし、「マキナス」では「BS」によってやってきたブレイヴたちに触発され、ニンフに頼らない加護の方法が模索されていたのだ。完全ではないものの、実戦配備に入っており、それが功を奏したのである。
キャリースワン マキナス ウイング R 「マジェスト」と「マキナス」間で停戦条約が締結。以降、「マキナス」は「マジェスト」への従属が決定した。手始めに「マキナス」の現在の国庫から、実に30%もの破格の財産が徴収され、監視のための駐留軍以外は本国へと帰っていった。「マキナス」の国家財政は実質破綻に近く、経済面でも「マジェスト」への隷属が強いられるのである。 –『大公史』 公暦807年 第43節
D-17 バリアード マキナス ソルジャー E ズタボロにされた「マキナス」だったが、彼らが歴史に与えた影響は大きい。皇帝ラスの想定を上回る善戦によって、彼の計画は減速を余儀なくされる。本来であれば続けて「デメテー」を攻略する予定だったが、召喚に全力を使い切ったため長期の休息が必要になったのだ。この時間的余裕によって、反帝国レギオン「グローリー」の結成が間に合ったのである。
マキナスの両剣 マキナス アンドロイド/レギオン R 「マキナス」から英雄の軍団に参加した者たちは、そのほとんどが第2次マジェスト戦役勃発後に編入されている。この年、最初から戦闘状態に突入した「マキナス」としては自国の防衛で手一杯で、英雄どころではなかったのだ。後から参入組ではあったが、復讐心を抑えて規律に従うその姿は、寄せ集めの軍団中の完璧な兵士としてむしろ皆の手本になったという。
D-06 ランチャーボット マキナス ソルジャー C 歴史上、最も大規模な瞬殺と呼ばれる事件が2例ある。ひとつ目は「ワイルドランド」において九神龍とよばれるドラゴンの頭目のブレスによって、当時遠征していた兵士たちが一瞬で消し炭になった事件。そしてもうひとつが、「マキナス」侵攻において実行された皇帝ラスによる天の召喚によるものだった。両者を味わうことになった「マキナス」という国はどれほどの疫病神に憑りつかれていたのだろうか?
「銀の隊長」リーナ マキナス レギオン E 「グローリー」15部隊の中でも銀の部隊とエラーの遊撃隊との連携は絶妙で、軍団全体から最強の切り札として認識されていた。帝国本土決戦においても、帝国軍の主要な守備隊を銀の部隊が蹴散らし、最終戦力である九神龍や天の召喚獣をおびき出してエラーの一撃で見事に粉砕したのである。
D-15 チェンソール マキナス ソルジャー C 第2次マジェスト戦役勃発後、「マキナス」としてはすぐにでも帝国に対する復讐戦をしかけたいところであった。しかし、駐留軍もさることながら、財政が握られてしまったのが問題だった。補給がままならず、派遣する軍隊を編成する余裕すらなかったのである。パンも弾もなければ戦争はできない。 –『大公史』 公暦807年 第77節 
ブラック・レオパルド マキナス ハンター/レギオン R 英雄の軍団「グローリー」にとって、「マキナス」出身者の加入は大きな助けとなった。直前まで戦争状態にあった者たちは貴重な情報源であり、特に戦争中に現れた召喚獣に関するデータは非常に重要な意味をもっていた。皇帝ラスの召喚獣、天の存在を知っているのといないとでは、まるっきり違う結果が導かれていたかもしれないのだから。 –『大公史』 公暦807年 第89節
D-11 ダークガンナー マキナス ソルジャー E 実戦配備されたアームズたちはダグラス社製であり、同社ではアームズに最適化された無数の試作機を開発していた。歴史に if が禁句であるのは重々承知だが、せめてあと半年、試作機たちの先行量産が開始されていたら今回の戦の趨勢は大きく変化していたことだろう。逆にいえば、皇帝ラスの情報網と戦略のセンスがこの先制攻撃に現れていると言えよう。
「青き流星」D-02 ブルーシル マキナス ソルジャー L 「マジェスト」の攻撃は苛烈を極めたが、「マキナス」側も黙っていなかった。「青き流星」の二つ名を持つエース機が、単騎でラスが召喚した人と地の召喚獣を続けざまに屠って見せたのである。その戦果は多くの兵士たちに勇気を与えるものだったが、ゆえに最悪の事態を招くことになる。最終手段が選択されたのだ。ラスによる天の召喚である。
「機械天使」ヘブンス マキナス エンジェル L 帝国に接収されたのは財産だけではなかった。国境防衛用の決戦兵器として開発された機械の天使も持っていかれてしまったのである。「マキナス」にとって痛手なのはもちろんだが、第2次マジェスト戦役の相手である「グローリー」にとってもこれは痛恨の出来事だった。「テヘナの攻防戦」に投入されたこの防衛兵器を突破するために、多大な犠牲が強いられたのである。
「流浪の鼠騎士」ワンダ ワイルドランド ラット E 天才エマと英雄エラー、二人の友人の間を往復しパイプ役となっていたのは1匹の鼠騎士だった。別にあくせく働いているわけじゃない。どっちの女もオレっちに惚れちまってるから、両方に平等に会いにいってやっているだけらしい。二人ともオレっちのトレードマークの帽子がお気に入りで、型崩れしないように手紙風の型紙を毎回ぬいつけてくれるそうだ。モテるラットはつらいぜ。
獣人ポメラ ワイルドランド トライブ C 笑顔はとても大切な武器である。相手の敵対や警戒の心をやわらげ、自らの好感度を高めてくれる。どんな時でも笑顔を忘れないのは素敵なことだ。だが、皆の憧れの英雄による敵対宣言と『ヴァンパイア・ショック』が嫌で、帝国からとんずらこくときに、大荷物抱えながら笑顔を向けられても、それはどうだろう。ぜひ、ときと場合を考慮していただきたい。
メット・ブレイカー ワイルドランド レギオン/ウイング C 「脳に虫がわく」という言葉をご存じだろうか。ミニオンが脳細胞を餌にする寄生虫ネグレリアに感染すると、言語や行動に障害が発生してしまうことが知られている。そのことから、あまりに突飛な言動をたとえて「脳に虫がわいている」と表現することがある。当然、実際に虫がいるわけではない……はずなのだが、そのいないはずの虫を主食とする鳥がいるらしい。高次のエネルギー体を食しているという説があるが、なにしろ奴らのクチバシは鉄兜を貫通する。突飛なことを言っていると突かれて落命するのでご用心を。
D-19 スカウトレンズ ワイルドランド ソルジャー C かつて竜大戦のきっかけとなった「ワイルドランド攻略部隊」なるものがあった。当時全滅の憂き目を見たのだが、それから数年、なんと当時の生き残りが「ワイルドランド」に小さなコミュニティを作り生存していることが発覚したのである。なんと独自の修理工場まで完備しているとのことだ。危険な「ワイルドランド」では偵察に特化したソルジャーが重宝されているという。
魔法サーカス団マーマン ワイルドランド アーティスト C 魔法サーカス団は、各地で公演するたびに、その地の特別ゲストを招き入れ参加してもらうことを旨としている。地元出身の演者がいる方が、より親近感がわき盛り上がると計算してのことである。ゲストの中にはこの一座に魅了され、正式に団員になってしまう者もいる。その傾向は「ワイルドランド」出身者に顕著なようだ。
赤毛の探検家アスカ ワイルドランド レギオン/ヒューマノイド C 英雄の軍団と名がついているとはいえ、その全員がエラーの信奉者というわけではなかった。中には、もう一人の柱であるデミゴッド、アルテガルを慕いついてきた者も多い。特に「ワイルドランド」からやって来てわざわざ参加した者はその傾向が強かった。エラーは九神龍のひとつを墜とした偉大な戦士ではあったが、6ヵ国のミニオンたちとは違って、救国の英雄というわけではなかったからだ。
ストーン・スフィンクス ワイルドランド レギオン/モンスター R 両軍が最初に激突したのは「ペンタゴナ」南西テヘナと呼ばれる地域においてであった。海岸線に築かれた砦を軸に帝国側が防衛し、「グローリー」側が攻め手となった戦いだった。後の世に「テヘナの攻防戦」と呼ばれるこの一戦は、石像型のミニオンを盾にその背後から「秘法同盟」による魔法の連打という乱暴な方法で突破口を開き、「グローリー」側が緒戦を飾った。 –『大公史』 公暦807年 第85節 
戦天使ハンマー ワイルドランド エンジェル C 戦天使に限らず、そもそもエンジェルたちは「ワイルドランド」の楽園が故郷であるとされている。四大天使たちが楽園の守護者であり、戦天使とはその下で実際に楽園のために戦う者たちの集まりであった。どういういきさつで、「カナタナ」に天使たちが棲みついたのか定かではないが、彼ら自身覚えているものなのだろうか?
ブラック・カプラ ワイルドランド レギオン/ビースト C 軍団と総称されているものの「グローリー」はその成り立ちからして、戦闘に特化した構成員で結成されているわけではない。6ヵ国の国境否定派はむしろ戦闘も忌避する者も多いし、アルテガルを慕いついてきた「ワイルドランド」の者たちの中にも穏健派がいる。それらを通常の軍隊より優れた戦闘部隊としてまとめてしまえるのが、アルテガルの手腕であった。 –『大公史』 公暦807年 第21節 
宝石人ヘマタイト ワイルドランド ジュエリスト C 帝国臣民のほとんどは、皇帝への畏敬と恐怖により臣従しているものたちである。何らかの利益のために留まる者もいる。だが、誰よりも帝国の現状を真剣に憂いている者は彼らではない。帝国成立から2年、ごくわずかであるがこの帝国で生を受けたミニオンがいる。彼らにとっての祖国のために、戦場に身を投じているのである。
忍び寄るヴァンパイア ワイルドランド ヴァンパイア C 眷属のヴァンパイアは、主従がはっきりしており別の系譜のヴァンパイアに血を吸われると消滅してしまうのだそうだ。皇帝ラスはこれを利用し、「ワイルドランド」から呼び寄せたヴァンパイアによる吸血で『ヴァンパイア・ショック』を解決しようと画策したのだ。これが、プライドの高いヴァンパイアの逆鱗に触れることになる。
ゴブリン・アーチャー ワイルドランド レギオン/ゴブリン R 英雄の軍団「グローリー」のメンバーの中には、ミニオン随一の小悪党として有名なあのゴブリン族も参加していた。なんでも窮地をアルテガルに救われて、彼に心酔しているのだとか。よらば大樹の陰とか、あいつ欲がないからおいしいとこつまんどことか、そんなこと考えてないから。絶対、違うから。
ドラゴニュートの剣士 ワイルドランド レギオン/ドラゴニュート C 親分であるドラゴンが、九神龍からデミゴッドへと所属を移した。困ったのは直下の眷属たちである。親分に従うべきか、大親分の九神龍に義理立てするのか。はたまた眷属を離れ自分もデミゴッドの下につくのはどうだろう。いろいろ悩んだ結果、いっそ全員に従うことにした。命令が重なったときは、一番近くにいる人最優先ということで。だってみんなすげえし、かっこいいし。
「戦場を巡る者」アルテガル ワイルドランド レギオン/デミゴッド L 英雄の元に参じた者たちによって構成された軍団「グローリー」。その中には、1人のデミゴッドがいた。当然、団員からの崇拝は彼に対しても向けられたのだが、超越者であるはずの彼はヒューマノイドでしかないエラーに対して忠誠を誓ったのだという。だが、彼の秘めた想いは英雄に届くことはなく、それがあの悲劇につながっていくのである。
「全てを許される者」パトラ ワイルドランド デミゴッド L 「ミツグくん」なる存在をご存じだろうか。異性の興味を繋ぎ止めるためせっせと金品を相手に渡すが、結局対象の異性にその気はなく、想いが成就されることがない悲しき宿命の者に対する蔑称である。誰も望んでなりたいわけではないのだが、雌雄に関係なく全ミニオンを強制的に「ミツグくん」にしてしまう恐るべきデミゴッドがいるらしい。彼女に一言「それ」といわれると、誰もが指定された「それ」を渡してしまうそうだ。出会いたくないデミゴッドランキング20年連続1位は伊達じゃない。
「守護竜」パールドラゴン ワイルドランド レギオン/ドラゴン E 九神龍アイロスの眷属でありながら、行動を共にするうちにデミゴッドであるアルテガルの魅力に心うたれ、彼に忠誠を誓うドラゴンがいる。竜の縦関係はかなり厳密であり、他に気移りするなど到底考えられないことなのだが、さらに驚くべきはアイロスがそれを受け入れたことにある。穏やかさと懐の深さは、まさに「静」の尊称にふさわしい。
砂竜ザカルダー ワイルドランド ドラゴン L 九神龍と天の召喚獣が、英雄の放つ深紅の雷撃をあびて一瞬で消滅する。湧き上がる歓喜。だがそこに致命的な油断が生じる。その隙をついて、地に潜っていた砂竜が襲い掛かったのだ。エラーを守るため隣接していた銀の部隊が割って入ろうとするが間に合わない。唯一反応しえたのはエラー直属の3女神の1人リタだった。砂竜の前に立ちはだかり、なんとかその進軍を阻んだものの、相打ちとなり、その命を散らすことになったのだった。
「運命の糸を紡ぐ者」クロートー ワイルドランド デミゴッド L 運命の3姉妹と呼ばれるデミゴッドたちがいる。彼女らが3人あわさるとミニオンの誕生から死に至るまでの運命すべてを操ることができるとされている。3姉妹の長女にあたるデミゴッドにはミニオンの出生時に宿命を授ける力があるらしい。なお、3姉妹と呼ばれているが、彼女らに血のつながりはなく、どういう関係にあるのかは秘密である。
九神龍「静」アイロス ワイルドランド ドラゴン L 6ヵ国のミニオンたちには、九神龍といえば暴虐無尽で絶対に関わってはいけない存在であると認識されている。概ね正しいのだが、中には世を憂う知性的な者も存在するのである。デミゴッドたちと親しくしている「静」のアイロスはその代表格で、皇帝ラスに付き従うアクアマリンを止めるため、アルテガルに協力を申し出たのだ。
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宝石人スピネル アグマ ジュエリスト R 皇帝ラスの敗亡により帝国は崩壊した。敵がいなくなったことで国家権威は戻るかと思ったら、そうはならなかった。むしろ治安が悪化したことで賊徒が出現。これらに対処すべく「アグマ」は国の権威を取り戻し、統制を強めようとした。だが、新住民がこれに大きく反発する。対帝国の最前線に配されたジュエリストたちから見ると、旧権力者たちは下がり気味だった頭を急にもたげ、ふんぞり返っているようにしか感じられず、何をいまさらとしか思えなかったのだ。
宝石人オニキス アグマ ジュエリスト C 内戦で疲弊する国において、空賊から民衆を守る盾となったのはよそからやってきた組織「グローリー」の戦士たちだった。同じく空賊と戦うジュエリストたちから見れば彼らの産みの親であるはずの自国のドワーフたちよりも、よっぽど「グローリー」の戦士の方が近い存在であった。守られている民にとってもそうであったかもしれない。
ファイアーシケイダ アグマ モンスター C ファイアービートルが大量発生し、地上に向かって降り注ぐ「ファイアーレイン」と呼ばれる災害がある。これはビートルが固い外殻に覆われているため、木や家屋を貫通するほか農作物に被害を与えるので恐れられている。そこまでの被害はないものの、嫌われているのがファイアーシケイダの大量発生だ。彼らの害は鳴き声である。うるさいのはもちろんだが、爆発音に聞こえるのだ。そこらじゅうで大事故が起きたかのように驚かされるし、本当の事故の見分けがつかなくなる。実に迷惑な虫である。
宝石人ジルコン アグマ ジュエリスト C 「水切り」というのをご存じだろうか。川岸から対岸に向かって水面を跳ねさせるように石を投げる神聖な儀式のことである。見事対岸まで渡ることができた石からは、実に立派なジュエリストが誕生する。逆に川底に落ちてしまった石は水流によって研磨され、やがて砂利となり生まれることなく消えてしまう。まさに生死をかけた命がけの儀式なのだ。「水切り」恐るべし。
「金剛の拳神」宝石人ダイヤモンド アグマ ジュエリスト L 隣国「カナタナ」に続き、「アグマ」も内戦が勃発。「第2次恐竜戦争」である。従来よりも強めの統制をしこうとする政権に対し、竜大戦後に結んだ約束と違うと恐竜たちが反発。大規模な反乱が発生したのだ。ジュエリストたちにも出撃の要請が下るが、彼らの中でも中心的立場のダイヤモンドがその命令を無視。襲来する空賊たちから民衆を守る道を選んだのだった。
「紅水晶の踊子」宝石人ローズクォーツ アグマ ジュエリスト E 「アグマ」末期、国は3つに分裂していた。ドワーフとゴレイムたちが支配する「ザ・ピーク」下層、恐竜たちの勢力範囲である「ザ・ピーク」周辺部、そして両者の戦いから身を引き空賊の襲撃におびえるその他の勢力である「ザ・ピーク」中層である。ジュエリストを中心とした新勢力であるこの中層の民たちが、「アグマ」解体に向け主導的な役割を果たすことになった。 –『大公史』 公暦808年 第100節
「アグマの戦士王」ドゥリン アグマ ドワーフ L ドワーフ族の王であり、当時大統領の地位にあったドゥリンは、ついに決断を下す。和平条約に調印し、「アグマ」は主権を放棄、新たな統一政府の一員になることを。これをもって全戦闘が終結。英雄エラー・ド・ネジェルの下、世界連合王国が誕生するのである。800年に及ぶ6ヵ国の歴史に幕が降りたのだ。 –『大公史』 公暦808年 第106節
「赤角竜」ヒートホーン アグマ ダイナソー E 恐竜たちは「格」を重視する。恐竜内の地位はその「格」によって決まる。恐竜内の最高格の者より上と思えなければ、ドラゴンすら認めない。当然ドワーフなど認めるはずもなく、それゆえの徹底抗戦であった。だがデミゴッドであるアルテガルを率いた英雄の姿を見た時、彼らは戦うのをやめた。デミゴッドは恐竜たちにとって存在そのものが「格上」だ。それを率いるエラーはさらに「格上」である。奇妙に思えても、それが彼らの流儀であった。
戦天使サマー カナタナ エンジェル C すでに国家が崩壊していた「タナトス」に続いて、国家破綻したのが「カナタナ」だったのは多くの者にとって意外なことだった。「マジェスト」が崩壊したことで、彼の帝国にかしずいていた戦天使たちの実権がはく奪され、国家は元の執行体制に戻ろうとした。対帝国戦略の規定路線のはずだったが、当の戦天使たちが黙って捨てられることを拒否し、内戦が勃発したのだ。
戦天使メイスナイト カナタナ エンジェル C 「エンジェリック・ウォー」と呼ばれる内戦は、帝国出現前後でそれぞれ執権していた者たちの主導権争いであった。実権を取り戻したアヴィアンを中心とする旧執行部に、戦天使たちが仕掛けたクーデターだったという見方もある。だが実は、彼らにはさらに深い目論みがあったのだ。
ツバサネコ カナタナ キマイラ C 国境が本格的に失われていく中で、台頭してきた一団がある。空賊でも海賊でもない。その名をニャンコ団という。ネコたちは本来気まぐれである。だが新政権の基本である多数決だ。群れることが得意な犬どもに対抗するためにはネコも群れなくてはならニャイ。この使命感のもと、「デメテー」の獣人が発起人となり結成されたのがニャンコ団である。バカにするなかれ。50年後、ニャンコ団の運動は実を結び、連合王国宰相を送り出すのだ。ちなみに活動開始初年、「カナタナ」からのニャンコ団加入者はゼロである。だってめんどくさいニャ。
「拒絶のタクト」戦天使デニー カナタナ エンジェル E どの組織も一枚岩ではない。上層部の決定に首肯はしても本当は納得していないこともざらである。新政府のトップとして英雄エラーを迎えるにあたり式典が催された際のことだ。出迎える軍楽隊は本来荘厳かつ勇壮な楽曲を奏でるはずが、演奏したのは「お花のワルツ」。子供のお遊戯の曲を演奏することで明らかな不満を表明してみせたのである。だが英雄の器量はさらにその上をゆく。音楽にあわせ笑顔で軽やかに舞いながら行進したのだ。その華麗さに反感をもっていた者たちも脱帽したという。
「心眼の天使」戦天使シン カナタナ エンジェル L 「カナタナ」国民から「エンジェリック・ウォー」平定の請願が、国家の枠組みから超越した組織である「グローリー」に提出された。これを受け、英雄が仲裁に名乗りをあげると戦天使シンの名の下、アヴィアンともに和平に同意。さらに国民の同意を受け、「カナタナ」は「グローリー」への従属を申し出たのである。 –『大公史』 公暦808年 第37節
「カナタナの精鋭」ムクド カナタナ アヴィアン L 「エンジェリック・ウォー」の終結を受け、英雄エラーの指導の下、「カナタナ」は急激に秩序を回復し、この地から空賊の脅威を一掃してしまう。さらには統治の安定と早期編入により、統一政府成立後「カナタナ」出身者は優位な地位を占めることになる。万事がまるで計画されたようにうまくいった。「エンジェリック・ウォー」はカナタナ上層部による茶番であるという風説があるが、はたして?
戦天使サイス カナタナ エンジェル R 国家としての「カナタナ」は消滅し「グローリー」支配下の一地方におさまる、「エンジェリック・ウォー」の結末は想像を絶するものであった。上層部が勝手にそんなことをすれば、国民からの強い反発があったかもしれない。が、これは国民からなされた請願である。実に平和裡に体制の移行がなされたのだ。 –『大公史』 公暦808年 第38節
「暗夜の凶鳥」フーイ カナタナ ウイング E 「えんがちょ」というまじないがある。呪文をとなえ、両手の人差し指と中指を使ってある動作をおこなうと穢れたものから身を守ることができるとされている。もともとは「カナタナ」発祥で、ある地方で目が合うと呪いをかけられる「縁が鳥」と呼ばれるミニオンがおり、その呪いから身を守るためにおこなった舞が簡略化されたものらしい。穢れから守られるかは不明だが、嫌いな知人と縁を切りたいときに相手に向かってとなえると抜群の効果をもつのは確かだ。
獣人ゼブラ デメテー トライブ C 「デメテー」崩壊までの道のりは、他の国とは少し様子が違っていた。彼の国では、エルフたちがグレたのである。彼らが国家運営への参画を拒否したのだ。これ幸いにと、氏族会議の中央を陣取ったのが獣人たちだった。彼らの不文律3秒ルール。3秒以上の沈黙を肯定とみなすこのルールに支配された会議がまともに進行すると思うかい? 結果はご想像の通りだ。
獣人ブランベ デメテー トライブ R 実権を握った獣人たちだったが、彼らはわかっていなかった。「デメテー」の氏族たちは、彼ら同様みなワガママだった。強権的に言うことを聞けといってもダメで、粘り強い説得が必要なのだ。だが、短気な彼らは結論を急ぐ。たった2回をもって氏族会議は開催されなくなった。獣人以外が全種族サボタージュしたのだ。
「森の幻影」獣人ギンロウ デメテー トライブ L 獣人たちは実感した。一番偉いって面倒くさい。自分たちには向いていないと。かといって、「デメテー」を放り出すほど無責任ではなかった。そこで、ふと思いだしたのだ。帝国と戦ったときに頼もしかった一団がいたことを。いっそ彼らに全部任せたらどうだろうか? そのうえで自分たちもワガママを言う方に回った方が得なのではないかと。獣人のリーダーギンロウは英雄エラーと連絡を取った。
獣人アキ デメテー トライブ C 一部の勢力からの抵抗はあったものの、住人たちの消極的賛成を受け、「デメテー」も統一政府の傘下への参入が決定される。ただし、1人の王の下にすべての地域や種族が平等に扱われることを提示される。当初、王政に反対の立場をとっていたエラーだったが、この条件を飲むため、初代国王就任を受け入れたとされている。「デメテー」消滅からの一連の出来事は「獣人唯一の成果」と長らく語られることになる。 –『大公史』 公暦808年 第92節
モルフェオ「ジトラ」 デメテー モルフェオ C エルフたちが森からいなくなったのは、モルフェオにとって大きなショックだった。彼らが一番エルフたちをかわいがってあげていたからだ。彼らが投げたボールを喜んで取りにいってあげたし、撫でられたらゴロゴロすりすりしてあげたし、一緒にお散歩は最高にリフレッシュだし、何よりクッキーづくりの名人だったエルフたちの作ったお菓子を、一番おいしそうに食べてあげたのは我々なのに! せめてクッキーの作り置きがあれば。30年分ぐらい。
「猫の獣人団」スリーキャット デメテー トライブ E 連合王国に所属したことで始まった新制度「選挙」。自分たちで代表を決めるってのはいい感じだが、投票の結果「デメテー」代表の「守り人」に選ばれたのはグレずに残留したエルフの1人。よくわかった。この制度は獣人には向かない。3秒待てないのに、投票結果を待たなきゃいけないなんて、まどろっこしくてやってられない。でもそれじゃあ、獣人は代表になれやしないから、なんとか投票率をあげてかないと。いいか、ニャンコ団の野郎ども、おまえらみんな、次の選挙は絶対いくニャー! えいえい、ニャー!
「デメテーの守り人」クラリス デメテー エルフ L 「デメテー」の意見を入れたのか、連合王国が採用した政体は議会制民主主義であった。各地方の国民によって選ばれた代表者が集い、政府が提示した国策を吟味し、その可否を決定するのである。政府の構成者の罷免の権利の他、王の戴冠の可否も議会の権利とされた。そして、初代国王としてエラー・ド・ネジェルを認めるか否かを決定する第1回目の王国議会が開催されるのである。間接であるとはいえ、国民に王を決定する権利が与えられているのだ。なんと晴れがましいことであったか。 –『王国記』 王紀元年 第6節
「虹眼の暴れん坊」グランディ デメテー ビースト E 国が消える。それは仕方ない。この世に永遠なんてない。国だとて同じだろう。だが、誰も準じる者がいないなんて悲しくないか? 俺たちの生まれ故郷だ。それが消えようとしているのに、誰も運命をともにする者がいないなんて寂しくないか? 俺がはなむけになってやる。せいぜい暴れて、「デメテー」の記憶を全員に刻んでやる。先に逝って待ってるからな。我が故国よ、永遠なれ。
執事のヴァンパイア タナトス ヴァンパイア C 「グローリー」への編入に際し、「タナトス」側からはそれなりの抵抗があり戦火も交えられた。ただ、ヴァンパイアたちによる周到な根回しにより大半の賛同を取り付けていたため、反抗は大規模なものにはならず散発的なものに終わる。これで、廃絶されたのは3国家目となり、いよいよ「グローリー」は統一政府と呼ぶにふさわしい規模へと拡大されたことになる。 –『大公史』 公暦808年 第52節
切り裂きのヴァンパイア タナトス ヴァンパイア C 帝国を追い出したのはよかった。だが、ヴァンパイアたちは、少しやりすぎたという自覚があった。なにしろ、ミニオンは彼らの食糧であり、眷属が増えすぎると食料不足に陥り兼ねないのだ。彼らが起こした「ヴァンパイア・ショック」は自らの手で幕を引く必要があった。
ポイズン・スパイダー タナトス モンスター C ヴァンパイアたちが自発的に「ヴァンパイア・ショック」をおさめてくれたのは、望外の幸運といえた。だが、たとえそれが収まったところで統治者不在の影響は大きく、さらに海賊の襲撃も度重なり、「タナトス」は荒廃を極めようとしていた。彼らは救世主を必要としていたのである。そこに飛び込んできたのが、「カナタナ」と「ポセイド」が国権を解体し、「グローリー」の傘下に編入したというニュースであった。 –『大公史』 公暦808年 第47節
「吸血姉妹・妹」カーラ タナトス ヴァンパイア E 「貧乏クジを引かされる」という表現がある。損な役回りを押し付けられることを指す言葉だ。たまにならまだいいのだが、常に引かされ続けられる不運な者も存在する。とんでもなくわがままな姉を持ち、いつも駆け付けてその尻拭いをしている妹などもその1人だ。この場合、持ち合わせてしまった常識が貧乏クジにつながるのだから切ないものである。そんな彼女に励ましの献血を。ヴァンパイアを増やさないために断血中なんで。
軍服のヴァンパイア タナトス ヴァンパイア R 帝国の支配やら、そこからの脱却、さらには下級眷属の間引きなど、いろいろ経験してヴァンパイアたちは悟ることがあった。国家というのは、彼の食糧を養殖するにあたって非常に便利で効率的なものだったのだということを。そのうえで、国家の整備は非常に面倒くさい。自分たちで食糧を育てるなど勘弁願いたい。ならば、誰かに国家をおしつけてある程度やつらの権力を認めてやればよいのではないか。畑の規模はでかいにこしたことないので、できるだけ大きな国家が理想であると。
「吸血姉妹・姉」シーラ タナトス ヴァンパイア L 多くのヴァンパイアたちがやりすぎを自覚していたが、一方で「タナトス」の貴族らしく、無分別と無配慮を貫く者もいた。美容には我慢が大敵だそうで、庶民ヴァンパイアの飢えと彼女のニキビとどちらが大問題なのかは自明の理らしい。さすがにこの発言はバカにしているとしか思えない。当然あなたのニキビの方が大問題です。わかってるから、殺さないで。
「カギ爪」ラミア タナトス モンスター E 国境がなくなったことで、文化交流も盛んになるはず。特にその期待に胸を躍らせていたのが各国のグルメたちだ。世界各地においしい料理があるはず。それを堪能する機会が増えるかもしれないとなれば喉がなる。こちらとしても腕によりをかけて自慢の料理を振舞いたいものだ。ラミア一族伝統の料理といえば、「吸血コウモリと白身トカゲのコンフィ」だ。ほら、遠慮しないでたっぷりお食べ。
「タナトスの騎士馬」サイモン タナトス スケルトン L 帝国軍が崩壊し、占拠していたワイルドランドの者たちも故郷へ落ち延びていった。ようやく冥府に閉じ込められていた「タナトス」の国民が地上に戻ってくる……はずだったが、一筋縄ではいかなかった。多くの貴族たちが冥府に安住し、奴隷たちの解放をよしとしなかったのである。その道筋は平民出身の騎兵によって切り開かれ、3か月をかけてやっと地上に到達したのである。その苦難の道のりは「冥府脱出行」として、長く語り継がれるのである。
魔法サーカス団モギリ ポセイド アーティスト R サーカス団に限らず、旅の一座というものは国の庇護の外にあることがほとんどだ。自分たちの命と財産は自分たちで守らなければならない。当たり前のことのようだが、もし、すべてのエリアがひとつの国家だとしたらどうだろうか? 各地を回ってもどこにいても、国民として住民たちと同じ庇護を受けられるのではないのだろうか? 彼らの中にはそう考えている者が多かったのも確かだ。
魔法サーカス団マンドリン ポセイド アーティスト/マーフォーク C 魔法サーカス団は「ポセイド」のスパイだったという説が多くの支持を得ている。各地で公演をしながら各国の内情を探っていたと。さらに踏み込んで、実は二重スパイであり真の主は「グローリー」だったという主張もあり、これも信奉者が多い。彼らを通して「ポセイド」政府をコントロールしていたと。歴史に陰謀論はつきものだが、多くの者が信じているからといって必ずしも本当のこととは限らない。真実は歴史の闇の中である。
魔法サーカス団「イリュージョニスト」シルク ポセイド アーティスト L 魔法サーカス団の中に、「グローリー」の幹部である導きの乙姫の親友がいる。二人は幼き頃同じ里親の下で育ったそうで、別々の道を歩んだ今でも連絡を欠かさずとりあっていたようだ。お互い助け合う約束をしており、団員の多くが彼女たちに協力的だった。後世において魔法サーカス団は「グローリー」の援助を受け有名になったと批判する者がいるのはこのためだ。事実は逆である。むしろ魔法サーカス団が金銭的に支援したのだ。彼らは「グローリー」の大口スポンサーのひとつだったことは秘密である。
アイスカク ポセイド ビースト C 「カナタナ」に続いて、「ポセイド」が国権を返上し「グローリー」傘下への編入を申し出た。国民の多くに自分たちこそ真の英雄の民という意識があり、むしろ「カナタナ」に先を越されたと思っていたぐらいで、何の抵抗もなくこの申し出は了承された。ふたつの国が傘下に収まったことで、以降「グローリー」を中心とした政治体制に統一政府の名が冠されることになる。 –『大公史』 公暦808年 第39節
魔法サーカス団エアリアル ポセイド アーティスト C 国境否定派たちは2種類に別れる。無政府を望むアナーキストたちと、みんな仲良しがいいという理想論者だ。アナーキストたちの存在のために、多くの民から国境否定派は疎んじられる存在だったが、それが多分にポジティブなイメージに変わっていったのには、魔法サーカス団も大きく関わっている。「みんな手を取り合おうよ! 同じミニオンじゃない!」なんて言われながら、スター団員たちに手を差し伸べられたらさ。ほら。ねえ。
魔法サーカス団「ジャグラー」フィッシュマン ポセイド アーティスト E 魔法サーカス団で、子供たちに一番人気がある演目が、ピエロのジャグリングである。刃物はもちろんボールにネズミ、いろいろなものをお手玉する。中でも最も人気なのが、色とりどりの魚を閉じ込めたシャボンの珠を次々と宙に浮かせる魔法のジャグリングである。照明をうけて七色に輝く水の珠が舞う様は幻想的で、子供たちは大口をあけて夢中になるのだ。
「ポセイドの番人」グラン ポセイド マーフォーク L 国王エラーの居城に選ばれたのは、「ペンタゴナ」内海に浮かぶ「サントアーリオ」という名の島だった。つまり、出入りは海路と空路に限定される。特に重要なのは海路であり、王国海軍とは別に内海の秩序を常時監視する警備隊が発足されることとなった。内海の出入りは特に厳しく監視され、その職務から通称「番人」と呼ばれたのである。
ペンタゴナ音楽隊「ゴールド・ベル」 ポセイド アーティスト E 統一政府成立後も、楽団をはじめとする多くの団体は、これまで通りの活動を保障された。彼らにしてみれば自由はそのままに、さらに手厚い保護が受けられる新しい政権は理想とするところであった。余談ではあるが、新王国成立により暦が改訂され、公暦は廃されることになるのだが、世紀末音楽祭を継続するために一部で公暦の記録が続けられる。300年後、連合王国が崩壊するときに公暦が復活することになるが、この記録が役にたつことになるのである。
ロートヴァイス マキナス アームズ R 帝国崩壊後に「マキナス」が抱えた問題は、よそと違うものだった。無気力である。竜大戦開始前から、国民感情的には政府は常に誤った判断をしてきたと映っている。しかもそれは、公然とした事実でもある。「マキナス」国民は命令されて動くことに慣れきっていた。だが、その命令が信用ならないとすればどうだろう? 彼らはどうしたらよいのかわからず、放心状態に陥っていたのだ。そう、無気力だったのである。
D-10 ガンウェイブ マキナス ソルジャー C 「グローリー」の英雄エラーから、「マキナス」に連絡が入る。海賊討伐への参加要請である。無気力だった国民たちは、その命令にとびついた。そして任務を通して震え上がることになる。彼らは知ってしまった。「マキナス」という小さな単位ではなく、全ミニオンを対象にしたときに自分たちの価値はどれほど高まるのかということを。客観的な命令に従う善行がどれほどの高揚感をもたらすのかということを。
アイヒヘルーネ マキナス ハンター C 「マキナス」にも野生のミニオンが存在する。ここ数年は戦争が続いており、あちこちに残骸が散らばっており、これが野生のミニオンたちの大切な資源になる。自己修復の材料にも使えるし、残存燃料は素晴らしいごちそうだ。何もなければ炭水化物をエネルギー変換することも可能だが、それだとすぐお腹がすいて常に食べていないとならなくなる。戦乱は実は彼らにとって天国であったようだ。
D-12 ライフルグレイ マキナス ソルジャー E 海賊討伐終了後、「マキナス」は自ら進んで「グローリー」編入を望んだ。彼らの国民性は、規律と統率を好む。これまでは「マキナス」という国家がむしろ自分たちの蓋をしていたのではないか? 英雄の下でならより充実した世界が待っているのではないか、恐ろしいことに、末端だけでなく国家首脳部の意見も同一であった。いかに当時の「マキナス」が自信を喪失し、病んでいたのかの証左といえよう。 –『大公史』 公暦808年 第83節
D-16 シールドウォール マキナス ソルジャー C 復興というのは、労働においては素晴らしいものである。必ず誰かの役に立っている。その誇りこそが、労働においてはいかに重要か、度重なる崩壊からの復興を経験した「マキナス」国民は理解している。もはや復興中毒である。本来破壊するために作られた工場製のソルジャーたちも、復興においては重要な働き手であり、作る喜びを享受する。そりゃもう、たまらない。だが、「マキナス」の面々は労働効率に関して比類ない優秀さで知られている。あっという間に復興してしまうのである。彼らは常に思っている。俺に復興をくれ!
「赤の災厄」D-04 レッドアイ マキナス ソルジャー L 英雄の片腕アルテガルと共に、拠点攻略戦用ソルジャーであるレッドアイに率いられた「マキナス」の部隊が海賊の本拠地へと突入する。本拠地の位置は、ソルジャーたちをも凌駕する知覚判断力を備えたエルフの傭兵団によって割り出されたものだ。適材適所。国を越えてそれぞれの長所を生かすよう組み上げられた集団は、想像以上の効率と確度を備えたものだと実感させられた。国の枠組みを超えた組織「グローリー」があの強大な帝国を打ち破れたのか、やっと理解できた気がしたのだ。
「マキナスの戦闘メイド」ロゼッタ マキナス アンドロイド L 国王になったエラーは警護や世話係を周囲に配置することを嫌った。彼女自身一流の魔法戦士だったし、自分のことは自分でできるというのもわかるのだが、まわりの人間はそうもいっていられない。そこで、戦闘も世話もいけるメイドをまずは配備することになった。「マキナス」出身でなんでもこなせる彼女が唯一苦手だったのが、エラーとの会話だったそうだ。なんでも友人としてタメ口を要求されていたとか。気を抜くと語尾がめちゃくちゃになるらしい。「今日ハ何ヲ着ルですノだ?」
「雲海の白エイ」フルークロッヘン マキナス ウイング E 海賊との戦闘は「マキナス」最後の出兵であり、空賊との戦いは統一政府軍としての最初の出兵となった。空賊と戦う上で航続距離を延ばす空中要塞の存在は、「グローリー」にとって大いに役立つものだった。エルフ傭兵団の割り出した空賊たちの本拠地は複数あり、互いに距離が離れていたため、一気に追い詰めるにはうってつけだったのである。
空賊ミハーリ アグマ/カナタナ ドラゴニュート/ウイング R 最初は内戦に脅かされ、自分たちの命は国のものではないはずで自由であるべきだと考える集団だったはずだ。それが、何をやっても俺たちの自由だろう? に変わっていくのにたいした時間はかからなかった。彼らの理屈からいえば、悪いのは国であり、犠牲になる民がいるのも国のせいなのだ。国家にとっての反逆者から、民衆にとっても敵に変わってしまったのである。 –『大公史』 公暦808年 第4節
空賊ウォーカー アグマ/カナタナ ドラゴニュート/ウイング C 帝国崩壊後にやってきたのは、国家権威に対する疑問であった。何しろ、帝国を破ったのは国ではなく、英雄を僭称する者を中心に構成された私兵集団だったのだ。国は何の役にも立たなかった。そう思った者たちが国家を離脱し、徒党を組むようになる。「アグマ」と「カナタナ」を離脱した者たちが合流し、彼らは空賊と呼ばれるようになった。
空賊イツカ アグマ/カナタナ ドラゴニュート/ウイング C 帝国の脅威が取り除かれたのち、「アグマ」と「カナタナ」は示し合わせたように内戦状態に陥った。両国からは棄民が発生し、合流して徒党を組み始める。これが空賊の始まりだった。国家の統制を離れて武装した彼らに対し、本来なら咎めるはずの両国は沈黙したままだった。内戦でそれどころではなかったからだ。治安の乱れの象徴といえよう。 –『大公史』 公暦808年 第3節
空賊トッコウ アグマ/カナタナ ドラゴニュート/ウイング R エラーは彼ら空賊にとっても憧れであり、英雄だった。その彼女から自分たちが討伐対象とされたときのショックは計り知れない。自分たちだって、「グローリー」と同じく国家を離れて自由にやっているだけなのに。この内心のショックを埋めるべく、ますます略奪に励む空賊たちなのだった。
空賊ボウマン アグマ/カナタナ ドラゴニュート/ウイング C 空賊の本拠地攻めに際し、統一政府は6ヵ国すべて、正確には「アグマ」はジュエリストのみであったが、すべてから戦力を供出させ、新たな部隊として再編。その軍容は災厄竜討伐やあの竜大戦のおりも、BS事変でも実現しなかった6ヵ国連合軍の様相であり、新たな時代を感じさせるものであった。いずれは軍服も統一されることになるだろう。各国の制服が一堂に会するのはこれが最初で最後であろうと思われた。 –『大公史』 公暦808年 第108節
空賊「青空兄弟」ソラ&クウ アグマ/カナタナ ドラゴニュート/ウイング E 空賊の中には、6ヵ国及びその後の連合王国体制に嫌気がさし、未踏の地である「ワイルドランド」に思いをはせ、彼の地に旅立つ者たちもいた。過酷な環境が待っているだろうが、新天地への希望が勝ったのだ。安住の地を見つけられるのか、それとも朽ち果ててしまうのか、ほうほうの体で逃げ帰って来るかもしれない、だがそれもまた一興ではないか。見果てぬ地を目指して飛ぶ。彼らは自由だ。
空賊「用心棒」ジーマ アグマ/カナタナ ドラゴニュート/ウイング E 空賊の用心棒といっても、やることは少ない。地上を攻めている限りは抵抗してくるものも少ないからだ。その日もいつもと一緒と思っていたら、まさか激烈な反撃がくるとは予想もしていなかった。なんと「グローリー」の本隊が空賊の出没地域を見定め、反撃に転じて来たのである。用心棒としてやることは一つ。真っ先に逃げること。こんなの相手にするなんて割にあわないでしょ。
空賊ソニック アグマ/カナタナ ドラゴニュート/ウイング R 空賊の特徴は、神出鬼没であることと、逃げ足が早いことにある。また、その特徴をいかして、相手をおちょくるのが大好きであった。幼ミニオンの間で、何かに馬乗りになってお尻を振る「馬尻ダンス」が大流行するが、空賊たちがよくやっていたポーズが発祥らしい。どんな仕草かは想像しないことをお勧めする。マジで腹立つから。
空賊「特攻隊長」シミター アグマ/カナタナ ドラゴニュート/ウイング L 竜大戦終結から時がたち、ドラゴンやその眷属たちも社会に受け入れられてきた。それでも葛藤があったのかもしれない。空賊に参加したドラゴニュートは最も攻撃的な戦士になった。彼は賊だが奪うことよりも壊すこと襲うことに重きをおいていた。「カナタナ」のドラゴン保護地域の者たちは、かなり虚しさを感じたそうである。彼らは真心をもって接してきたつもりだったが、通じていなかったのか、やり方が間違っていたのかと。
「トワイライト空賊団・団長」ヴァイス アグマ/カナタナ ドラゴニュート/ウイング L 空賊たちは徒党を組んでおり、長のポジションの者も当然いた。だが、彼に空賊をまとめるつもりはなく、団員の行動に制約を与えることはなかった。誰かに指図させるのが嫌で空賊になったのに、命令を聞くことになるのは嫌だと彼自身が思っていたせいである。彼は知らなかったのだ。自分の目の前ではおとなしい団員も、あずかり知らぬところでかなりの非道を働いていたことを。
海賊ゲストフロッグ ポセイド/タナトス スプライト/モンスター R 帝国の崩壊によって、国のくびきから解放された旧「タナトス」出身の棄民と、「ペンタゴナ」の荒くれ者たちが手を結んで誕生したのが海賊たちだった。6ヵ国の中央に位置する「ペンタゴナ内海」を通じ、あらゆる地域に出没し非道の限りを尽くしたのである。だが、彼ら特に「タナトス」出身者たちは罪の意識が希薄だった。自分たちはもっと非道な目にあってきており、この程度たいしたことないという意識が常にあったようだ。 –『大公史』 公暦808年 第8節
海賊バレル ポセイド/タナトス スプライト/モンスター C 帝国崩壊後の混乱期において、民衆から敵と認識され、最も明確に嫌われたのが海賊たちだった。さもあらん。彼らは実際に職業犯罪者の集団であり、私欲を満たすため民衆を食い物にする気まんまんだった。悲しいのは、本来彼らも搾取される側で、その痛みを知っているはずだったのに、パーっと忘れてしまったことである。脳みそ空っぽになってしまったのだろうか。
海賊ギョジー ポセイド/タナトス スプライト/モンスター C 本拠地を失ったことで、海賊団は降伏。捕まった海賊たちは、迷惑をかけた住民のための労役を課せられることとなった。後先を考えず勝手気ままにやりすぎた結果、残りの人生を他人のための労役に費やすことになったのだ。半海棲のミニオンも多くいたが、使役先を考慮されることはなかったという。 –『大公史』 公暦808年 第75節
海賊スカーク ポセイド/タナトス スプライト/モンスター R 「ペンタゴナ」を逃げ回ってきたが、さすがに英雄エラーが率いる部隊は伊達じゃない。いよいよ年貢の納め時がきそうだ。暴れたいだけ暴れてきたから、これで終わっても後悔はない。唯一心残りがあるとすれば、世界にはこの「ペンタゴナ」より広い「オーシャン」と呼ばれる海があるらしい。そこには果てがなく、出口のない「ペンタゴナ」のように追い詰められることもないそうで、そこで暴れてみたかった。おまえらは海賊じゃなく内海賊だといわれたらカチンとくるしな。
海賊ウミボー ポセイド/タナトス スプライト/モンスター C ドッキリとサプライズ、同じ相手を驚かせる行為だが目的が少し違う。前者は単に驚かせて相手のリアクションをみたいがためのいわばイタズラだが、後者の主目的は相手を喜ばせることで驚きでその喜びを増幅させようと目論んでいる。そのサプライズがしたくて船を通せんぼする海賊がいる。突然海面が持ち上がるので、そりゃ驚く。でもそれサプライズちゃう、ドッキリやで。しかも相当たち悪いから。
海賊ガイスト ポセイド/タナトス スプライト/モンスター R いくつかの国が「グローリー」に編入されたことで統制を取り戻しはじめると、海賊たちの活動は途端に窮屈になりはじめた。それどころか、しばらくすると様々な勢力が海賊叩きに精を出しはじめたのである。よってたかって弱者を叩くなど、イジメに他ならない。「タナトス」出身者が多い海賊たちは昔を思い出し、憤りを強くしたのだ。もちろん、海賊行為そのものが弱い者イジメであることはこの際おいておく。嫌いな言葉は因果応報。
「海賊団のペット」クラーケ ポセイド/タナトス スプライト/モンスター E ゴースト海賊団の本拠地が見つからなかったのは、それが動いていたからだ。本拠地は浮島であり、ペットのクラーケによって移動されていたのである。時には大掛かりな儀式魔法によって島全体を気泡の中に包み、海中へ移動させていることもあった。潮流の変化と沿岸からの観察で、エルフたちがこれを見抜くのである。どちらもすごいと感嘆せずにはいられない。
海賊船「死鮫」デスシャーク号 ポセイド/タナトス スプライト/モンスター E ゴースト海賊団の旗艦は、統一政府によって接収された。船自体が生きたミニオンだったため、当初は反逆するのではないかと危惧されていたが杞憂に終わる。傍目にはなかなかわからなかったが、英雄エラーが乗り込んできた時のテンションの上り方がやばかった。この人に一生ついていくという勢いだったのだ。この帆柱の角度の違い、わかってもらえるだろうか? あと、右の錨の巻かれぐあいとか、船尾にあがる水しぶきとか、あとほら、あれもほら。
「海賊団副船長」シェルハザード ポセイド/タナトス スプライト/モンスター L 勝手きままな海賊たちの中に、なぜ海賊狩りの海賊団などというものが組織されたのか。ゴーストの異名を持つ海賊団の本拠地がエルフの尽力があったとはいえ、なぜ短期間で暴かれることになったのか。当時の海賊団の中で内通者を疑う者が1人もいなかったのが疑問だ。よほど高い地位にいて、組織全体をうまくコントロールしていれば隠蔽できるのかもしれないが。
「ゴースト海賊団・船長」ラミレス ポセイド/タナトス スプライト/モンスター L 海賊が誕生した当時は有力な海賊団がいくつかあったが、すぐにほとんどが消滅してしまう。本拠地にため込んだ宝を狙う海賊狩りの海賊団がおり、彼らによって狩りつくされたのだ。他の海賊団も彼らの本拠を狙ったが、ゴーストの名がつくだけあって、エルフの傭兵団によって割り出されるまでは、誰にもその場所はわからなかったのだ。
傭兵団バンディ マキナス/デメテー ソルジャー/エルフ R 傭兵団を組織するにあたり、彼らは戦闘力のさらなる向上を目指し、新たな技術を導入する。「マキナス」のソルジャーたちから指導を受け、「マキナス」製の武器の扱いを習得していくのである。もともと弓術に優れ遠隔戦の素養が高かった彼らは、瞬く間に技術を習得し新兵器による戦術を確立していったのである。 –『大公史』 公暦808年 第10節
傭兵団オペレーター マキナス/デメテー ソルジャー/エルフ C 帝国崩壊後からまもなく、エルフたちが「デメテー」から大量離脱。どこの国家にも属さない、流浪の傭兵団を組織する。これはまさしく英雄エラーの率いる組織「グローリー」の影響を多分に受けているものと推察された。他国の離脱者とエルフたちが一線を画すのは、他の者たちが誘惑に負け犯罪者集団と化していったのに対し、あくまで独自の傭兵団のスタイルを崩さなかったことである。 –『大公史』 公暦808年 第9節
傭兵団ショット マキナス/デメテー ソルジャー/エルフ C ちまちました護衛仕事などをこなしていた傭兵団に最初に舞い込んだ大きな仕事が、「グローリー」の依頼による海賊団討伐の手伝いであった。彼らはこれを快諾する。統一政府との良好な関係構築は彼らの望みに合致した。いや、正直になろう。何より報酬が素晴らしかった。独立してわかったが、世の中銭があってナンボなのだ。がめついとか言わないで。現実的と言ってほしい。
傭兵団グレネ マキナス/デメテー ソルジャー/エルフ R 戦闘中、走馬灯のごとく思考が脳内を駆け巡った。……これを投げたら、3日間わたしのおかずは抜きになる。戦闘に躊躇は禁物だ。でも、わたしのおかずは抜きになる。命あっての食事だってわかってる。でも、わたしのおかずは抜きになる。誰が言ったのだろう、戦争とは経済行為であると。ハンドグレネード1発がこれほどの葛藤を産むなんて、これが経済行為ということなの? 全部貧乏が悪いんだ。さようなら、わたしの卵焼き……。
傭兵団アルガ マキナス/デメテー ソルジャー/エルフ R 最初の依頼は戦闘参加であったが、エルフたち傭兵団自らが、索敵により敵の本拠地を割り出すという実に地道な作業を買って出てくれた。しかも、考えられうるもっとも短期間にそれを達成してみせてくれたのである。その分政府軍は防衛に徹し、民衆の被害を最小限に収めることができたのだ。派手な戦闘とは程遠い、花形とは決して言えぬ仕事を黙々とこなす姿に、傭兵団の声望は高まっていった。 –『大公史』 公暦808年 第67節
傭兵団ヘヴィ マキナス/デメテー ソルジャー/エルフ C 森にいたときは、何のためにあるのかわからない呪文があった。たとえば、落ちたボタンを集める魔法。今では薬莢拾いに大助かり。薬莢に火薬と弾をつめれば再利用できるから節約になる。灰から炭を作る魔法。薪なんて無限にあると思っていたが、自分で準備するとなれば一苦労だし、鉈や手斧だって摩耗する。つまり、祖先はけっこう貧しくて、生活を便利にするための魔法がいっぱい開発されていたんだ。ひとつかしこくなれたわたしは、祖先と同レベルの貧乏ってことだ。給料あがんないかな。
傭兵団「暴れ馬」ジョッキー マキナス/デメテー ソルジャー/エルフ E 海賊討伐の依頼に続き、空賊討伐協力の依頼を受けることになった。今回も敵の本拠地割り出しが任務となったのだが、誤算があった。相手は空を飛んでいる。海上と違い目測が大変なのだ。なんで空には雲なんてものが存在するのか!? 視界を遮られると地上からの追跡は不可能になってしまう。なんだかんだで割りだしには最終的に成功をしたが、経費がかかりすぎ、ボーナスがパア。そりゃ暴れるっつうの。
傭兵団「防衛隊長」フェン マキナス/デメテー ソルジャー/エルフ E 多くの者はエルフたちの「デメテー」離脱の理由を、あの国の別種族たちの尻拭いが嫌になったのだろうと捉えていた。そういう気分もあったにはあったが、実は別の理由があった。彼らは6ヵ国体制の崩壊と、その後の統一政府の出現を予期していた。英雄エラーのカリスマと「グローリー」という基盤がそれを可能にするだろうと。そうなったとき、政府に組み込まれるのが嫌だったのである。その枠組みから逃れるため、独自の傭兵団というスタイルを構築したのだ。雇い主として政府は尊重しても、あくまで対等の関係を貫こうとしたのである。
傭兵団「壊し屋」マルチ マキナス/デメテー ソルジャー/エルフ L 壊し屋と呼ばれる傭兵がいる。敵はもちろん、あらゆるものを破壊し尽くすことからついた二つ名だ。敵からはもちろん、味方からも恐れられている。二つ名の通り、なにしろ使った装備をぶっ壊す。装備はすべて「マキナス」からの貸与物。後に残るのは修理代金の請求書の山である。まさに彼女は最終兵器だ。他に手段がない時に投入される。赤字覚悟である。
「ハーモニー傭兵団・団長」ピアストル マキナス/デメテー ソルジャー/エルフ L 「マキナス」から武器を導入できたのはよかった。戦いの幅が増えたから。だがその分経費もあがった。組織を運営するというのは資金との戦いなのだと思い知った。税金というのはなんと便利なシステムなのだろうか。「グローリー」からの依頼は索敵任務に変更してもらおう。弾薬も医療品もタダじゃない。索敵が一番得意なわけじゃないが、できればドンパチは勘弁願いたい。総員できるだけ短期間でけりをつけろ。日数が伸びればその分だけ金がかかって、報酬が目減りするぞ。
ダックラットナイト ワイルドランド ラット R エラーの国王就任は大きな慶事であったが、それと同時にもうひとつおめでたいことがあった。彼女の相棒、スカーレットの結婚である。お相手は彼よりもはるかに勇ましい女性騎士だ。出会いのエピソードはエラーにも話してくれないが、明らかにスカーレットの方がベタぼれで、今から尻に敷かれることが確定している風情である。エラーはわがことのように喜び、立派な廻り車のついた新居をプレゼントしたという。いつも仲良くふたりで回るのが朝の日課だそうだ。
ストーン・ドラゴニュート ワイルドランド ドラゴニュート R 皇帝ラスと英雄エラーの何が違うのか。国盗りに成功したか失敗したかの差しかない。何が英雄か。そう主張する歴史家もおり、一面真実である点は否めない。明確な違いは、前者は専制国王であり、後者は議会制民主主義における王であったということ。国王の政策に対し、議会には拒否権があった。王の独断を許さないのだ。たったこれだけの、だが大いなる差によって、前者は梟雄とみなされ、後者は英雄とされたのだ。 –『大公史』 公暦808年 第112節
スパイ・ゴブリン ワイルドランド レギオン/ゴブリン E 「グローリー」の参謀には「秘法同盟」がついていた。英雄のカリスマだけで、連合王国をたった1年という短期間で成立させるのは不可能である。彼らの持つ外交力があってこそ、この短期間で6ヵ国をまとめあげる奇跡が起こせたといっても過言ではない。それは表立ってのことだけではなく、各組織に紛れ込ませたスパイを使い巧妙に操り、世論と組織を誘導させていたことも含めてである。エラーの手を白いままにしておくために、汚れ仕事も一手に引き受けていたのだ。
オアシスタートル ワイルドランド レギオン/ビースト C これは、800年にわたって続いた、6ヵ国時代を記した書である。当時から残されていた記録と、当時から生き残るミニオンたちの記憶をあわせ、出来うる限り公平な視点に立つよう心掛けたが、新事実の発見によって中身が覆されたこともあろうがご容赦されたい。この書が多くの歴史家の研究の礎たらんことを望む。 –『大公史』 序文
タナトスの板前 ワイルドランド スケルトン C 板前にも戦わねばならない時がある。だがどうしても気になることがある。包丁の刃こぼれだ。命より大事なマイ包丁、戦闘なんかで傷つけるわけにはいかない。だからケンカはステゴロだ。武器を持ってるなら使えとかいうな! 包丁は武器じゃない、料理という名のアートを作り出すための大切な相棒なのだから。
ハニーファルコン ワイルドランド レギオン/ウイング C 帝国は倒した。しかし、その後の混乱は予想以上であった。帝国さえ倒せば、世界は元に戻ると高をくくっていたのだが、各国の求心力の低下は予想を超えており、もはやまともに動きそうな国はひとつもなかった。治安を維持するためにも「グローリー」は解散させられない。英雄の計算違い。だが、それすらも予想をこえており、彼女を世界の中心へと押し上げてしまうのである。 –『大公史』 公暦808年 第13節
「白帝」ビャッコ ワイルドランド ファイブスター L 誕生した連合王国と、ファイブスターの間では協定が結ばれていたようだ。「竜大戦」のおりもエラーとファイブスターの関係は良好であり、その関係を今後も継続したい旨、あいさつにいったそうだ。公式に招待された記録は残っていないが、王国領で何度かファイブスターの目撃談があるのは、両者の間で行き来があった証拠かもしれない。
シュネーシュトゥルム・シメーレ ワイルドランド キマイラ/ハンター R 対海賊戦において損傷したアンドロイドとハンター。本来なら両者とも失われていたはずだが、「カナタナ」の持つキマイラの遺伝情報を入手したことで融合に成功。新たに生まれ変わることとなった。ハンターを母体にしたことで重量に耐えうるパワーとアンドロイドの火器管制能力により従来を越える重武装を可能とした。これも統一政府のもたらした技術交流の成果の一つと言えるだろう。
「美を尊ぶ者」マリー ワイルドランド デミゴッド L この世で最も便利な言葉をご存じだろうか。候補はふたつ。「かわいい」と「やばい」である。リアクションに、肯定の表現に、時には否定の表現にも使えるまさに万能の言葉である。使いすぎると若干アホの子に見えるところが残念だが、だからといってこの言葉の便利さが損なわれるわけではない。あるデミゴッドが、このポジションにある言葉を引き上げようと画策している。その言葉とは「美しい」である。この絵はどんな感じ?「美しい」、みてみてあの赤ちゃんのあんよ「美しい」、最近お腹がぽっこりしてきた「美しい」、うん。やっぱり無茶だね。
「狭間から救う者」ロビン ワイルドランド デミゴッド L 敗者にも物語はある。帝国崩壊後、「ワイルドランド」出身者たちは行き場を失い故郷に帰ることを選択する。しかし、水路は「ポセイドの番人」により完全にふさがれたため陸路を行くしかないが、隠れながらの移動に神経もすり減り、容易ならざる行軍となった。だが、捨てる皇帝もいれば拾う神もいる。「ワイルドランド」より駆け付けた1人のデミゴッドが彼らを丸ごと救済し、故国へ送り届けてくれたのだ。新天地への希望は悪夢に終わったが、それでも生きて帰れた彼らは幸運であった。
「ファンタズムニンジャ」オボロ ワイルドランド ジャイアント E 「秘法同盟」が古い記録を発見する。それは有史以前に遡るものだ。「カナタナ」のニンジャたちの源流となる者たちが、現在の「ペンタゴナ」周辺に生息していたらしい。ファンタズム術と呼ばれる特殊な幻影を操り、自らの流派をシンカイドージョと名乗っていたようだ。魔術師エマがその秘術を入手すべくかの流派の足取りを追ったが、その末裔のオボロなるミニオンが「ポセイド」と取引をしていたという記録がわずかに残されているだけで、それ以上のことは判明しなかった。もしかすると、彼以外にも古代の名残を秘める者たちが、この世界には潜んでいるのかもしれない。
「氷魔女」シヴァリス ワイルドランド レギオン/モンスター L 地続きではなかったが、「ワイルドランド」の「魔術都市」も統一政府の直轄領として編入されることとなった。初代国王がこの地出身であったことが大きく、今後「ワイルドランド」の状況を報告することと引き換えに、不安定だったこの都市の安全が連合王国によって保障されることとなった。「魔術都市」初代総督には、国王主席補佐官である天才魔術師の親友が据えられることとなった。
「願望の天使」デザイア ワイルドランド エンジェル L 連合王国初代国王となったエラー・ド・ネジェルは、戴冠のおり証人となった天使に3年後の退位を宣誓する。軍事の指導者がいつまでも長の位置にいるのは好ましいことではない。3年で国家の基礎を安定させいち早く文治に移行すべきであると。だが、証人の天使は知っていた。その宣言通り彼女は退位するのだが理想通りにはならず、さらにその3年後、2代目国王とその執政を倒し復位することとなってしまうのだ。だがこの時は未来を語ることはせず、ただ黙って稀代の英雄の真摯な決意を受け止めるにとどめたのだった。

 

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